相続サポートセンター
(画像=相続サポートセンター)

亡くなった人の所有していた財産をその配偶者や子供などの相続人が相続する際には、多くの手続きが求められます。

また、その際には相続があったことを証明する書類が必要となります。

ここでは、そのような相続手続きで必要となる証明書類について解説していきます。

戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本とは

ほぼすべての相続手続きに必要となるのが戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)です。

戸籍謄本は本籍地のある(あった)市区町村役場で取得することができます。

戸籍謄本の種類

一口に戸籍謄本といっても、さまざまな種類があります。

一般的に戸籍謄本といえば、戸籍に記載されている全員の身分事項を証明するものとして、夫婦とその未婚の子供から構成されています

戸籍に他の家族が記載されている場合には、戸籍謄本を取得すれば亡くなった事実を証明することができます。

しかし、その戸籍に他の家族がいない場合は、亡くなったことでその戸籍に誰もいない状態となっているため、その戸籍は除籍謄本(除籍全部事項証明書)と呼ばれることとなります。

また、法改正により戸籍が新たに作られることがあります

この場合、法改正が行われる前に作られた戸籍を改製原戸籍謄本と呼ぶのです。

相続手続きに必要となる戸籍謄本

相続手続きにおいて必要となる戸籍謄本は、おもに3種類あります。

⑴亡くなった人の戸籍謄本(除籍謄本)

亡くなった事実や亡くなった日を証明するために提出します。

最も使用回数が多い書類です。

⑵亡くなった人の出生までさかのぼる除籍・改製原戸籍謄本

誰が相続人になるのか、あるいはほかに相続人がいないことを証明するために使用されます。

遺産相続や相続税の申告に用いられます。

⑶相続人の戸籍謄本

亡くなった時点で相続人が生存していたこと、そして亡くなった人の相続人であることを証明するために使用されます。

特に⑵の改製原戸籍謄本は、取得までに時間がかかる場合もあるため、早めに準備しておくことが必要です。

住民票(除票)や戸籍の附票とは

亡くなった人の最後の住所地を確認し、あるいは住所変更の経緯を確認するために住民票の提出を求められることがあります

また、亡くなった人の最後の住所地を確認する書類には、戸籍(除籍)の附票も利用されます

戸籍謄本には住所が記載されていないため、実際に住んでいた場所を証明するために必要とされるのです。

住民票の種類と取得方法

最後の住所地や住所変更の経緯を確認するためには、住民票の写しが利用されることが一般的です

この時、住民票に記載されていた人が全員転出または死亡して消除されている場合は、住民票の除票と呼ばれます

また、住民票の写しだけでは住所変更の経緯が確認できないこともあるため、戸籍(除籍)の附票の写しが必要となることもあるのです。

実際にどの書類が必要とされるかは分からないため、指示に従って準備するようにしましょう。

住民票(除票)や戸籍の附票は、亡くなった人が住んでいた市区町村役場で取得することができます。

印鑑証明書とは

印鑑証明書とは、捺印された印鑑が実印であることを証明する書類です

相続の手続きを進める際には、遺産分割協議書の作成や相続登記など、さまざまな場面で実印を使用することが求められます。

しかし、使用した印鑑が本当に実印であるかどうかは本人以外の人には分かりません。

そこで利用されるのが印鑑証明書なのです。

事前に、住んでいる市区町村役場に印鑑を実印として登録することを印鑑登録といいます。

印鑑登録しておき、その市区町村役場が発行する印鑑証明書を利用することで、その印鑑が実印であることを第三者にも証明することができるのです。

印鑑証明書には期限が設けられているケースが多い

印鑑登録できる印鑑は1人1つと決められています

その一方で、異なる印鑑を印鑑登録することは簡単にできるため、一般的に利用できる印鑑登録書は取得してから3ヵ月以内などの期限が設けられていることがほとんどです

事前に多めに取得しておけばその都度市区町村役場に行く必要はありませんが、期限切れとなった印鑑証明書は利用できないため、無駄にならないような方法を考えておく必要があります。

まとめ

亡くなった人がいること、そしてその相続人であることを証明する書類は、相続手続きを適正に行うための重要な書類です

必要とされる書類は例外なく、必ず準備しなければなりません。

ただし、すべての場合に原本が必要とは限りません。

提出した書類の原本を返却してもらうことができるか、あらかじめ確認しておくと、余分な費用をかけずに相続手続きを進めることができます

また、法定相続情報一覧図を利用する制度も新たに始まり、これまでのように戸籍謄本などの書類を必ず準備しなくてもいい場合もあります。

必要に応じてこれらの制度も利用すると、相続手続きをより効率的に進めることができるでしょう。
(提供:相続サポートセンター