【まきチャレ2023開催記念インタビュー | 株式会社ParaLux】1人1人が思い描く、制限のない結婚式が実現できる世界に

牧之原市が主催するビジネスコンテスト「まきチャレ2023(第2回牧之原市チャレンジビジネスコンテスト)」の表彰式が10月に開催されました。

まきチャレ2023(以下、まきチャレ2023)は、牧之原市の「産業資源」と「観光資源」を活用して、自らの事業を地域と共に発展させるビジネスプランを全世界のスタートアップ企業から募集し、評価するビジネスコンテストです。第2回開催である今回は、EXPACT代表の髙地が審査員として参加しました。

本記事では、まきチャレ2023でなんと大賞を受賞された、株式会社ParaLuxのCTOである村田里史さんにサービス概要や牧之原市での今後の展望についてお聞きしました。

より記憶に残る、オリジナルな結婚式を叶えるためのサービス「ブラプラ」

ーまきチャレ2023での大賞受賞、おめでとうございます!まず最初に、株式会社ParaLuxさんが展開されているサービスについて教えてください。

僕たちが今展開しているサービスは「ブラプラウェディング」というウエディングプランナーとカップルをマッチングさせるサービスと、「ブラプラWEB招待状」という結婚式のWEB招待状のサービスです。

ブラプラには、日本全国で活躍するフリーランスのウェディングプランナーが掲載されており、カップルにオリジナルな結婚式を提供しています。フィーリングが合うプランナーやヘアメイク、フォトグラファーを選ぶことができ、思い出の場所や趣味にまつわる場所など、あらゆる場所で予算にあった結婚式を行うことができます。

また、ブラプラWEB招待状は、ブラプラウェディングで結婚式を挙げたカップルだけでなく、一般のカップルでもご利用になれる無料のWEB招待状サービスです。アニメーション付きのテンプレートが210種類以上(2023年12月時点)あり、2022年7月のローンチ以降、多くの方にご利用いただいています。

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ブラプラについての概要

ー私自身が結婚式をした時にも、人と違う結婚式がしたい!と思った背景があったので、オリジナルな結婚式はとても興味深く感じました。実際に登録されているフリーランスの方の職種としてはどういった方が多いのでしょうか?

一番多いのはフォトグラファーさんです。その次にプランナーさん、フローリストさん(ブーケや会場内の装花などをアレンジする方)と続きます。現在はこの3職種に絞っていますが、今後はヘアメイクさん、ドレスショップさんの登録も増やしていきたいと思っています。 実際に登録していただいているフリーランスの方からは、

『まだまだ「フリープランナー(フリーランスのウェディングプランナー)」の認知度が低いことや集客力に課題を感じています。ブラプラは、私たちが苦手に感じている、「認知度」や「集客力」といったところのサポートをしてくれる点がとても魅力的だなと感じています。』

といったお声をいただいています。

ー確かに、フリーランスのウエディングプランナーさんの存在を知っている人はまだ少ないですよね。実際に結婚式を挙げた方の喜びの声はどういったものがありますか?

ありがたいことに、「ブラプラがなかったらフリープランナーさんの存在を知ることもなかった」といったお声や、「フリープランナーさんが期待をこえたウェディングを提案してくれる。自分たちだけなら思いつかないくらいの提案をしてくれた。」といったお声など、フリーのウエディングプランナーさんやフォトグラファーさんと創り上げるオリジナルな結婚式に対して満足して下さる利用者様が多いです。

こだわりを徹底的に追及するからこそ、プランナーさんとの絆が生まれたという方もいらっしゃいました。

ー「他にはないようなオリジナリティのある結婚式」というと、具体的にはどういった例があるのでしょうか?

今、かなり注目度が高いのはスタジアムウェディングですね。野球が好きなカップル様がユニフォームを持ち込んで野球場でフォトウェディングを行ったり、サッカー好きなカップル様がご家族と一緒にサッカースタジアムで前撮りを行ったりした事例があります。

また、鉄道ウェディングも人気です。ローカル線を貸し切ってウェディングパーティを行った事例もあります。趣味や思い出の場所など、カップル様が好きなロケーションで結婚式やウェディングフォトを実現できることがブラプラの特徴の1つです。

ー水族館や動物園など、果てしなくいろいろなことが実現できそうな可能性を感じます!では、村田さんはどういった経緯で起業されたのでしょうか?

僕の前職の会社は、同期の数が1000人くらいいるような大人数の会社でした。そうなってくると、結婚式に参列する回数がとても多くなります。何度も結婚式に参加しているうちに、「あれ、結婚式ってどれも似たり寄ったりのものが多いな。」と思うようになりました。 多くの結婚式に参列していると、それぞれの結婚式の印象が曖昧になっていき、それぞれのカップルの結婚式がどんなものであったかという記憶もあやふやになってしまうという経験をしました。

しかしカップルからすれば、数百万もの大金をかけて挙げる、人生に一度の大切な結婚式です。そこで、もし自分が結婚式をするなら、より記憶に残るオリジナリティのある結婚式にしたいと考えたのが始まりですね。

ーもともとフリーランスのプランナーさんについてはご存じだったのですか?

フリーランスのウェディングプランナーさんという存在そのものは知っていました。では、オリジナリティのある結婚式を挙げるためには自分でフリーランスのプランナーさんを探してに頼めばいいのでは?と思いましたが、フリーランスのウェディングプランナーさんを探すこと自体が実はかなり大変だということに、そのとき初めて気づきました。

また関東圏であれば、ある程度ネットで調べれば見つけることもできるかもしれません。地方になってくると、なかなかネットでもヒットしないですし、その地域で活動しているプランナーさんがいるのかどうかも分からないことが結構あるんです。
インスタグラムで探そうと思っても、なかなか理想のフリーランスウェディングプランナーさんにたどり着けないことも多いです。

フリーランスのプランナーさんを求めているカップル様は世の中にはたくさんいると思います。同じような悩みを抱えてるカップル様が、もしこのようなサービスを利用することによって、本当に挙げたい結婚式ができるといいなと思って創業に至ったという背景になります。

ーフリーランスのプランナーさんやフォトグラファーさんだけでなく、結婚式場を抱える事業者さんからの期待値もすごく大きいのではないでしょうか。そのような事業者さん向けにもサービスを提供されていくご予定はありますか?

そうですね、フリーランスのプランナーさん向けにも、事業者さん向けにもどちらにも貢献できるサービスを提供していきたいと考えています。その背景には、コロナ禍でのプランナーさんの雇用状況の大きな変化があります。これまでの時代では、式場ではプランナーさんを定常的に雇用していることがスタンダードでした。
しかし、コロナ禍で結婚式の数が減ってしまったことから、プランナーさんを定常的に雇用することをやめる式場も増えています。その代わり、フリーランスのウェディングプランナーさんに業務を委託するという流れが加速するようになったのです。

世の中にフリーランスのウェディングプランナーさんがどんどん増えていく中、その式場とフリーランスを結ぶ業務委託の流れがまだプラットフォーム上でうまくできてないところがまだまだ多いです。 そこの部分を僕たちがマッチングのお手伝いができると、ウェディングプランナーさんにも式場さんにもよい形になっていくと思っています。

結婚式を通じて地域の活性化に繋げるーまきチャレ2023大賞受賞の背景と今後の展望

ーありがとうございます。では改めて、今回どういった経緯でまきチャレ2023に応募されたのでしょうか?

牧之原市には、廃校やスタジアム・空港や茶畑など素晴らしいロケーションが数多く存在し、非常に魅力的に感じていました。それに加え、地域×ウェディングをテーマに挑戦できるビジネスコンテストを探しており、応募に至りました。

茶畑って、地域の方からすればすごく当たり前の光景ですよね。でも県外の人間が見ると圧倒されてしまうような魅力があります。牧之原市にはサーフスタジアムがあったり、海岸やビーチで富士山が見えるロケーションがあったり、そういったところにすごいポテンシャルがあるのではないかと感じました。

ー受賞の一報を受けていかがでしたか?

とても驚きました。会社のみんなで授賞式の中継をオンラインで見ていたのですが、かなり盛り上がりましたね。

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表彰式の様子

ー授賞式では、貴社のサービスが晩婚化などによる少子高齢化や社会課題の解決に繋がるのではないか、といった期待感を牧之原市さんの方からも感じました。今後の方向性として、結婚式を通じた地域課題の解決へのアイデアがあればぜひ伺いたいです。

コンテストに応募させていただいたときに、結婚式における経済効果や交流人口の創出を通じた、地域の魅力の再発見の可能性を強く感じました。

今後、「そもそも牧之原市において市外から人を呼び込んでの結婚式がうまくいくのか?」というところをまず検証したいです。結婚式ができる状態になって、そこで参列してくるゲストに対して地域の魅力をどうやって発信していくか。発信した後に、定住移住が始まるのかといったところの仮説検証を繰り返して進めていきたいと思っています。

実は、地方には、ウェディングの場所として活用できる魅力的なスポットが数多く存在します。そのような地方のスポットを活用することで、地域活性化に大いに繋げられると考えています。

ー大賞を受賞されたとのことで、賞金はどのように活用されるご予定ですか?

まずは、「作品撮り」に活用したいです。というのも、牧之原市の茶畑やサーフスタジアムで結婚式を挙げるといってもカップルにとっては具体的なイメージが湧きませんよね。そのため、まずはそのイメージを持たせるための作品撮りを行いたいと考えています。

また、牧之原市周辺や静岡県内・もしくは県外の周辺地域に対しての広告運用をして、どのぐらいのユーザーさんに興味を持っていただけるのか、といったところを検証していくために使っていく予定です。

ー茶畑での結婚式、今まで見たことがない分イメージも難しいですよね。では、今後のサービスにおける展望はありますか?

理念として、ウェディングプランナーさんが結婚式のクリエイティブに専念するために、僕たちがテックで解決できるところをサポートしたいという想いがあります。そのためのサービスの1つが「ブラプラWEB招待状」です。

僕たちのサービスのビジョンは「1人1人」というところにすごくフォーカスしています。カップル様にそれぞれの個性があるように、求める結婚式の姿はカップル様の数だけあります。「1人1人が思い描く、それぞれの結婚式を簡単に挙げることのできる世界」を目指して、僕たちができることをやっていきたいと思っています。

ー結婚式だけでなく、結婚式を挙げた後にもフリーランスの方と接点を持っていけるといいですよね。

そうですね。僕たちのサービスには、プランナーさんがいればフォトグラファーさんもいるといったように、多様なソリューションを展開できるところに特徴があります。

例えば、結婚した後にもマタニティフォトや七五三を始めとしたお子さんに対してのライフイベントに対してフォトグラファーさんのアテンドができたり、結婚式の1年後のアニバーサリーで記念日としてのタイミングだったり、人生のいろんなポイントに対して僕たちのソリューションは再度提供できると考えています。

【まきチャレ2023開催記念インタビュー | 株式会社ParaLux】1人1人が思い描く、制限のない結婚式が実現できる世界に
ブラプラ

ー貴社のように結婚式の新しいやり方が広まっていくことを想像すると、私もそんな結婚式をやってみたかったなという気持ちになります!今後、結婚式やブライダル業界がどう変わって行くのか、日本の未来はどのようになるとお考えですか?

オリジナルウェディングは絶対に増えていくと僕は思っています。その理由として、実際に経済産業省さんが出してるレポートからも、通常の結婚式よりもカスタムウェディングや少人数婚であったり、カジュアルなパーティスタイルの結婚式など、よりオリジナル性の高い結婚式を希望するカップル様がどんどん増えているということが分かっています。

これからは結婚式の多様化がより加速して進んでいくと考えています。

ーブラプラを通じて、1人1人が実現したい結婚式ができるようになるのが楽しみです!本日はありがとうございました!

[会社概要]
【会社名】株式会社 株式会社ParaLux
【URL】https://paralux.co.jp/
【設立年月】 2019年10月31日
【代表者】代表取締役・CTO 村田 里史
【所在地】福岡県北九州市小倉北区浅野3-8-1 AIMビル6F

取材:EXPACT 髙地・坂井
執筆:EXPACT 森田