摂取している健康食品の主成分は、男女ともに30~40代はマルチビタミン・ミネラル類、50代以上がDHA・EPAが第1位
~30代以上の健康食品摂取層は、健康維持・増進、疲労回復・滋養強壮に高い関心を持つ~
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、健康食品、特定保健用食品、機能性表示食品に関する消費者アンケート調査を実施し、30代から70代以上の消費者における健康状況、機能食品に対する需要などを分析した。
1. 調査結果概要
現在あるいはときどき健康食品を購入(摂取)している30代から70代以上の男女1,000名に対し、身体の状況や健康食品の利用状況について消費者アンケート調査を2019年12月に実施した。その調査結果を年齢(30代~40代・50代以上)、性別(男・女)の4つに区分し、それぞれを比較してみる。
30代以上の消費者における身体に関する悩みを見ると、若年層で『疲労』に関する項目が挙げられ、30~40代の男女共に5割前後に達している。また、『眼の疲れ、視力低下』などの眼の悩みに関しては50代以上の男性で4割弱、50代以上の女性で4割強が悩みとして挙げている。一方、『健康維持・増進』との回答も多く、どの年代の男女でも4割前後に達している。また、女性に関しては『肌のハリ・シワ・シミ』に対する関心が高く、30~40代、50代以上共に5割前後に達している。
健康食品に対する1か月あたりの支出金額は、30~40代の男女で2,000円超、50代以上の男女で3,000円超であり、50代以上で支出金額が高い。また、摂取している健康食品の種類は、30~40代男性が2.48種類で最も多いという結果となった。
健康食品を摂取する目的としては、4つの属性共に『健康維持・増進』が4割から5割を占め、特定の健康機能よりも、日頃の健康を維持するために健康食品を摂取している層が多い。また、『疲労回復・滋養強壮』は30~40代で高い傾向が見られ、男性5割弱、女性3割強を占めており、日頃の疲れを解消する目的で健康食品を摂取する層も多い。また、女性は『肌のハリ・シワ・シミ』が30~40代、50代以上ともに3割弱を占め、男性は年代を問わず『整腸』が2割前後を占めている。
健康食品の購入先に関しては、年齢層で大きく分かれており、男女ともに30~40代は『ドラッグストア、薬局・薬店』が6割前後、50代以上は『通信販売』が6割超と対照的な結果となった。
摂取している健康食品の主成分は、男女ともに30~40代が『マルチビタミン・ミネラル類』、50代以上は『DHA・EPA』が第1位という結果となった。その他、『ビタミンC』がいずれの属性において上位5位以内に入っている。また、男女ともに30~40代において『ビタミンB』、50代以上において『ブルーベリー(ビルベリー)』がランクインしている。
2. 注目トピック
機能性表示食品の機能表示への関心は『おなかの脂肪・体重減少』が各属性で第1位
健康食品を購入(摂取)している30代~70代以上の男女1,000名のうち、特定保健用食品(トクホ)を週1回以上摂取しているのは男性で5割強、女性で4割弱であり、男性の方が摂取頻度が高い傾向が見られた。
摂取経験のある特定保健用食品の種類は男女ともに圧倒的に『茶飲料』であり、7割強に達している。大手清涼飲料メーカーにおいて積極的なコミュニケーション活動が行われているカテゴリーであり、身近な小売店舗で手軽に購入・摂取出来る点から、30代以上の消費者に手にされる機会が多いものと推察する。摂取する健康目的に関しては、『内臓脂肪・体脂肪』や『整腸』が全般的に高く、特に『内臓脂肪・体脂肪』は30~40代の男性、『整腸』は50代以上の男性や女性で高い傾向が見られる。
また、機能性表示食品を『知っている』と回答した942名に対し、関心のある機能性表示を尋ねると、30~40代、50代以上、男女いずれにおいても『おなかの脂肪・体重減少』が4割から5割を占めており、腹囲周囲径に対する関心の高さが改めて明らかになった。