【地方自治体のデジタル改革】 NFTで地域活性化の実現を目指す山形県西川町 菅野町長にインタビュー

今回は、自治体初のデジタル住民票NFTを発行するなどNFTで地域活性化の実現を目指す山形県西川町の菅野町長へインタビューをおこないました。

・西川町がどのようにしてNFTを活用しているのか?
・どのような背景や目的でNFTを導入したのか?
・具体的な施策や取り組み内容は?
・今後はどのような展望を描いているのか?

などの疑問にお答えいただき、山形県西川町のNFTの取り組みの魅力をお伝えしていきます。

NFTを通じて地域活性化を図る新しい試みや、その実現方法に興味がある方、地方自治体のデジタル活用に関心がある方は、ぜひ最後までご覧ください!

インタビュイープロフィール

山形県西川町 菅野 大志(かんの だいし)町長について
1978年に山形県西川町で生まれ、早稲田大学卒業後、財務省や金融庁、内閣官房にて経験を積み、2022年4月に西川町町長に就任。地域活性化に尽力し、多岐にわたる活動を展開。
若手町村長会副会長であり、メンバーが2,500名を超える公務員と金融機関の交流団体「ちいきん会」の創設者としても知られる。趣味はマラソン、読書、ラジオで、特技はカヌーや事業計画作成など。

目次

  1. "NFTで地域活性化を目指す"西川町の挑戦
  2. NFTで繋がる新たな関係人口を創出
  3. デジタル技術を活用して日本の発展に貢献

"NFTで地域活性化を目指す"西川町の挑戦

ーーまずは簡単に自己紹介をお願いします。

菅野氏:山形県西川町 町長の菅野と申します。早稲田大学卒業後、財務省や金融庁、内閣官房を経て、2022年4月に西川町町長に就任いたしました。

ーー自治体初のデジタル住民票NFTを発行するなど、西川町がNFT事業をおこなった背景についてお聞かせください。

菅野氏:はい。NFT事業は、関係人口の増加と歳入を目的にマーケティングの一環として開始しました。普段接点があまりない若い世代や、新技術に興味のある方々との関係を強化するためのツールとして活用しています。

昨年に、経済産業省がWeb3の推進方針を打ち出すなどしており、Web3の技術には注目していました。地方自治体にとっては、関係人口の創出や歳入の増加という観点において、Web3は非常に重要な意味を持ちます。

西川町としては、関係人口の取り込みに特に課題を感じておりましたので、これを強化していくためにNFTを活用しています。

ーーこのNFTの取り組みに関わっているチームは何名ほどいらっしゃいますか。

菅野氏:西川町で関わっているのは2名程度ですが、外部のアドバイザーと共に進めております。具体的な商品内容や価格設定、発行枚数なども一緒に決定しています。

NFTで繋がる新たな関係人口を創出

ーー実際にNFTを発行され、周りからの反響はいかがでしたか。

菅野氏:自治体として初めての取り組みということで、Forbes JAPANさんにも取り上げられるなど自治体やメディアから大きな反響がありました。

デジタル住民票NFTは、販売開始わずか1分で1000万円を達成するなど、マーケットの反応も非常に良かったです。NFTの売り上げは全額高齢者支援のための基金に入れており、多くの方に納得してもらっています。

ーー関係人口を増やすための具体的な施策について教えていただけますか。

菅野氏:一番大きいのは、ダイレクトメッセージでのコミュニケーションです。デジタル住民票NFTを保有している方とコミュニケーションを取り、限定情報などをお伝えしています。

また、山形県西川町に訪れた方には、温泉の無料利用や割引サービスを提供し、メタバース空間での交流会も実施しています。

ーー今後のNFTの取り組みの展望について教えてください。

菅野氏:これからも続々とNFTをリリースする予定です。マーケティングとしても期待していますし、西川町の名前を覚えていただいたり、西川町の特徴である山菜やビールもPRできる重要なツールであると考えています。西川町の魅力を広く伝え、関係人口を増やしていきたいと考えています。

デジタル技術を活用して日本の発展に貢献

ーー今後NFTの技術はどんなことに活用されると考えていますか。

菅野氏:デジタルデータが本物であることを証明するために活用されると考えています。

例えば、動画をNFT化することで、その映像が本物であることをブロックチェーン技術によって証明でき、加工や偽造された映像と本物の映像を明確に区別することが可能になります。このように、NFTが写真や映像の信憑性を保証する手段として活用されることで、情報通信の社会が大きく変わる可能性があるので、新技術の知識を取り入れ、政策に活かしていければと考えています。

ーーNFTの取り組みは、自治体側にとってもメリットが大きいと感じましたが、まだまだNFTを活用される地方自治体は少ないですね。

菅野氏:はい。日本はNFTの導入が遅れていると感じる方々も多くいらっしゃると思っています。しかし、その遅れを克服し、デジタル技術を活用して日本を発展させたいと考えている人たちも多く存在します。

こうした志を持った方々と出会い、共に事業を競争し、成長できることは非常に重要です。NFTをご購入いただいたデジタル住民の方々に対して、購入後もしっかりと楽しむことができる仕組みを創っています。これにより、西川町のファンの方々に付加価値のある情報を提供し、地域との関わりを感じてもらうことができます。

ーー最後に読者へのメッセージをお願いします。

菅野氏:今後、自治体や企業に対して、事業内容や補助金の取得方法など、私のコンサルティングを受けることができる権利をNFTとして発行していくことを検討しています。

このように、山形県西川町ではNFTを含むデジタル技術を活用する取り組みを進めています。他の自治体におけるNFTの活用事例はまだ少ないですが、今後はとても重要な分野になると考えています。ぜひ山形県西川町の取り組みに注目していただければと思います。

関連リンク

・山形県西川町 HP
https://www.town.nishikawa.yamagata.jp
・山形県西川町 デジタル住民票NFTに関するプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000170.000046191.html
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