ECサイトを構築する際、テンプレートを使うのは簡単で効率的な方法の1つです。ただし、デザインが似通ってしまったり、カスタマイズに制限があったりと、注意点もあります。
本記事では、ECサイト構築に適したテンプレートの選び方や、futureshopのようにパーツごとに組み立てられるサービスの特徴について解説します。
ASPやWordPress、HTMLなどのテンプレートについても取り上げ、ECサイト構築に最適な方法が見つけられるようになるため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
ECサイトはテンプレートで簡単に構築できる
ECサイトを1から構築するのは、多大な時間と手間がかかります。しかし、ASPで用意されているテンプレートやWordPressのテーマを活用すれば、短時間で効率的にECサイトの構築が可能です。
無料のテンプレートやテーマでも、ECサイトの運営に必要な機能が備わっているものも多くあります。さらに独自性を求める場合、有料版を選べばカスタマイズ性の幅が広がります。
ECサイト構築の進め方については、以下の記事で詳しく解説しています。ガイドとしてお役立てください。
ECサイトをテンプレートで構築する際の2つの注意点
テンプレートを使ってECサイトを構築するのは効率的ですが、注意点もあります。ここでは、テンプレートを利用する際の2つの注意点を解説します。
似たようなデザインのECサイトになる可能性がある
テンプレートを使ってECサイトを構築するのは簡単な反面、デザインの選択肢が限られる傾向にあります。その結果、似たようなデザインのECサイトになってしまい、他社との差別化が難しくなるかもしれません。
特に無料のテンプレートは、選択肢が限られているためデザインが被りやすい選択といえます。もし無料のテンプレートを使う場合は、デザイン以外の部分、たとえばコンテンツや商品の品揃えなどで差別化を図れるように対策する必要があるでしょう。
「無料だから」と安易に選んでしまうと、改善の機会を失ってしまう可能性があります。中長期的な観点でEC事業を考え、最適な方法でECサイトを構築するようにしましょう。
無料のものは限定的なカスタマイズにとどまる
テンプレートは事前に定められたデザインや機能がベースになっているため、個別のニーズに対応できない可能性があります。具体的には、商品カテゴリや検索機能などが自由に変更できないケースなどが考えられます。
こうした制約により、コンバージョン率(CVR)が低くなったり、施策の柔軟性が失われたりする恐れがあります。カスタマイズ性を重視するのであれば、有料のテンプレートを選ぶのも一つの方法です。
ただし、有料テンプレートを使うとランニングコストが発生します。費用を抑えるためにテンプレートを使った構築方法を選択した場合、有料テンプレートを使うのは本末転倒になりかねません。
自社の予算や目的に合った、適切なテンプレートを選びましょう。
ECサイトで用いられるテンプレートの種類
パーツではなくテンプレートでECサイトを作りたい人向けに、よく使われるテンプレートの種類を紹介します。一般的にはASPのテンプレートを使用するケースが多いですが、WordPressやECサイト用のHTMLテンプレートもあります。
ASPで用意されているテンプレート
ASP型のECサイト構築サービスの多くは、無料で使えるテンプレートを提供しています。ASPで提供されているテンプレートはサービス内で直接使えるものがほとんどで、商品情報を入力し、操作方法を覚えるだけで自分なりのECサイトを構築できます。
開業したばかりでWebの知識が乏しい方でも、スピーディーに導入できるのが特徴です。
ECサイトをASPで構築するメリットと注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。あわせてご覧ください。
ECサイト用のWordPressテーマ
WordPressは無料で提供されているオープンソースのCMSです。ECサイト用のテーマは複数ありますが、基本的にはカート機能や決済機能など、ECサイトに必要な機能がないため、EC構築に必要なプラグインや外部サービスを連携させる必要があります。
また、セキュリティの脆弱性にも注意が必要です。ECサイトは顧客情報を大量に取り扱うため、セキュリティ対策や専門業者との保守契約を結んだうえでオープンソースを利用するようにしましょう。
ECサイトでWordPressを活用するメリットとデメリットについては、以下の記事で解説しています。自社に適しているかどうか、ご確認ください。
HTMLテンプレート
HTMLやCSSといったWebデザインのスキルがある場合は、HTMLのテンプレートでECサイトを構築することも可能です。ただし、ECサイトはカート機能やログイン機能、データベースとの連携など、さまざまな機能開発が必要なため、一般的な方法とはいえません。
HTMLテンプレートを使う場合は、外部システムとの連携やデータベースとの連携についても十分な知識を持っている必要があります。
ECサイトに適したテンプレートの選び方
自社のECサイトに適したテンプレートの選び方は、大きく分けて3つあります。そもそもテンプレートを使用した構築方法を選ぶべきかどうかもお伝えするため、ぜひご覧ください。
導線がわかりやすいか
顧客にストレスなく買い物をしてもらうためには、商品ページへの導線のわかりやすさが重要です。
ECサイトを構築する際には、顧客の行動や商材、商品ラインナップ等から購入導線の仮説を立て、もっとも適切だと思われるサイトを構築します。
しかし、仮説が当たるケースばかりではありません。流入経路によっても購入に至るユーザー行動は異なりますし、季節や時期によって売れ筋の商品も変化するため、導線は日々分析し改善することが必要です。
商品ラインナップの拡充によってもサイト回遊は変化するため、テンプレートを利用した場合、導線改善に制限がかかる場合が多いでしょう。
改善のためにアプリを入れたり、CSSやJavaScriptを駆使して強引に導線の改善をしたりすると、サイトが重くなる、環境によっては正しく表示されない=買えないといった問題が発生します。
futureshopのcommerce creatorは、特許も取得している独自の仕組みであり、柔軟な導線設計が可能です。パーツを操作することで日々の導線改善も素早く実施できることが特徴です。
扱うブランド・商品にマッチしているか
複雑なテンプレートを使うと、読み込みに時間がかかってしまう可能性があります。また、派手なデザインだと、訪問者がサイトのデザインに注目してしまい、肝心の商品やサービスから注意が逸れてしまう懸念もあります。
たとえば、日用品を販売するECサイトであれば、明るい印象の親しみやすいデザインが向いています。一方、商品数を絞って、厳選したアイテムのみを販売しているサイトであれば、特定の商品を大々的にアピールできるデザインが適しているでしょう。
商品を訴求できる表示ができるかどうか
コスメやアパレルなど、取り扱い商品が多いECサイトでは、「どんな商品を取り揃えているのか」「価格帯はいくらなのか」など、多くの情報をトップページに詰め込む必要があります。
一方、取り扱っている商品数が少なければ、トップページにいきなり商品を表示する必要はありません。厳選した商品しか取り扱っていないことをユーザーにアピールするために、ブランドコンセプトの訴求を優先する方針もあるでしょう。
売上をアップするための商品ページ作りについては、以下の記事で詳しく解説しています。具体的なコツを紹介しているため、ぜひご覧ください。
futureshopのパーツを紹介
前述の注意点を踏まえると、futureshopのようにパーツごとに構築できるほうがよいケースもあります。ここからは、futureshopが用意している5つのパーツについて紹介します。
システムパーツ
システムパーツは、ECサイトを制御するためのパーツです。商品ページの商品名や価格表示、カートボタンなどが該当します。futureshopのバージョンアップに伴い、変更や追加がなされます。
パターンパーツ
パターンパーツは、ECサイトでよく見かける5つのパターンを用意しています。
・コラムパーツ:見出し、文章、画像を組み合わせたパーツ
・箇条書きパーツ:箇条書き形式で作成できるパーツ
・カルーセルパーツ:画像を横にスライド表示させるパーツ
・メニューパーツ:ヘッダーなどのメニューを作成できるパーツ
・任意商品一覧:商品番号の登録だけで商品画像を横並びに表示できるパーツ
パターンパーツを使えば、ECサイトに必要な要素を簡単に配置できます。
フリーパーツ
フリーパーツは、オリジナルのHTMLタグを登録できるパーツです。置換文字を利用して、商品名や販売価格、会員情報などの表示も可能です。また、ほかのパーツを呼び出す機能も付属しています。なお、階層は無制限です。
パネルパーツ
パネルパーツは、システムパーツ・パターンパーツ・フリーパーツを階層化できるパーツです。複数のレイアウトに共通して配置が可能で、ヘッダーやフッターなど共通部分に利用すると一括管理ができます。
レイアウトパーツ
レイアウトパーツは、表示条件を設定するとECサイト上の表示を出し分けできる点が最大の特徴です。たとえば、会員ログインをしていない方には会員登録の訴求を、ログイン状態であればリピーター向けの案内を表示するといった出し分けが可能です。
ECサイトに関するテンプレートを利用する場合、条件付きの表示をコントロールする「コード」を書く必要があります。テンプレートのカスタマイズもコードを変更することになり、その後のメンテナンスや機能追加時の考慮等が必要になってしまうため、保守費用と拡張性に制限がかかる場合があります。
一方、futureshopのレイアウトパーツで表示条件を設定すれば、コードを書かなくても運用者だけで幅広い改善が可能です。システムパーツとも明確に分かれているため、その後の機能追加にも影響を与えません。
futureshopのデザイン機能は以下のページでより詳しく紹介しています。図解を交えながら構築方法を把握できるため、ぜひあわせてご覧ください。
まとめ
ECサイトの構築にはテンプレートの利用が有効ですが、似たようなデザインになりがちで、カスタマイズにも制限があるという注意点があります。そこで、futureshopのようにパーツごとに組み立てられるサービスを活用すれば、柔軟な構築が可能です。
テンプレートを選ぶ際は、導線のわかりやすさ、ブランドや商品とのマッチング、商品の訴求力を重視しましょう。また、サイトオープン後も継続的に導線を改善することで、選ばれるECサイトが作られます。