日本一の酒米!「山田錦」が愛され続ける理由【兵庫エリア】
日本一の酒米!「山田錦」が愛され続ける理由【兵庫エリア】

こんにちは!最近日本酒に目覚めたライターの「しほ」です!

皆さんは、兵庫県が日本酒の原料となる酒米の一大産地であることをご存知ですか?

実は、兵庫県の酒米生産量は全国生産量の約30%にも及ぶのです!
その中でも山田錦(やまだにしき)は、兵庫県が生んだ酒米(さかまい)の王者と言われています。

今回は、山田錦についてその特徴や愛される理由とともにご紹介します!

酒米ってどんなお米?

「酒米」という言葉を初めて耳にした方も多いのではないでしょうか。
まずは、どんなお米なのかについて詳しく解説していきます。

酒米は、日本酒をおいしく造るために品種改良を重ねられた特別なお米の総称!
その中でも特に日本酒造りに適したものを「酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)」と言います。

私たちが普段口にしているお米の飯米(はんまい)とは次のような違いがあります。

たんぱく質や脂質が飯米に比べて非常に少ないのが特徴。
これらの成分はお米の旨味やツヤを出す役目があり、お酒を造る上では旨味にもなり雑味にもなります。

たんぱく質の分解によって生じるアミノ酸が多すぎると麹菌や酵母の生育が早まり、雑味の原因になったり、吸水性が落ちたりしてしまいます。さらに、脂質は日本酒の香りの成分が立ち上がるのを妨げる原因になることもあるそうです。

成分が味に関係するため、酒造りに適したお米が存在するのですね。
酒米の種類は100以上もあり、その中でも「山田錦」は全国的に支持される酒米の代表格です。

山田錦の歴史

では酒米の王者・山田錦は、どのようにして誕生したのでしょうか?

1894年、兵庫県明石市に兵庫県立農事試験場が設立され、酒米の品種改良試験が始まりました。ここで「山田穂」と「短稈渡船(たんかんわたりぶね)」という2種類の酒米が人工交配され雑種が生まれます。

その後、地元農家の熱心な働きかけにより、日本で唯一の酒米専門研究機関として兵庫県酒米試験地が開設されました。それが研究の進むきっかけとなり、1936年に上述の雑種が「山田錦」として誕生したのです。

実に80年以上の歴史を誇る酒米なのですね!

現代では「獺祭(だっさい)」や「白鶴(はくつる)」といった有名な銘柄で使用されています。全国の酒蔵から支持されるその実力は、まさに酒米の王者にふさわしいものです。

山田錦の特徴

全国新酒鑑評会で金賞を受賞したお酒のうち、なんと約90%近くが山田錦を使用しているのです。山田錦がこれほどまでに愛される理由には、次のような特徴があります。

✔️大粒

日本酒を造る際は、酒米を精米して雑味になりやすい米の外側を削ります。通常は、磨けば磨くほど、より雑味のないきれいなお酒に仕上がりますが米は砕けやすくなってしまうのです。一方の山田錦は大粒で砕けにくいため、精米歩合を高めた吟醸酒づくりに適しているのです!

✔️心白が大きく強い

酒米の中心部にある白い不透明な部分は「心白」と呼ばれます。
心白は粗いデンプン質で、麹づくりに役立つだけでなく米の外側を削る日本酒造りではその大きさも重要です。山田錦は、特に大きくしっかりしているため酒造りに適しています。

✔️良い麹がつくりやすい

「一麹、二酛(もと)、三造り」。これは、全国の酒造家やその長ともいえる杜氏(とうじ)たちが口を揃えて言う言葉で、麹づくりは日本酒を造る上で最も大切な工程です!吸水性が高い山田錦は、麹菌が中心部まで行き渡り、安定した発酵が可能になります。

山田錦が備える性質が、造り手たちから支持される理由なのですね。

おわりに

いかがでしたか?

山田錦の特性があるからこそ生まれる、深みのある日本酒の味わい。
次回日本酒を選ぶ際には、ラベルに注目してみてください!酒米の違いを知りながら飲み比べてみるのも、さらに日本酒を楽しむ方法の1つですよ。

最後までお読みいただきありがとうございました!
では、次の記事でお会いしましょう。

参考

兵庫県産 山田錦公式ホームページ
https://yamada-nishiki.jp/
株式会社酒ストリート公式サイト
https://sakestreet.com/ja/media/what-is-yamadanishiki
株式会社朝日酒造公式サイト
https://magazine.asahi-shuzo.co.jp/know/60