ビジネスチャットツール市場に関する調査を実施(2024年)
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2024年度のビジネスチャットツール市場は前年度比109.9%の403億円見込み、成長率は鈍化していくものの2027年度には467億円に達すると予測

~他社サービスとの連携や生成AIを含むAIの取込みなどを通じて、業務に欠かせないプラットフォームをめざす~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内のビジネスチャットツール市場を調査し、参入企業動向や将来展望について明らかにした。

ビジネスチャットツール市場規模推移・予測

矢野経済研究所
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

2023年度の国内ビジネスチャットツール市場は、前年度までのコロナ禍の影響で需要を先取りした結果、その反動により伸びは鈍化し、同市場規模(事業者売上高ベース)は前年度比110.9%の366億7,000万円と推計した。
2024年度はオフィスに留まらず、店舗や接客、工場や建設、医療や介護などの現場を含めた業務の生産性向上や自動化を実現すべく、他社サービスとの連携や生成AIを含むAIの取込みなどの取組みが活発化している。ビジネスチャットツールは業務に欠かせないプラットフォームへと移行しつつあり、2024年度の同市場規模は前年度比109.9%の403億円を見込む。

2.注目トピック

ビジネスチャットツールへの生成AIの取込みに関する2つの向き合い方

ビジネスチャットツール提供事業者各社は自社ソフトウエアに生成AIを取り込んでいるが、その向き合い方は自社サービスへ直接取込むスタンスと、複数の生成AIサービスを提供するプラットフォームとして取組むスタンスで大きく2つに分かれる。

具体的に、前者については、米Open AI社をはじめとした特定の生成AIをビジネスチャットに取り込み付加価値を上げていくべく、従来サービスのアップデートを進める動きがある。
後者については、生成AIの技術開発競争のスピードが非常に速いこともあり、複数の生成AIと連携のうえ、ユーザーが選択できるように中立性を保ったプラットフォームとして取組む形を基本スタンスとしている。

3.将来展望

ビジネスチャットツール市場は2025年度以降も成長率は鈍化していくものの、継続的に拡大する見通しである。
業務に欠かせないプラットフォームとしての位置づけにはまだ至っておらず、引き続き各種業務に必須のツールなどとの連携や生成AIを含むAI機能の更なる取込みなどが今後も進むと考える。また、金融や医療など業界特化型のビジネスチャットツールに至っては、業界特有の業務における生産性向上に向けた取組みが引き続き進められており、成長の余地が多く残されている。

こうした点を踏まえると、コロナ禍のような一時的な高い成長は見込めないものの、継続的な成長が見込まれ、2025年度のビジネスチャットツール市場規模は446億円、そして2027年度には467億円に達すると予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2024年9月~11月
2.調査対象: ビジネスチャットツール提供事業者
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)ならびに文献調査併用
<ビジネスチャットツールとは>
ビジネスチャットツールは、企業の業務シーンにおけるコミュニケーションを目的としたチャットを主な機能としたソフトウェアである。

ビジネスチャットの機能としては、まず通知機能や既読表示があるため、メールと比較した場合、タイムラグが発生しづらく、リアルタイムでメッセージのやりとりがしやすい。また、チャット機能のほかにも、コミュニケーションとしての役割を担うことから通話機能やビデオ通話を盛り込むこともある。
加えて従来のメールの機能も果たすため、容量に制限があるもののファイル共有の機能も兼ね備えている。さらに他社ツールとの連携を図るなど、ビジネスシーンで必要な機能を取り揃えるツールも多い。
<市場に含まれる商品・サービス>
ビジネスチャットツール

出典資料について

資料名2024 ビジネスチャットツール市場の実態と展望
発刊日2024年11月28日
体裁A4 82ページ
価格(税込)165,000円 (本体価格 150,000円)

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