前回のコラム【常識に縛られない“ユニキャリア”を指南するパラレル活動家の挑戦】でお話ししたとおり、仕事やさまざまな活動を通して広く社会とかかわる活動を「パラレル活動」と称し、私はそんな活動をする人を増やしたいと考えています。ひとつの道に集中して進む人生も素晴らしいものですが、時に立ち止まったり、別の道に進んでみることは、新たな出会いや新しい選択肢と遭遇する可能性につながると思うのです。 |
パラレル活動家Ⓡとは
パラレル活動家とは、仕事、学び、表現活動、支援活動など、幅広い分野で自己や社会の変革を目指す人のこと。提唱するパラレル活動は、複業などのキャリアに留まらず、生活圏や関心の外へと足を踏み出し、社会人生を多面的に楽しみ、豊かにする手段です。ユニキャリアでは、このパラレル活動を2023年に商標登録し、新しい生き方として提案しています。
「パラレル活動家」というと、まるで社会に強く主張する団体のリーダーのような、旗を振り回して連合を組むようなイメージが浮かぶかもしれません。まったく違います!私が提案するのは、いつもの自分の生活に、もうひとつ(ひとつ以上)の世界を持ちませんか、ということ。仕事でも趣味でも、新たな学びやボランティアを始めることで自分の人生を広げていくと楽しいはずよ、って。
パラレル活動の5つの流儀
パラレル活動においては、以下の5つを行動の指針としています。
【多面的人生を楽しむ】
パラレル活動は、仕事だけでなく趣味やボランティア活動などの多様な役割を楽しむことで自分自身の人生を豊かにし、充足感を得るものです。さまざまな活動を通じて自分自身の”好き”や”得意”が見い出され、やりたいことも、できることも広がっていきます。
【ユニキャリアを構築する】
既成のキャリアモデルに囚われることなく、自分の特性や価値観を活かして独自のキャリアを築くことが”自分だけの人生”を生きること!つまりユニークなキャリアが構築されていくということです。
【創造力の源泉を育む】
多様な活動に触れることは、新たな知識や異文化を吸収し、創造力を育み、新しい挑戦や変革の原動力となります。
【境界を越える柔軟性を培う】
パラレル活動は、従来の枠組みを超えた柔軟な思考を養う機会です。多くの世界を知り、異なる視点から物事を捉えることで、新たな発見やアイデアに出会うことができるのです。
【つながりをデザインする】
異なる分野の人々とのつながりが新たな視点を生み出し、予想外の成長や成功のきっかけを引き寄せます。パラレル活動は、こうした人とのつながりを通じて、私たちの人生に新たな可能性を広げます。
具体的にどんな行動を指すのか、活動の姿勢としてまとめてみます。
- 興味が湧いたことは先延ばしせずに行動する
- 考えるだけでなく実際に動く
- 複数の視点で物事を見る
- 新しい出会いを大切にし、広がる世界を楽しむ
- 答えがなくても挑戦し続ける
いかがでしょうか?
それなら自分はやってるよ!
すでにパラレル活動家じゃん!って声が聞こえそうです。
ちっちゃなことからパラレル活動
パラレル活動が、過激や堅苦さとは縁遠いとご理解いただけたでしょうか。とはいえパラレル活動に「心理的なハードル」を感じる人がいるのも理解します。新しいことに挑戦するには、不安や抵抗がつきもの。ここでは、いくつかのハードルとその乗り越え方を紹介します。
◆変化へのハードル
新しいことを始めるときには、「これまで築いてきたキャリアが壊れてしまうのではないか」「失敗したらどうしよう」という不安がつきまうものです。これらは自然な感情。親しい人についていく、ちょっとだけいつもと違うことをしてみるなどの一歩から徐々に活動を広げていくことで、その不安は次第に和らぎます。大切なのは完璧でなくてもいいので、まず「ちょっとだけなら」と、その気になることです。
◆時間のハードル
仕事や家庭に費やす時間だけで手いっぱいのところで、新しい活動に割く時間が取れるかという不安も多くの人が抱える問題です。パラレル活動は時間を必要とするわけではありません。何かを置き換えたり、同時並行で小さな活動から始めてみるのはどうでしょうか。徐々に生活に取り入れていくことで、無理なくバランスできるようになります。
◆“ちゃんと”のハードル
「最初からちゃんとやりたい」という完璧主義が活動への挑戦を妨げることがあります。パラレル活動は挑戦することが何よりも大切。成功の方がいいし、失敗などしたくないけれど、やってみることで自分の枠をストレッチすることこそが重要だからです。その過程で得られる学びは、次のステップへの糧となるに違いありません。
イメージしていただけたでしょうか。
これからのコラムでは、いつもの世界に“もうひとつ(ひとつ以上)”の世界を持つことで、新たな可能性や充足感を得ている人をご紹介していく予定です。
どうぞ次回も楽しみになさっていてください。