2024年卒学生の「採用計画・採用予定がある」事業所について実際の内定状況を比較したところ、「採用計画数に採用内定(配属予定)が達していない」事業所の割合が、大学卒(文科系)を除き最も多いことが、厚生労働省の2月の労働経済動向調査で分かった。(文:日本人材ニュース編集部

2024年の新卒内定状況、「採用計画数に採用内定が達していない」とする事業所の割合が最も高い

2024年卒学生の採用計画数と比較した内定状況は、「採用計画数に採用内定(配属予定)が達していない」事業所の割合は、高校卒64%、高専・短大卒62%、大学卒(文科系)47%、大学卒(理科系)55%、大学院卒54%、専修学校卒62%となり、大学卒(文科系)を除き、「採用計画数に採用内定(配属予定)が達していない」とする事業所の割合が最も多くなった。特に、企業規模が比較的小さい事業所において、「採用計画数に採用内定(配属予定)が達していない」割合が高い傾向となった。

大学卒(文科系)は、「採用計画数に採用内定(配属予定)が達していない」事業所の割合と「採用計画数どおり採用内定(配属予定)をした」の割合が同率で最も多かった。

2月1日現在、2024年卒学生の採用の予定がある事業所は「高校卒」43%(前年同期44%)、「高専・短大卒」35%(同32%)、「大学卒(文科系)」43%(同43%)、「大学卒(理科系)」44%(同43%)、「大学院卒」27%(同26%)、「専修学校卒」27%(同25%)となった。

2024年2月1日現在の正社員等労働者過不足判断D.I.(「不足」と回答した事業所の割合から「過剰」と回答した事業所の割合を差し引いた値)は51ポイントで、2011年8月調査から51期連続の不足超過となった。

全ての産業で不足超過となっているが、 特に「学術研究,専門・技術サービス業」(66ポイント)、「建設業」(65ポイント)、「情報通信業」(62ポイント)で人手不足感が高い。

一方、パートタイム労働者過不足判断D.I.は32ポイントで、2009年11月調査から58期連続の不足超過となった。

全ての産業で不足超過となっているが、 特に「宿泊業,飲食サービス業」(70ポイント)、「サービス業(他に分類されないもの)」(52ポイント)、「生活関連サービス業,娯楽業」(48ポイント)で人手不足感が高い。

2月1日現在、未充足求人がある事業所は61%。産業別に見ると、「医療・福祉」(73%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(72%)、「宿泊業,飲食サービス業」(69%)などとなった。

2023年10~12月に中途採用を実施した事業所は68%で、前年同期より6ポイント上昇した。

産業別に見ると最も多いのは 「医療・福祉」で79%、 次いで「運輸業、郵便業」」(73%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(72%)と続いた。最も少ないのは「建設業」(50%)だった。

2024年1~3月に中途採用を予定している企業は63%で、前年同期と比べて5ポイント上昇した。

産業別に見ると最も多いのは 「医療・福祉」(76%)で、「不動産業, 物品賃 貸業」(70%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(69%)と続く。最も少ないのは「建設業」(45%)となっている。

調査は、2024年2月1日現在の状況について2024年2月1日~7日に実施し、主要産業の30人規模以上の事業所のうち5786事業所を抽出して、2625事業所から有効回答を得た。

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