【サービス分野の中途採用】顧客ロイヤリティを上げる「ファンマーケティング」関連の求人が増加

ジェイ エイ シー リクルートメント

中村 慎吾 コンシューマーグッズ&サービスディビジョン 部長

人手不足や従業員の長時間労働解消などの観点から、これまではDX人材の求人が多い傾向にありましたが、企業のDX推進の取り組みが軌道に乗りつつある今は一旦落ち着いています。

サービス業界の現在のトレンドとして、新規のマーケット拡大よりもCRM(顧客管理)を活かした取り組みが注目され、顧客ロイヤリティを上げる、いわゆるファンマーケティングに関連する求人の増加が特徴的です。

店頭に設置されたデジタルサイネージやECサイト、アプリなどのリテールメディアは、これまでのマーケティングや販促のやり方を変え、小売企業とメーカーの関わり方も変えると考える企業は、この変化を推進する専門性の高い知見を備えた新たな人材を必要としています。

また、物流・運送業界の「2024年問題」は商品を扱うサービス業界にも大きな影響を与えているため、サプライチェーンマネジメント・物流企画関連の求人も出てきています。物流分野を協業領域として捉え、これまで独自の物流を運用してきた企業同士のアライアンスや物流プラットフォームの構築など、様々な業務のプロフェッショナル人材のニーズが高まっています。

企業のSDGsの代表的な取り組みとしてカーボンニュートラルがあり、業界を問わず関連求人は多いですが、食品やアパレル業界のSDGs求人は生態系の保護や環境保全を考慮した企業活動も積極的に進めているため、例えば工場建設にあたり、工場周りの生態系を壊さないかの環境調査をするといった、サービス業界ではこれまでなかったような職種の求人も出ています。

人口減、少子高齢化による日本での将来的なマーケット縮小に備えて、今から海外の市場開拓を検討する企業が増えてきている印象もあります。地域を問わず海外での販路開拓や事業開発の経験がある人材が求められています。

新型コロナが収束し、海外ブランドも日本に再上陸していますが、以前とは異なり、外資系企業の経験者より日本マーケットに精通した人材が外資系企業から求められています。

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