相続の手続を進めていくといろいろな書類が必要となってきます。
戸籍や除籍、原戸籍といったような書類から住民票、除票、印鑑証明書なども必要となってきます。
この記事では、相続手続で求められる住民票や印鑑証明書といった書類について見ていくこととします。
住民票について見ていこう
住民票は役所が発行する書類の中でも、もっともポピュラーな部類に属します。
金融機関や公的機関に提出する書類の中でも最も多いのかもしれません。
その住民票は大きく2つの種類に分かれます。
住民票の種類
住民票
住民登録のある市民の記載がされた書類です。
住民登録のある住所や生年月日、前住所地等が記載され、申し出があれば本籍地やマイナンバー、世帯主等も載った書類が発行されます。
相続の手続で必要となるのは相続人の住民票ですが、加えて本籍地の記載付きを求められることが大半です。
特に法務局で不動産の名義変更等を行う場合は、戸籍とのつながりを証明するために本籍地の記載のある住民票を求められます。
除票
文字どおり、除かれた票です。
住民登録のある方が死亡すると住民リストから外れるのでこの呼び方となります。
なお、他の市町村に引っ越して住民登録を移した場合も除票となります。
戸籍を見れば被相続人は死亡したとわかるのですが、戸籍には住所の記載はありません。
住所の記載があるのは住民票ですので、この書類が必要になるのです。
さきほどの住民票と同じように本籍地記載の除票を用意しましょう。
申請者
住民票は個人の住所等が記載されており、プライバシーに直結する書類です。
そのため、誰でも請求できるものではありません。
・本人
・同一世帯の者
・代理人(本人の委任状が必要)
以上の者が住民票を取得できます。
窓口で請求をする場合、本人確認書類の提示が求められます。
運転免許証やマイナンバーカード等を用意して窓口に行きましょう。
取得できる窓口
住民登録のある市区町村の窓口になります。
窓口に行って請求することはもちろん、郵送で取り寄せすることも可能です。
その際、現金ではなく小為替を手数料として同封します。
また、運転免許証等の本人確認書類のコピーを添付することが必要です。
費用
自治体によって手数料は変わります。
郵送で請求する場合は小為替を同封することになりますが、事前に金額を確認して送るようにしましょう。
手数料が足りないと連絡が入り送ってもらえません。
二度手間にならないようご注意ください。
その他
自治体によっては、住民票等の申請書をホームページで公開しているところがあります。
そこには必要な書類や手数料等が記載されていることが多いので、それらをプリントアウトして請求すると書類の抜け落ち等が少なくなるでしょう。
戸籍付票とは
今まで住民票と除票、その請求方法について述べてきました。
住民票と似たものに戸籍付票があります。
これは戸籍と住民票の間に当たるような書類です。
住民登録のあるところではなく、本籍のあるところで請求します。
住民票は今の住所と前住所しか原則として記載されませんが、この書類は本籍地が変わらない限り、それまでの住所が全て記載されています。
被相続人が転勤族で住所の沿革が付かないといった場合に、この書類は有用です。
手数料、取得方法は住民票に準じた形になっています。
印鑑証明書とは
印鑑証明書とは住民登録のある者が、印鑑登録をしている場合に取得できる書類です。
登録した印鑑を俗に実印と呼びます。
住民登録をしていれば必ず実印登録をしなければいけないわけではありませんが、相続の手続では必須の書類となります。
まず、登録手続ですが、実印は三文判のようなものでも大抵は受け付けてもらえます。
大きさ等に制限がありますので、特殊な印鑑を登録する場合は事前に市役所で確認して下さい。
登録手続は本人が窓口で申請すれば直ぐに印鑑登録できる自治体もあれば、いったん受け付けて本人の住所宛に書類を送った後、その書類を窓口に持って行ってはじめて手続が完了するという運用をしている所もあります。
急ぎの場合は、一度市役所の市民課に相談して対応してもらいましょう。
印鑑証明書を取得する際に必要となる書類は申請書と印鑑カードです。
本人の他に代理人でも請求は可能ですが、印鑑カードの他に委任状を求められる場合があるのは住民票と同じです。
費用も住民票と同様、自治体によって異なります。
印鑑証明書は重要な書類です。
住民票と同じく住所や生年月日が載っているだけでなく、実印が掲載されています。
この書類から実印が偽造されて本人の意図しない書類に判が押されていてトラブルになるといったことが想定されますので、紛失等に気をつけて大切に保管して下さい。
その他
定住外国人には外国人住民票がありますし、印鑑登録をすれば印鑑証明書の交付も受けられます。
ただ、日本に在住していない日本人には住民票や印鑑証明書の交付は受けられません。
このような場合はサインをしてその署名に現地の領事館等から証明を受ける、サイン証明というものが必要になってきます。
また住民票や印鑑証明書はコンビニでも交付を受けられるようになりました。
ただ、自治体によってはコンビニで証明書の交付を受けられない場合もあります。
また、コンビニ証明書を受け付けない所もあるかもしれませんので、相続手続を行う所に確認をして取り寄せするのが妥当でしょう。
さいごに
ここまで住民票と印鑑証明書について見てきました。
いずれも相続では重要な書類となりますので、その用途を把握して取り寄せて下さい。
また、どちらの書類も個人情報の固まりのようなものですから、その保管方法にも気をつけるように心がけて下さい。
(提供:相続サポートセンター)