「企業間決済(B2B)のキャッシュレス化」 の発表会を開催

6月13日、東京都港区にある虎ノ門ヒルズで、アメリカン・エキスプレス・インターナショナル・インコーポレイテッド(American Express International, Inc.)が主催する「企業間決済(B2B)のキャッシュレス化」に関する2024年最新動向調査の発表会が開催された。

本調査は、企業間取引におけるキャッシュレス化の課題と現状を明らかにすることを目的として行われ、飲食・卸業や農業・畜産、建築・建設、医療関連業といった各業界に携わる約1,000名から得た回答をもとに集計された。

同社はこの調査を元に、B2B向けのクレジットカード(法人カード)市場の拡大を図る狙いもあるという。

発表会では、調査結果の報告のほか、同社加盟店事業部門・副社長の谷川美紀氏、株式会社カクヤスグループ代表取締役社長 兼 CFOの前垣内洋行氏、スマートガバナンス株式会社代表取締役共同創業者の落合孝文氏の3者によるパネルディスカッションが行われた。

「B2Bキャッシュレス化」に関する調査結果

主な調査結果は以下の通り。

  • 企業間取引における主な決済方法について
    支払側での法人カード利用は、請求側の約2倍で、支払い利用が先行して浸透している。

  • 企業間決済で感じる課題について
    請求時は「支払いサイクルや管理」、支払時は「取引先ごとのプロセスに対応」といった、取引先に合わせた管理業務が負担になっている。

アメックスカード
(画像=アメリカン・エキスプレス・インターナショナル)
  • キャッシュレス決済導入動機について
    インボイス制度や電子帳簿保存法の改定といった制度改革が後押しした。支払い側では、「現在導入中」と「3年以内に導入検討」で、50%を超えており、半数以上が導入に前向き。
  • 今後の法人カード決済の利用意向について
    企業間決済において利用を希望する声は6割以上。

  • 企業の法人カード利用について
    過去1年間で成長を実感している企業の約半数が活用、最も大きなメリットは業務の効率化。

B2B利用拡大の課題について話し合われたパネルディスカッション

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パネルディスカッションにて意見交換を行う谷川氏(左)、前垣内氏(中央)、落合氏(右)

発表会後半のパネルディスカッションでは、

・「キャッシュレス化」から見るB2B決済の現状とは ・B2B決済のキャッシュレス化を推進するためには ・B2B決済のキャッシュレス化が求められる理由とは

の3つの議題について意見が交わされた。

スマートガバナンスの落合氏は、「キャッシュレスやクレジットカード利用のメリットがどこにあるのか、手数料のデメリットを上回るメリットを見つけられるかが課題」と語り、また、「DX化により生産性を上げないと社会状況に対応していくことができない。決済の情報、商取引の状況把握をいかに円滑に省力化できるかが重要になる」と述べた。

実際に企業間決済に法人カードを利用しているカクヤスグループの前垣内氏は、「代金回収の手間や貸し倒れリスクを回避できることは大変にありがたい」との感想を語った。

アメリカン・エキスプレスの谷川氏は、「クレジットカード決済における請求側のメリットは、インボイス制度対応や人手不足に対応するための生産性向上などがある」と法人カードの魅力について説明した。

法人カード市場を拡大する戦略

引き続き同社は、法人カードでの決済におけるメリットを、業種・業界ごとに広く訴求しながら、キャッシュレス化を推進していく考えだ。まだ拡大の余地がある法人カードの市場を、効率的に広げていくことが今後の課題になりそうだ。

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