2024年の上場企業114社の夏のボーナス平均支給額は、前年同期比4.6%増の84万6021円となったことが、労務行政研究所の集計した「2024 年夏季賞与・一時金の妥結水準調査」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部

2024年、上場企業の夏のボーナス平均支給額は84万円超、調査開始以来初の80万円台

2024年春季交渉時に決まった夏季賞与・一時金の支給水準は、東証プライム上場企業の全産業ベース(114社、単純平均)で84万6021円、同一企業で見た前年の妥結実績(80万8508円)と比較すると、3万7513円増、4.6%増となった。

1970年の調査開始以来、夏季一時金として妥結水準が最も高かったのは2023年の79万4008円であり、2024年は初めて80万円台に上った。

産業別に見ると、製造業は87万7147円で前年同期比4.3%増、非製造業は71万5856円で同6.6%増と、ともに増加した。

【産業別 2024年夏季賞与・一時金の妥結水準 トップ10】
1位 鉄鋼     96万7800円(前年同期比0.8%増)
2位 輸送用機器  94万6673円(同4.9%増)
3位 ガラス・土石 93万6889円(同4.1%増)
4位 電気機器   92万1375円(同5.7%増)
5位 建設     90万3750円(同6.8%増)
6位 情報・通信  88万3250円(同2.2%増)
7位 機械     88万1092円(同7.2%増)
8位 電力     85万8667円(同12.2%増)
9位 ゴム     82万1000円(同3.5%増)
10位 化学     81万6090円(同0.5%減)

妥結額の推移を見ると、2021年はコロナ禍で71万397円、対前年同月比2.5%減とマイナスだったものの、2022年には76万5888円、同6.5%増と大幅な伸びとなり、2023年も79万4008円、同1.5%増と対前年同期比プラスを維持。2024年は84万6021円(同4.6%増)と3年連続の増加となっている。

支給月数は、集計社数112社の平均で2.64カ月となり、同一企業で見た場合の前年同期(2.58カ月)を0.06カ月上回る。一方、個別企業における月数の最高は5.00カ月(前年同期5.55カ月)、最低は1.40カ月(同1.50 カ月)といずれも前年同期を下回っている。

産業別に見ると、製造業の平均支給月数は2.76カ月と前年同期の2.70カ月から微増しており、非製造業も1.99カ月(前年同期1.90カ月)と増えている。

調査は、2023年3月18日~4月9日、東証プライム上場企業(2024年3月31日現在で1651社)のうち、原則として労働組合が主要な単産に加盟している企業を対象に実施し、調査時点で2024年の夏季賞与・一時金を妥結・決定しており、「2024年夏季」「2023年夏季」「2023年年末」の三者の金額または月数が把握できた企業(組合)で、金額集計は114社、月数集計は112社を集計した。

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