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数次相続とは?

代襲相続によく似た相続に「数次相続」があります。

数次相続とは、2回以上の相続が立て続けに発生することをいいます。

例えば、父親が亡くなってその遺産分割協議を行っている間に、その配偶者であり父親の財産を相続するはずだった母親も亡くなってしまったような場合です。

代襲相続は先に亡くなっていた相続人の相続権をその子供が引き継ぐものでした。

数次相続も、亡くなった相続人の相続権を他の人が承継するという点ではよく似ていますが、一方で異なる点もあります。

ここからは、数次相続について詳しく解説します。

数次相続が発生した際の相続権の考え方

数次相続が発生すると、最初に発生した相続についての遺産分割が確定していない状態で次の相続が発生し、新たな遺産分割を行わなければなりません。

通常の相続でも遺産分割協議がスムーズに終わらないことが多いですが、1度に2回の遺産分割を行わなければならないため、各相続人の相続割合を決めるのはかなり複雑になります。

まずは基本的な数次相続の考え方から見ておきましょう。

ここでは典型的なパターンとして、父親が亡くなって遺産分割が終わらないうちに母親も亡くなってしまい、その子供3人が相続する場合を考えてみましょう。

この場合、父親が亡くなった時に発生した相続を一次相続、母親が亡くなった時に発生相続を二次相続といいます。

一次相続では被相続人の配偶者である母親と子供3人が相続人となります。

この時の法定相続割合は、配偶者(母親)が1/2、子供がそれぞれ1/2×1/3=1/6となります。

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その後母親が亡くなった二次相続の際は、子供3人が相続人となります。

この時の法定相続割合はそれぞれ1/3ずつです。

結果的に、2回の相続による遺産分割によって、父親の遺産は3人の子供についてそれぞれ、一次相続取得分1/6、二次相続取得分1/3ずつ法定相続割合を有することとなります。

ちなみに母親の遺産についても、3人の子供はそれぞれ1/3ずつの法定相続割合を有するため、全員が均等に相続することを原則として考える必要があります。

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連れ子がいる場合の数次相続とは?

父親と母親が亡くなり実子が遺産を分け合うケースのほか、父親と養子縁組していない母親の連れ子がいるとさらに複雑になります。

まず父親が亡くなった一次相続では母親と実子3人の合計4人が相続人となりますが、父親と養子縁組していない連れ子は相続人となりません。

そのため、配偶者(母親)が1/2、子供3人がそれぞれ1/2×1/3=1/6の法定相続割合を有することとなります。

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一方、母親が亡くなった二次相続では、実子3人のほか母親の連れ子も法定相続人となります。

そのため、4人の子供がそれぞれ1/4ずつの法定相続割合を有することとなるのです。

一次相続で母親が相続したものとされる父親の遺産についても、子供4人で相続することとなります。

その結果、父親の遺産について、3人の実子はそれぞれ、一次相続での法定相続分1/6と二次相続での法定相続分1/2×1/4=1/8の合計7/24の法定相続分を有します。

また、母親の連れ子も1/2×1/4=1/8の法定相続分を有することとなるのです。

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数次相続とならなければ父親の遺産を直接相続することのなかった連れ子も父親の遺産を相続することとなるため、間違えないようにしなければなりません。

代襲相続と数次相続を混同しない!

代襲相続と数次相続は、本来相続するはずだった人の相続分を承継するという点でよく似ています。

しかし実際は異なるものであるため、相続が発生した際は、代襲相続と数次相続のいずれに該当するのか間違えないようにしなければなりません。

代襲相続が発生するのは、二次相続の際に亡くなった相続人が、被相続人の子供または兄弟姉妹という場合だけです。

被相続人の配偶者が後で亡くなっても、代襲相続の問題は生じません。

また、代襲相続となるのは相続人が先に亡くなっている場合です。

対して、相続人が被相続人より後に亡くなった場合は数次相続となります。

冷静に考えればそれほど難しいものではありませんから、きちんと判断できるようにしておきましょう。
(提供:相続サポートセンター