2019年1月より改正相続法制度が適用されることになります。
今回は、そんな中でも残された配偶者がより安心して相続をすることが出来るように、自宅不動産を遺産分割の対象から外すことが出来る制度についてお伝えしたいと思います。
具体例と共に、どのような条件が揃えば遺産分割より自宅不動産を保護することが出来るのかについてポイントを押さえていきますので、相続法制度の改正に関心のある方は是非最後までお読み頂けますと幸いです。
1. 婚姻期間が長い夫婦の自宅も守られます!
改正相続法制度により、配偶者居住権とは別に残された配偶者を保護する制度として遺産分割の対象より残された者の自宅を保護するための制度が新設されることとなりました。
どのような仕組みとなっているのか、相続税に変動はあるのかという点に着目しながら解説をさせて頂きます。
1-1. 遺産分割の対象から外されます
例えば、現金4,000万円と不動産(自宅)8,000万円の相続財産を残してAさんが亡くなったとします。
ここで、Aさんの配偶者が自宅不動産に居住していた場合、Aさんの他の相続人の相続分が現金4,000万円を超えてしまう場合には自宅不動産を売却する必要があります。
ところが、これをすると配偶者は住む場所を他に探さなければいけなくなり、揉めごとの原因となってしまいます。
ここで、新制度では婚姻期間が20年以上にわたる夫婦の場合、居住している自宅不動産を遺産分割の対象から外すことが可能となりました。
つまり、今回のケースでは、自宅不動産を除外した現金4,000万円から相続人の間で遺産分割協議をすることになります。
1-2. 将来の相続税が高くなってしまう
上記遺産分割除外のデメリットとしては、将来の相続税が高くなってしまうということです。
すなわち、Aさんの相続の際には、改正前と同様に、Aさんの相続財産を取得した者が相続税を支払うことになりますが、自宅不動産を相続により取得することとなるAさんの配偶者が亡くなった際には、自宅不動産分の相続税をAさんの配偶者の相続人が負担しなければいけないこととなり、Aさんの配偶者の相続人が支払う相続税は高くなってしまうという訳です。
2. まとめ
今回は、自宅不動産を遺産分割の対象から除外するための改正相続法制度のポイントについて説明させて頂きました。
少しでも参考にして頂き、実際の施行日に備えて頂ければと思います。
(提供:相続サポートセンター)