女性割引
(画像=Bobex-73/Shutterstock.com)
黒坂 岳央
黒坂 岳央(くろさか・たけお)
水菓子 肥後庵 代表 フルーツビジネスジャーナリスト。シカゴの大学へ留学し会計学を学ぶ。大学卒業後、東京で会社員を経て独立。フルーツギフトのビジネスに乗り出し、「肥後庵」を運営。経営者や医師などエグゼクティブの顧客にも利用されている。ビジネス雑誌やニュースサイトでビジネス記事を書いている。著書に『年収1億円超の起業家・投資家・自由業そしてサラリーマンが大切にしている習慣 “億超えマインド"で人生は劇的に変わる!』(https://amzn.to/2U7ZeoX )など。

筆者は高級フルーツショプ、英語教育、講演活動など複数ビジネスを手掛けている。どのビジネスにも共通して感じるのは、「女性客を意識してビジネスをせよ」ということだ。

マーケティングの世界では、女性の購買決定権は8割を超えているというが、筆者は自身が手掛けるすべてのビジネスにおいてそれを実感している。そしてこれは新規顧客開拓だけでなく、リピート購入時においても最重要となる。

ここからは、男性を優遇するより、女性を優遇する方がビジネス上の合理的メリットが得られる話をしていきたい。

購入者名が男性でも商品を選ぶのは女性

筆者が経営している高級フルーツショップでは、自分で食すために購入する顧客は1割に満たず、9割が贈答用である。また、個人ではなく法人顧客も多い。

法人顧客からの購入の際、熨斗(のし)に書かれる名前は「代表取締役社長:〇〇(男性名)」と希望されるのだが、電話やメールでの相談、問い合わせは女性である。男性社長から、取引先の男性社長へのギフトとして使っていただいているのだが、実際にサイトを見て購入を決定するのは総務部や秘書室の女性社員というわけだ。

この話はフルーツに限ったことではない。筆者が手掛けるオンライン英語多読講座の受講生も半数以上が女性だ。サイトへの流入比率も、女性が半数を超えている。売上の半分以上を女性が占めているので、筆者は男性であるものの、女性に訴求できるマーケティングを意識しなければ、売上の低下は避けられないのである。

また、セミナーも同様に女性参加者が多い。筆者は年に数回、自主開催でセミナーに登壇している。テーマは「英語」「人工知能」「ビジネススキル」などいかにも男性が好みそうで、女性が敬遠しそうなものばかりだが、会場に来てみるとこれまた7割が女性で驚かされてしまう。

そして「セミナー開催のたびにリピートしてくれる」というのも女性なのだ。しかし、他社で開催する講演にゲスト登壇する際は9割が男性だということもあるので、筆者が知らず知らずのうちに女性顧客を意識したマーケティングをしている結果かもしれない。

このように、あらゆるビジネスにおいて女性の存在は決して無視できない。男性が手掛けるビジネスは、往々にして男性顧客に訴求しやすい、データやロジック攻めになりがちだがそれでは女性顧客を失ってしまう。

口コミをしてくれるのも女性

さらに、女性は自分が良いと思ったものを口コミで宣伝してくれる。

実際、筆者が手掛けるビジネスの顧客の中に、熱心な女性会員がおり、新たな入会者を引っ張ってきてくれたこともあった。男性顧客をないがしろにするつもりはないが、男性顧客は女性顧客ほど口コミをしてくれる人は多くない。ビジネスを仕掛ける経営者の立場に立ってみれば、売上を伸ばすために女性顧客を意識することの重要性がわかるだろう。

反対にサポートの手を緩めることができないのも女性である。「サポートをします」と言っておきながら放置などしてしまうと、たちまち「あそこは対応が悪い」と悪評を流されてしまう。

日本人の人口減少が本格化してくる顧客争奪戦の今、男女問わず顧客サポートの手を抜くなど自殺行為もいいところではあるが、「良くも悪くも、口コミを作るのは女性顧客」という視点を持っておくことは重要だろう。

経営者は自分のビジネスの顧客層、手掛けているマーケティングの訴求が女性を意識できているかを再確認するべきだ。多くの男性経営者は、男性しか見えていない。女性を意識することで、ライバルとの差別化、女性顧客の満足度を高めて売上増を見込めるのではないだろうか。

世の中は「女性割引などけしからん」という声も聞かれるが、それは消費者としての視点でしかない。経営者になれば、女性割引の重要性と合理性をたちまち理解できるだろう。

文・黒坂 岳央(水菓子肥後庵代表 フルーツビジネスジャーナリスト)

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