知識の4つの階層
(画像=LarsZ/Shutterstock.com)
黒坂 岳央
黒坂 岳央(くろさか・たけお)
水菓子 肥後庵 代表 フルーツビジネスジャーナリスト。シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、東京で会社員を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。ビジネス雑誌やニュースサイトでビジネス記事を書いている。著書に『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣 “億超えマインド"で人生は劇的に変わる!』(https://amzn.to/2U7ZeoX )など。

知識というのは階層がある。「知っている」「理解している」「実績を出している」「他人に教えられる」という4つの階層だ。多くの人は「知っている」ことに満足してしまう。だが、利益を出していく経営者たるもの、目指すべきは「他人に教えられる」というフェーズだ。今回は知識の階層について詳しく解説したい。

知識は使い倒して初めて意味がある

稼いでいくビジネスマンは「それ知ってる」がNGワードである。

この言葉が出る思考の背景には「自分はその領域について知っている。分かっている」という慢心の姿勢が見て取れる。

SNSでもインフルエンサーへのコメントに「知っています!」「こんなのもあります」と言う人達がいる。もちろん、普通に生きていくなら問題ないであろう。

だが、経営者なら、慢心の姿勢はご法度だ。知識があることに満足したりただ知識を持っていたりするだけでは、なんの意味もない。

多くの人は知っていることに満足してしまうが、まずは一番下のフェーズから脱却する必要性を理解しよう。

知識における4つの階層

最初に知識の4つの階層を俯瞰していただこう。

1.知っている
2.理解している
3.実績を出している
4.教える

「知っている」というのは言わずもがな、これだけではなんの意味もない。リーマン・ショック後、アベノミクスやNYダウの右肩上がりぶりを知っている人は多いだろう。誰もが一度は株価がドンドン上がっていくチャートを見て知っているはずだ。

だが、その事実を知っている人の中で、実際に利益に変えられた人はどれだけいるだろうか?おそらく、1%にも満たないだろう。99%の人は「株価が上がった事は知っている」という階層に身をおいているだけだ。

そして「理解している」階層。先程の例で言えば、この株価上昇におけるメカニズムや、実際に投資プレーヤーになるための手順をすべて分かっている状態である。

「リーマンショック後に株価があがった」という事実は知っていても、そのプロセスや理由までははっきりと理解できないだろう。理解が及ばない領域で、具体的な行動に結びつくことはまずないのだ。
「実績を出す」階層では、株価が上昇している局面で実際に果敢にも投資をして、稼ぐ実績につなげることを指す。これによって「知識」が初めて役に立つことになるわけだ。「実績を出す」というのはつまりは「行動した」ことに等しいのである。

最後の「教える」階層は、この事例で言えば株式投資に参加して大きく利益を得た手法を他者に教えることである。

ただ、教えると一口に言っても様々な切り口がある。セミナーを開いたり書籍を出版したりDVDセットとして販売したりするなどだ。

経営者であれば、もっとも深い「教える」の階層までたどり着き、利益を上げる必要があると言える。

社長は教えなさい

経営者は何らかの専門分野を持っているものだ。その専門分野で事業を行い、利益を上げていくのが企業活動である。

だが、稼ぐ経営者になるならそこで終わらせてはいけない。「教える」という事業にまでつなげるべきなのだ。

筆者の事例で言えば、高級フルーツギフトショップの経営でフルーツを販売する他、講演依頼やメディア執筆活動を頼まれる。本業から派生した「教える」という副業につながっているのだ。

そして経営者は持っているリソースを最大限活用してもらいたい。筆者は趣味の感覚で「英語は多読で身につく」という趣旨の記事をメディアに寄稿したら、そこから出版につながり、今ではオンラインで学習できる英語多読学習プラットフォームで利益を挙げられるようになった。「教える」階層に至った結果、講演や執筆、出版、メディア出演などにつながり、副次的な収益額が発生しているのだ。

本業の専門分野、その他特殊技能や実績があるなら、ドンドン「教えるビジネス」へと昇華させてもらいたい。

教えるビジネスは稼げる

そして教えることはビジネスとして大変優れている。なぜなら、以下のことが実現できるからだ。

・低コスト
・高リピート
・差別化
・自動化

教えるビジネスは低コストである。筆者はフルーツビジネスで、とある問題が発生した時に「専門家として意見を」とメディア取材を受けた。30分ほど電話口で話をするだけで報酬が振り込まれるのである。手出しはゼロ円、失ったものは30分間という時間だけである。

また、受講者を満足させられれば高リピートビジネスとなる。冠婚葬祭など、世の中にはリピートが起きづらいビジネスもある中で、教育はリピート率が高い。筆者は英語学習の受講プログラムの他、セミナーを配信するとサロンメンバーは高確率で参加してくれる。満足させられれば、リピート購入をしてもらえるので経営が安定化するのだ。

そして教育ビジネスは講師そのもののブランディングで勝負をする世界なので、差別化が容易である。同じ内容でも「この人から教わりたい」という指名される立場を獲得できれば、他の講師と比較したり勝負したりする必要はないのだ。

最後に自動化である。筆者の知人に整体師がいる。整体師をしていたが、その経験を生かして「整体師になりたい人」向けの教育ビジネスを始めた。

学習内容はDVDのセットですべて学べるようにしている。彼は何もしなくても、整体師を志す人が勝手にDVDを買って、自主的に勉強をしてくれるので自動的に収益が発生している状態だ。

ゆえに、教えるビジネスは稼ぐ経営者にとって相性の良い事業と言える。

稼ぐ経営者は「教える」階層から新ビジネスに発展させる

稼ぐ経営者は、「教える」階層まで物事をとらえて新しいビジネスに発展させる。またもっとも相性が良いとされる教育ビジネスは、経営者が稼いでいる専門分野から教育へ派生しやすく、新たな収益を作ることができるのだ。

文・黒坂 岳央(水菓子肥後庵代表 フルーツビジネスジャーナリスト)

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