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相続が生じた場合に、不動産の名義を相続人に移転する場合において、法定相続による場合にはどのように対応すればよいのでしょうか。

法定相続による分配は、相続における財産分配の方法として原則的なルールとして知られています。

今回は、法定相続をもとに相続登記を行う際の申請書の記載方法から書類の説明まで、分かりやすく解説していますので是非最後までお読みください。

1. 法定相続がある場合にはどのように相続は処理されるの?

人がなくなると、相続の手続きが開始されることになります。

この場合において、相続手続きの基本として法定相続が民法の原則として定められています。

まずは、法定相続の知識について押さえておきましょう。

相続の方法として遺言書が残されていなければ、法定相続によって分けられることになっています。

別途遺産分割協議もしないのであれば、法定相続分通りに分配されることになりますので覚えておきましょう。

民法の法定相続によると、相続割合は以下の図に従って、決められることになります。

法定相続順位法定相続人法定相続分
第一順位配偶者と子ども配偶者1/2、子ども1/2
第二順位配偶者と直系尊属(父母や祖父母など)配偶者2/3、直系尊属1/3
第三順位配偶者と兄弟姉妹配偶者3/4、兄弟姉妹1/4

この表に従うと、亡くなった方の配偶者は常に法定相続人とされるということが言えます。

また、配偶者がいない場合には他方の法定相続人が頭数で相続することになります。

例えば、亡くなった方の配偶者がすでに亡くなっており、子供だけという場合には子供の人数で財産を等分することになります。

2. 遺産分割の場合の申請書記載例

ここでは、実際に遺産分割が生じた場合の相続登記の申請書の書き方について見ていきたいと思います。

・「登記の目的 所有権移転」

法定相続の場合にも登記の目的は、「所有権移転」となります。

ただし、亡くなった方が誰かと不動産を共有していた場合には、「○○持分全部移転」と記載します。

・「登記の原因 年月日相続」

法定相続の場合の登記原因は、「相続」と記載することになっています。

例えば、佐藤太郎さんが平成31年2月22日に亡くなり、法定相続をする場合には、「登記の原因 平成31年2月22日相続」のように記載します。

・「(被相続人 佐藤花子)
相続人 東京都港区○○一丁目〇番〇号
持分3分の2 鈴木美香
東京都新宿区○○一丁目〇番〇号
持分3分の1 鈴木太郎」

法定相続の場合には、上記のように被相続人と相続人を記載することになります。

上記例の場合は、配偶者と直系尊属のケースですので、上の法定相続分の表より「配偶者2/3、直系尊属1/3」ということになります。

亡くなった方の表記につきましては、括弧書きで被相続人として記載します。

被相続人というのは、法律用語で亡くなった方を意味しますので是非覚えておいてください。

3. 添付書類について

さて、法定相続により相続登記を申請する場合には、いくつかの書類を添付しなければいけません。

添付書類としては、必要なものを見ていきましょう。

4. 登記原因証明情報

相続登記を申請するときには、まず「登記原因証明情報」という書類を提出します。

登記原因証明情報を提出することにより、相続が生じた原因となる情報を証明することになります。

法定相続の場合には、被相続人が亡くなったこと、並びに被相続人の相続人を証明するために「戸籍謄本等」が必要となります。

5. 住所証明情報

法定相続により、不動産を譲り受ける者は「住所証明情報」を用意しなければいけません。

上記の例ですと、相続人である鈴木美香さんと鈴木一郎さんがそれぞれ住所証明情報を添付しなければいけないことになります。

住所証明情報としては、「住民票」を準備しましょう。

6. 代理権限証明情報

相続登記を専門家に依頼する場合には、その専門家が登記申請を代理することになりますが、専門家が相続人より正式に受任したことを証するために代理権限証明情報を添付しなければいけません。

7. 不動産の評価額が分かる書類

相続登記を申請するには、登録免許税を納めなければいけません。

登録免許税の計算には、固定資産評価額を理解しておかなければいけません。

相続登記にかかる税率は、固定資産評価額の課税標準金額に1,000分の4をかけることになります。

これによって、算出された金額が登録免許税となります(100円未満の数字は切り捨てされます)。

登録免許税の納税方法としては、郵便局等で収入印紙を購入して所定の用紙に貼付すればよいことになっています。

8. 管轄する法務局に申請する

相続登記を申請する準備が出来れば、登記を申請することになりますが、全国にある法務局のどこに申請をしても良いわけではありません。

不動産の所在地を管轄する法務局が決まっていますので、その所在地の法務局に対してのみ有効に登記申請をすることが出来ます。

9. 相続登記の申請方法

相続登記の申請方法としては、(1)持参、(2)郵送、(3)オンラインによる方法が考えられます。

法務局までの距離が近ければ持参をするのが一番早く手続きを進めることが出来るでしょう。

少し遠い場合でも郵送による方法でも受け付けてもらえます。

この場合、間違いの内容に事前に担当者と念入りに打ち合わせをしておきましょう。

オンラインによる方法も認められます。

ご自身の環境に合った申請方法を選択して登記申請を完了させましょう。

10. 相続登記が完了したら

相続登記の審査が無事に完了した場合には、法務局より登記識別情報通知が発行されます。

これは、次回以降の登記に使用することになりますので、厳重に保管しておくようにしましょう。

11. まとめ

法定相続による場合の移転登記は、相続登記の基本でもあります。

遺言や遺産分割などの分け方をする場合にも法定相続の申請はベースとなりますので必ず押さえておくようにしましょう。

法定相続の登記をするのは、民法により相続分が決められていますので簡単です。

本記事を何度も読み返して、マスターしてしまいましょう。
(提供:相続サポートセンター