矢野経済研究所
(画像=Prapat/stock.adobe.com)

2022年度の国内アウトドア用品・施設・レンタル市場は前年度比2.2%増の4,536億7,000万円と推計、2023年度は同4.9%増とさらに拡大継続見込

~日常生活での需要が堅調に推移、キャンプは身近なアクティビティ・レジャーとして定着~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越 孝)は、国内のアウトドア用品・施設・レンタル市場を調査し、市場分野別の動向、参入企業動向を明らかにした。

国内アウトドア用品・施設・レンタル市場規模推移・予測

矢野経済研究所
(画像=矢野経済研究所)

1.市場概況

2022年度の国内アウトドア用品・施設・レンタル市場規模は4,536億7,000万円(前年度比102.2%)と推計した。アウトドアアパレルが日常生活での需要拡大によって堅調であった他、コロナ禍による行動制限の解除に伴って登山者数が回復したことで登山関連用品の需要が回復した。また、一般社団法人日本オートキャンプ協会の「オートキャンプ白書 2023」によると、2022年のキャンプ参加人口は650万人(前年比86.7%)となり減少したが、キャンプを身近なアクティビティ・レジャーとして年に複数回行うなど、コンスタントに楽しむキャンパーが増加したことでアウトドアサービス関連(アウトドア施設・アウトドア用品レンタル)が拡大した。その一方、コロナ禍をきっかけに加速したキャンプへの人々の関心が、行動制限の緩和以降他の消費活動に向いたため下火となり、市場拡大を支えたエントリー層(新規参入者層)のボリュームが縮小した。その結果、テントをはじめとしたキャンプの基本アイテム購入が停滞し、国内アウトドア用品・施設・レンタル市場においてマイナス材料になった。

2.注目トピック

キャンプは身近なアクティビティ・レジャーとして定着へ

キャンプの需要は継続しているものの、コロナ禍で自粛傾向がみられた旅行等へのリベンジ消費が上向いたことでエントリー層(新規参入者層)のボリュームが縮小し、急加速していた勢いは衰えた。しかし、ソロキャンプやレンタルサービスの拡充等によって気軽に行うことができる身近なアクティビティ・レジャーとして定着したため、アウトドア用品需要の安定化とアウトドア施設稼働率の上昇に繋がった。

3.将来展望

国内アウトドア用品・施設・レンタル市場は、2022年度から2026年度までの年平均成長率(CAGR)が3.8%で推移し、2026年度の市場規模は5,274億6,000万円になると予測する。キャンプはコロナ禍のようなエントリー層(新規参入者層)の急増が今後は考え難いが、定期的な活動として楽しむコア層が定着したことから底堅い需要を維持すると期待する。

また、アウトドア(登山・キャンプ)活動は日常生活での需要が堅調に推移すると考えられ、今後も安定化するとみる。加えて、アウトドアウエアを普段着として取り入れる動きが活性化しており、今後日常生活での需要は底堅く推移するとみる。

調査要綱



1.調査期間: 2023年8月~9月
2.調査対象: アウトドア用品メーカー、卸売業、小売業、アウトドア関連施設、サービス企業・団体、その他業界団体等
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、アンケート調査、ならびに文献調査併用
<アウトドア用品・施設・レンタル市場とは>
本調査におけるアウトドア用品・施設・レンタル市場とは、アウトドア用品(アパレル・用具)、アウトドア施設利用料(キャンプ場、BBQ場、バンガロー・コテージ、グランピング等の宿泊施設)、アウトドア用品レンタルサービス利用料を対象として推計した。
なお主に「レジャーを目的に屋外で行う活動」とし、スポーツおよびスポーツテイストの活動(競技スポーツとしてのアウトドアであるトレイルランニング、スポーツクライミング、クライミングジム等)や、釣り(釣り用具・用品、管理釣り場等)、関連サービス(山岳ガイド・自然ガイド等)、野外フェスティバル等は除外している。
<市場に含まれる商品・サービス>
アウトドアアパレル(アウトドアウエア、シューズ、ザック・バッグ類)、アウトドア用具(登山・クライミング用品、テント・タープ類、シュラフ、照明器具、調理器具・食器類、コンロ・燃料類、テーブル・チェア類、クーラー・ジャグ類、その他用品)、アウトドア施設(キャンプ場、BBQ場、バンガロー・コテージ、グランピング等の宿泊施設)、アウトドア用品レンタル

出典資料について

資料名2023 アウトドアビジネス
発刊日2023年09月28日
体裁A4 334ページ
価格(税込)198,000円 (本体価格 180,000円)

お問い合わせ先

部署マーケティング本部 広報チーム
住所〒164-8620 東京都中野区本町2-46-2
電話番号03-5371-6912
メールアドレスpress@yano.co.jp

©2023 Yano Research Institute Ltd. All Rights Reserved.
本資料における著作権やその他本資料にかかる一切の権利は、株式会社矢野経済研究所に帰属します。
報道目的以外での引用・転載については上記広報チームまでお問い合わせください。
利用目的によっては事前に文章内容を確認させていただく場合がございます。