アサヒ飲料はソフトバンクと協働し、9月17日と18日に都内で開催されたイベント「ちょっと先のおもしろい未来2023」において、清涼飲料水の自動運転配送サービスの事業化に向けた検証を行った。
イベント内では一般の参加者約200名を対象に、LINEを活用する専用ページで注文した「三ツ矢サイダー」や「アサヒ 颯」などアサヒ飲料の商品を、ソフトバンクが開発した配送ロボット「Cuboid」が発注者の手元に自動運転で配送した。混雑などにより時間がかかることはあったものの、おおむね順調に配送できたという。
この実証実験は、第1弾として2022年10月から12月にかけてアサヒ飲料の社屋内で計45回の配送を実施したという。今回の第2弾は、WEBで注文を受け、配送ロボットがユーザー近くの屋外テラスエリアまで商品を自動搬送。現時点で一度に運べる飲料の本数は8本だが、冷たいまま鮮度を感じる状態で届けられることが確認できたという。
アサヒ飲料未来創造本部の古谷和隆主任は9月18日、イベント会場で次のように説明した。「簡単に注文でき、配送ロボットがお客様の元まで冷たいままお届けできることが特徴だ。お客様は受け取る時に笑顔になられている。(鮮度感のある)おいしさと新技術を活用したワクワクするような購買体験をしていただけたら」。
ソフトバンクの担当者は、実施してみての感想として、「イベントでは子どもたちにとても喜んでいただけた。驚いたのは、意外と大人の方の関心が高く、いろいろと質問を受けた」とした。
アサヒ飲料は検証の結果を踏まえ、5~10年後にはオフィス内で忙しく働く人や大型イベントの来場者、飲食料品の購入が難しい地域住民に対して自立走行ロボットを「動く自動販売機」として活用し、消費者に届けるサービスの事業化を目指すという。
また将来的には、「動く自動販売機」への補充から配送までを人手なしで行い、人手不足の解消にもつなげる考えだとしている。