【経理・財務職の中途採用(外資系企業)】分析力だけでなく、コミュニケーション能力や経営視点が評価されやすい

ロバート・ウォルターズ・ジャパン

ジェレミー・サンプソン 代表取締役

【PROFILE】2006年にロバート・ウォルターズへ入社。2018年に代表取締役社長就任。日本の人材業界での15年以上の経験と実績。オーストラリア出身。社会貢献活動にも積極的に取り組んでいる。

外資系企業の経理・財務職の採用市場は依然として活発です。特に医薬品業界は常に安定して採用が多く、再生可能エネルギー分野への投資が増えているエネルギー業界、インバウンド需要獲得に力を入れるホスピタリティ業界も積極的に採用が行われています。

募集が多い職種としては、FP&A (財務計画と分析)職が挙げられます。近年では、経営陣に提言するビジネスパートナーとしての役割が強く求められ、分析力だけでなく、コミュニケーション能力や経営視点が評価されやすい傾向にあります。

また、簿記2級以上や公認会計士の資格といった従来の専門スキルに加え、ビジネス・インテリジェンスツールの活用をはじめとしたITリテラシーのニーズも高まっています。さらに、CFOなどのエグゼクティブ職では高度なビジネス戦略の立案や経営視点が求められるだけでなく、経営・業務改革の経験があるとさらにプラスに働くでしょう。

企業は次世代を担う社員を採用したい考えから、10〜15年は働いてくれる前提で30代までの若い人材を希望する傾向にありますが、最近は1社で働く期間の平均は3~5年ほどで、スキルの高い人材ほど転職のチャンスも多いのが現状です。

そのため、「若い人材の方が長く働いてくれるだろう」と過度に期待せず、採用ポジションによっては年齢制限を設けずに求職者を検討するのも一手でしょう。

ここ数年で外国人求職者も徐々に増えており、専門スキルがありビジネスレベルの日本語が話せる外国人であれば採用する企業も見られるため、外国人採用も視野に入れてみる価値があります。

転職市場は引き続き売り手市場で、中でも外資系企業で活躍できる英語力を持ったプロフェッショナルは非常に希少です。可能な限り満足度の高い給与やハイブリッドワークの選択肢など、魅力的な待遇を整えることが重要です。

採用プロセスにおいては、必要な条件を明確にした上で求職者に寄り添う柔軟性を持つこと、良い候補者がいたら迅速に採用を進めることで希望する人材の獲得につながるでしょう。

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