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カレーハウスCoCo壱番屋(ココイチ)の創業者として知られる宗次德二(むねつぐとくじ)さん。幼少期からの厳しい環境を乗り越え、不動産業、そして喫茶店経営を経て、今や国内外で1400店舗以上を展開するカレー専門店を築き上げました。苦難の中でも前を向き続けた宗次さんの言葉に、多くの人が勇気と希望を与えられるトークセッションとなりました。宗次さんの原点ともいえる幼少期の経験や、喫茶店経営からカレー専門店への転身、そして現在に至るまでの成功の秘訣に迫ります。
極貧から成功へ!宗次氏の幼少期と原点
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住谷: 本日は、カレーハウスCoCo壱番屋の創業者、宗次德二(むねつぐとくじ)さんをゲストにお迎えしました。よろしくお願いいたします。
宗次: よろしくお願いします。
住谷: 宗次さんの経歴を拝見すると、かなりハードな幼少期をお過ごしだったようですね。具体的にどのような環境だったのでしょうか?
宗次: はい。私は生後間もなく養護施設に預けられ、その後、養子として引き取られました。しかし、育った家庭は非常に貧しく、生活は極貧そのものでした。中学時代には名古屋市内を転々とし、6畳一間の家賃が払えず追い出されることもありました。電気のない生活を送り、ろうそくの明かりで過ごす日々でしたね。
住谷: それは本当に厳しい環境ですね。そんな中でもグレることなく前向きでいられたのはなぜですか?
宗次: 周りにそういう環境の子も多かったですが、自分は「弱い子だから」という意識があったのかもしれません。それでも親の影響で競輪場に連れて行かれることもあり、食べるものに困ることも多かったです。それでも「前に進むしかない」という気持ちで日々を過ごしていました。
住谷: 幼少期から学ばれたことが、今の成功の基盤になっているのですね。
宗次: そうかもしれませんね。中学生の頃には、親のためにたばこの吸い殻を拾ってきたり、競輪場で落ちている車券を探したりしていました。当たり前ですが、車券に当たりなんてなくて(笑)。そういう環境だったからこそ、どんなに苦しい状況でも耐える力が身についたのかもしれません。
不動産から飲食業への転身と喫茶店経営
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住谷: その後、不動産業から飲食業に転身されたきっかけを教えてください。
宗次: 18歳のとき、中日新聞の求人欄で見つけた不動産業の仕事に就きました。当初は自動車学校の指導員になる夢がありましたが、不動産業の経験を重ねる中で自分の道が変わりました。23歳で免許を取得し、建売住宅や賃貸仲介などを手掛けていました。ただ、不動産業は波が激しい業界ということもあり、ある日、妻に「喫茶店をやってみない?」と尋ねたら、「やりたい!」と即答されまして。その日のうちに知り合いの不動産業者に連絡し、店舗を決めました。名古屋市内の郊外にある店舗でしたが、立地が悪くてもいいから、とにかく始めてみようと思いました。
住谷: 喫茶店を経営する中で、一番大切にされたことは何ですか?
宗次: とにかく接客です。笑顔でお客様を迎え、感謝の気持ちを伝えることを重視しました。当時、名古屋ではモーニングサービスが主流でしたが、私たちはそれをやらないと決めました。物を提供して喜ばれるのではなく、「接客」で喜んでもらいたいという思いからです。
住谷: その接客へのこだわりが、後のCoCo壱番屋の経営にも活かされたのでしょうか?
宗次: はい。喫茶店経営の中で得た教訓が、カレー専門店の基盤になりました。お客様第一主義を徹底し、現場を大切にするという姿勢は今でも変わりません。
住谷: 喫茶店経営では、奥様との二人三脚が重要な役割を果たしたようですね。
宗次: そうです。妻はとても社交的で、私ができない部分を補ってくれました。特に接客の面では、妻の明るさが店の雰囲気を支えてくれました。例えば、忙しいときでも妻はお客様一人ひとりに気を配り、感謝の言葉を伝えていました。その姿勢を見て、私自身も学びました。二人三脚で喫茶店を成功させた経験が、CoCo壱番屋の発展の原動力となったと思います。
CoCo壱番屋(ココイチ)の成功と早起きの習慣
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住谷: 喫茶店からカレー専門店への転身も興味深いです。「ココイチ」の愛称でおなじみのカレーハウスCoCo壱番屋の始まりについて教えてください。
宗次: 喫茶店で提供していたカレーが非常に人気で、「これなら専門店としてやれる」と考え、1978年に1号店をオープンしました。最初は素人同然でしたが、現場に立ち続けることで多くのことを学びました。お客様の声に耳を傾け、サービスを改善し続けた結果、少しずつ支持を得られるようになりました。
住谷: 1号店から現在の規模まで成長させる過程で、最も大変だったことは何ですか?
宗次: 最初の数店舗を展開する時期ですね。資金繰りや人材の確保など、毎日が挑戦の連続でした。でも、常に「感謝の心」を忘れず、お客様に喜んでもらうことだけを考えて取り組んできました。その姿勢が口コミで広がり、徐々に売上が安定していきました。
住谷: さらに、宗次さんは早起きを徹底されていると伺いました。そのきっかけは何だったのでしょうか?
宗次: 早起きを始めたのは、1980年代後半ですね。当時、経営者としての時間の使い方を見直す必要があると感じました。毎朝3時55分に起きるようにし、それをずっと続けています。今でもタイムカードに打刻をして、毎月X(旧Twitter)に上げていますよ(笑)。朝の時間を使ってお客様へのお礼状を書いたり、経営に必要な資料を確認したりしています。
住谷: それだけ早い時間に起きるのは大変ではないですか?
宗次:たしかに最初は大変でしたが、習慣になれば問題ありません。早朝は静かで集中できる貴重な時間です。また、毎朝1時間以上かけて地域の清掃活動を行っています。これも感謝の気持ちを形にする一環です。
住谷: 継続する力がすごいですね。その姿勢が経営にも影響を与えているのでしょうか?
宗次: はい。早起きのおかげで一日が有意義に始まり、仕事への集中力が高まります。また、清掃活動を通じて地域の方々との交流が生まれ、それが私の原動力になっています。
未来への展望と家族との絆
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住谷: 現在では国内外に1400店舗以上を展開していますが、宗次さんの今後のビジョンを教えてください。
宗次: 私自身、健康に感謝しながらこれまでの活動を続けていきたいと考えています。特に若い世代には「目の前の人を喜ばせること」の大切さを伝えたいですね。それが将来的な成功につながると信じています。
住谷: 最後に、奥様との関係についてもう少し教えてください。
宗次: 妻は私にとって最大のパートナーです。喫茶店時代からずっと一緒に歩んできました。例えば、店舗の立地を選ぶときも、妻の直感に頼ることが多かったです。また、忙しい中でも家族としての時間を大切にし、共に目標を達成する喜びを共有してきました。二人三脚での努力があったからこそ、今の私があるのだと思います。
住谷: 本日は貴重なお話をありがとうございました。
宗次: こちらこそありがとうございました。
■宗次 德二さん
コラボレーターページ
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本記事は、ワクセル会議にて公開収録した宗次さんと住谷との対談の内容です。
ワクセルのCollaboratorの方は、公開収録への参加、宗次さんへのご挨拶ができ、ご自身の事業へのヒントが得られる絶好の機会となりました。
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