相続には、金融関係の手続き、登記手続き、相続税の申告と、大きく分けて3つの手続きがあります。
それぞれの手続きに必要な書類の中には、共通するものと特有のものとがあります。
ここでは、3つの手続きに必要な書類とその内容について、詳しくご説明いたします。
1. 金融関係で必要な書類
この手続きは、被相続人名義の口座を解約して、遺産分割協議に従い相続人の銀行口座へ被相続人の金銭を移動させるためのものです。
必要な書類は、次のとおりです。
1-1. 被相続人の戸籍謄本・住民票
亡くなった人(「被相続人」と言います)が、生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本が必要です。
例えば、被相続人が生まれた時の本籍地がAで、その後本籍地をB、Cと移転して、亡くなった時の本籍地がDだったとします。
この場合、最初に亡くなった時の戸籍謄本(本籍地D)を最後の住所地の市区町村役場から取ります。
この戸籍謄本を見ると、前の本籍地がCであることがわかりますから、次にCの住所地の市区町村役場から、戸籍謄本を取ります。
このようにして、被相続人が生まれた時の本籍地Aまでさかのぼります。
ここで、被相続人が生まれた時の本籍地Aから亡くなった時の本籍地Dがつながっている戸籍謄本が一式そろえば、良いのです。
戸籍謄本は、不動産の名義変更の登記、あるいは相続税の申告の際にも必要になります。
転籍や婚姻している場合は、転籍前、婚姻前の本籍がある市区町村役場で、「除籍謄本」を取り寄せることになります。
また、現在の戸籍謄本がコンピュータ化されている場合には、「改正原戸籍」を取り寄せます。
このように、転籍が多ければ多いほど、戸籍謄本を取り寄せる手続きが煩雑になります。
もう一つは、被相続人の住民票です。これは、被相続人の最後の住所地の市区町村役場で取得できます。
ただ、被相続人は既に亡くなっていますから、正確には「住民票・除票」を請求することになります。
1-2. 相続人の戸籍謄本・住民票
相続人全員の戸籍謄本と住民票が必要です。
これは、被相続人との関係を示す資料となりますが、もし被相続人の財産を相続しない相続人がいても、その方の戸籍謄本と住民票も必要となります。
戸籍謄本は相続人が本籍を置く市区町村役場から取り寄せますが、その際には世帯全員分を取得します。
また、住民票は相続人が現在住所を置く市区町村役場から取り寄せますが、その際には本籍、続柄等の全ての記載があるもので、世帯全員分を取得します。
1-3. 遺産分割協議書
相続人全員で被相続人の財産の分割方法を話し合うことを「遺産分割協議」と言いますが、その結果を記載した文書を作成します。
被相続人の持っていた預貯金を相続人がどのようにして相続するかが、きちんと明記されていることを確認します。
そして、この「遺産分割協議書」の最後に、相続人全員の署名と捺印をします。もし遺産を全く相続しない相続人がいても、その方の署名と捺印も必要です。
捺印は、各相続人が市区町村役場に登録している「実印」を推します。
この「遺産分割協議書」は、念のため、相続人の数プラス2部程度作成し、相続人がそれぞれ保管する分、各部署に提出する分、予備の分としておきます。
1-4. 相続人の印鑑証明書
「遺産分割協議書」に各相続人が捺印した実印の「印鑑証明書」を準備します。
住所地の市区町村役場で、取得することができます。
1-5. 相続関係説明図
被相続人と相続人の関係を図で示した「相続関係説明図」を準備します。
作成の方法は、法務局のホームページなどで確認できます。
1-6. 金融機関の書類
金融機関から以下の書類を取り寄せ、記入して提出します。
・払い戻し請求書(依頼書)
・振込用紙
・相続人の通帳・預貯金書
・紛失届(被相続人の通帳やカードを紛失した場合)
2. 登記に必要な書類
この手続きは、被相続人名義の家、土地などの不動産を遺産分割協議に従い、相続人の名義に変更するものです。
必要な書類は、次のとおりです。
2-1. 被相続人の戸籍謄本・住民票
被相続人が、生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本が必要です。
転籍や婚姻している場合は、転籍前、婚姻前の本籍がある市区町村役場で、「除籍謄本」を取り寄せることになります。
また、現在の戸籍謄本がコンピュータ化されている場合には、「改正原戸籍」を取り寄せます。
このように、転籍が多ければ多いほど、戸籍謄本を取り寄せる手続きが煩雑になります。
もう一つは、被相続人の住民票です。これは、被相続人の最後の住所地の市区町村役場で取得できます。
ただ、被相続人は既に亡くなっていますから、正確には「住民票・除票」を請求することになります。
なお、金融機関の手続きで提出した被相続人の戸籍謄本、住民票をそのまま使うことができます。ただし、金融機関の手続きの際に、戸籍謄本、住民票を還付してもらう必要があります。
2-2. 相続人の戸籍謄本・住民票
相続人全員の戸籍謄本が必要です。
これは、被相続人との関係を示す資料となりますが、もし被相続人の財産を相続しない相続人がいても、その方の戸籍謄本も必要となります。
戸籍謄本は相続人が本籍を置く市区町村役場から取り寄せますが、その際には世帯全員分を取得します。
また、住民票は、被相続人の不動産を取得する相続人の分だけが必要です。
住民票は、相続人が現在住所を置く市区町村役場から取り寄せますが、その際には本籍、続柄等の全ての記載があるもので、世帯全員分を取得します。
なお、金融機関の手続きで提出した相続人の戸籍謄本、住民票をそのまま使うことができます。
ただし、金融機関の手続きの際に、戸籍謄本、住民票を還付してもらう必要があります。
2-3. 遺産分割協議書
相続人全員で被相続人の財産の分割方法を話し合った結果を記載した文書、「遺産分割協議書」を作成します。
被相続人の持っていた不動産を相続人がどのようにして相続するかが、きちんと明記されていることを確認します。
そして、この「遺産分割協議書」の最後に、相続人全員の署名と捺印をします。
もし遺産を全く相続しない相続人がいても、その方の署名と捺印も必要です。
捺印は、各相続人が市区町村役場に登録している「実印」を推します。
この「遺産分割協議書」は、念のため、相続人の数プラス2部程度作成し、相続人がそれぞれ保管する分、各部署に提出する分、予備の分としておきます。
なお、金融機関の手続きで提出した「遺産分割協議書」をそのまま使うことができます。
ただし、金融機関の手続きの際に、「遺産分割協議書」を還付してもらう必要があります。
2-4. 相続人の印鑑証明書
「遺産分割協議書」に各相続人が捺印した実印の「印鑑証明書」を準備します。
住所地の市区町村役場で、取得することができます。
2-5. 不動産関係書類
不動産の関係資料としては、まず「登記事項証明書」が必要です。
この「登記事項証明書」には、家や土地の種類、面積、抵当権設定の有無などが記載されています。
誰でも取得することはできますが、不動産が存在する住所を管轄する法務局に行って取り寄せるか、遠方の場合は郵送でも取り寄せることができます。
また、「固定資産評価証明書」も必要です。この「固定資産評価証明書」は、不動産の評価額が記載されたものです。
評価額は毎年度改定され、この証明書は、所有者に5月に送られている「固定資産税」の納付書に同封されています。
不動産の名義を変更する際に、法務局で「登録免許税」を支払わなければなりませんが、その金額の根拠になるのが、この「固定資産評価証明書」に記載された評価額です。
2-6. 委任状
自分で登記をするのではなく、司法書士などの専門家に依頼する場合は、「委任状」が必要です。
依頼する司法書士などが「委任状」を作成してくれますので、依頼者は自分の名前を書き、印鑑を押して提出します。
3. 相続税の申告に必要な書類
被相続人から相続した財産が一定額の場合、相続税がかかります。
その際に、相続税の手続きの申告を行うもので、必要な書類は、次のとおりです。
3-1. 被相続人の戸籍謄本・住民票
被相続人が、生まれてから亡くなるまでの連続した戸籍謄本が必要です。
転籍や婚姻している場合は、転籍前、婚姻前の本籍がある市区町村役場で、「除籍謄本」を取り寄せることになります。
また、現在の戸籍謄本がコンピュータ化されている場合には、「改正原戸籍」を取り寄せます。
このように、転籍が多ければ多いほど、戸籍謄本を取り寄せる手続きが煩雑になります。
もう一つは、被相続人の住民票です。これは、被相続人の最後の住所地の市区町村役場で取得できます。
ただ、被相続人は既に亡くなっていますから、正確には「住民票・除票」を請求することになります。
なお、金融機関の手続きや登記の際に提出した被相続人の戸籍謄本、住民票をそのまま使うことができます。ただし、金融機関の手続きや登記の際に、戸籍謄本、住民票を還付してもらう必要があります。
3-2. 相続人の戸籍謄本・住民票
相続人全員の戸籍謄本が必要です。
これは、被相続人との関係を示す資料となりますが、もし被相続人の財産を相続しない相続人がいても、その方の戸籍謄本も必要となります。
戸籍謄本は相続人が本籍を置く市区町村役場から取り寄せますが、その際には世帯全員分を取得します。
また、住民票は、被相続人の不動産を取得する相続人の分だけが必要です。
住民票は、相続人が現在住所を置く市区町村役場から取り寄せますが、その際には本籍、続柄等の全ての記載があるもので、世帯全員分を取得します。
なお、金融機関の手続きや登記の際に提出した相続人の戸籍謄本、住民票をそのまま使うことができます。ただし、金融機関の手続きや登記の際に、戸籍謄本、住民票を還付してもらう必要があります。
3-3. 相続人の戸籍の附票
戸籍の附票とは、戸籍の住所の移り変わりがわかる書類です。
戸籍には住所の記載がないため、もし住所のわからない相続人がいる場合で、その相続人の住所が知りたい時には、市区町村役場から取り寄せます。
3-4. 相続人の印鑑証明書
「遺産分割協議書」に各相続人が捺印した実印の「印鑑証明書」を準備します。
住所地の市区町村役場で、取得することができます。
3-5. 不動産関係書類
不動産の関係資料としては、まず「登記事項証明書」が必要です。
この「登記事項証明書」には、家や土地の種類、面積、抵当権設定の有無などが記載されています。
誰でも取得することはできますが、不動産が存在する住所を管轄する法務局に行って取り寄せるか、遠方の場合は郵送でも取り寄せることができます。
また、土地の大まかな形状を知るために、「公図」が必要です。
これは、その土地を管轄する法務局にありますので、誰でも取り寄せることができます。
「地積測量図」も必要です。
これは、土地の地積(面積)や求積方法が記載されているものす。
その土地を管轄する法務局にありますので、誰でも取り寄せることができます。
また、「固定資産評価証明書」も必要です。
この「固定資産評価証明書」は、不動産の評価額が記載されたものです。
評価額は毎年度改定され、この証明書は、所有者に5月に送られている「固定資産税」の納付書に同封されています。
不動産の名義を変更する際に、法務局で「登録免許税」を支払わなければなりませんが、その金額の根拠になるのが、この「固定資産評価証明書」に記載された評価額です。
さらに、「名寄帳」も必要です。
これは、ある人が持っている土地の一覧表で、ここには土地の所在地、地目、地積(面積)、固定資産税評価額、課税標準額などが記載されています。
土地がある市区町村役場から取り寄せることができます。
不動産を貸していた場合には、「賃貸借契約書」も必要です。
また、家や建物を購入した時の「売買契約書」と「見取り図」も必要です。
3-6. 有価証券関係書類
被相続人が株式や投資信託を所有していたら、その証書や残高証明書が必要です。
また、株式の場合、過去5年間の取引明細書を契約していた証券会社から取り寄せる必要があります。
3-7. 預貯金関係書類
被相続人が金融機関の口座を持っていた場合は、残高証明書が必要です。
金融機関から取り寄せることができます。
また過去5年分の通帳、定期預金証書も必要です。
なお、被相続人の口座から相続人の口座に預金の移動があった場合には、該当する相続人の預金通帳も必要です。
さらに、定期預金があれば、定期預金の利息計算書である「既経過利息計算書」も金融機関から取り寄せなければなりません。
3-8. 生命保険関係書類
被相続人が加入していた生命保険金支払通知書、生命保険書(コピー)、火災保険などの保険書(コピー)、解約返戻金がわかる資料が必要です。
生命保険金支払通知書と解約返戻金がわかる資料が、保険会社から取り寄せることができます。
3-9. 債務・葬式関係書類
被相続人の債務、つまり借金がわかる資料が必要です。
例えば、金融機関からの債務がある場合は、借入金残高証明書や返済予定表、金融機関以外からの債務がある場合は、金銭消費貸借契約書や返済予定表が必要です。
また、税金や公共料金などの未払い金があれば、請求書を準備します。
さらに、葬儀費用は基本的に課税されませんから、お通夜、葬儀などにかかった費用の領収証を準備する必要があります。
4. まとめ
相続の手続きには、多くの資料、証明書が必要です。
ただ、被相続人の戸籍謄本や遺産分割協議書など、他の手続きにもそのまま使うことができるものもあります。
無駄がないように、計画的に資料を取り寄せることが必要です。
(提供:相続サポートセンター)