欧米に比べてウェルネス・フィットネス後進国といわれている日本。最近では、気軽にフィットネスができる施設も増えつつあるが、「忙しくて施設に通う時間がない」「ハードな筋トレに抵抗がある」「周りの目が気になる」など、まだまだフィットネスへの意識は低く、アジアの中でも低水準にとどまっているのが現状だ。こうした中、今までにないウェルネス・フィットネスの新たな動画配信プラットフォームが今冬、いよいよ日本でスタートする。そこで今回のサービスを手がけるジョンソンデジタルジャパン(以下、JDJ)マーケティング課の纐纈和寛統括課長と、JDJ代表トレーナーのHIRoMIさんに、新サービスを提供する狙いや動画コンテンツの特長、今後の展望などを聞いた。
世界シェアNo.1のジムマシン「MATRIX」を中心に、業務用・個人用フィットネス機器をグローバルで展開しているジョンソンヘルステックグループでは、フィットネスに関する動画コンテンツの配信ビジネスを全世界で推進している。JDJは、国内における動画コンテンツの企画・製作・配信を担うため、日本法人ジョンソンヘルステックジャパンから分社化し、昨年6月に設立。新たなグローバルウェルネスフィットネス動画配信プラットフォームの国内でのサービスローンチに向けて準備を進めている。
JDJ マーケティング課の纐纈和寛統括課長は、「コロナ禍による外出自粛や行動制限が続いたことで、運動不足によって肥満になったり、体調を崩してしまったりする人が増えてきた。その中で、ジョンソンヘルステックグループでは、家にいても運動ができるフィットネス動画コンテンツのニーズが高まってきたことに着目。ウェルネス・フィットネスの『新しい体験』をサブスクリプションでいつでも視聴・実践できるグローバル動画配信プラットフォームの日本版を立ち上げた」と、新サービスを提供開始する背景を語る。「JDJでは、日本の文化やニーズに合わせて、健康・ウェルネス・フィットネスに関連したエンターテイメント性の高い動画を配信することで、運動の初心者から上級者まで幅広い人々の成功体験をサポートしていく」と、日本の生活者に適したオリジナルの動画コンテンツを製作・配信していくと説明した。
他社の動画配信サービスにはない新サービスの特長について、纐纈統括課長は、「映像クオリティの高さ」を挙げる。「わたしたちの動画コンテンツは、フィットネスの内容はもちろん、映像のクオリティにも徹底的にこだわっており、特別な空間でのフィットネス体験を提供するため、全国各地でロケを敢行。例えば、沖縄では、無人島などの大自然の中で、動画コンテンツを撮影した。とくに、三重城(ミイグスク)では、現地にフィットネスバイクを設置してトレーニングを行っており、国内でここまで大規模な屋外ロケのフィットネス動画を提供できるプラットフォームは他にはないと自負している」と、沖縄で撮影したフィットネス動画は必見とのこと。「また、自社の専用スタジオには、3m×6mの大型LEDディスプレイを設置している。このディスプレイを背景にして、風景映像やイメージ空間などを映し出すことで、それぞれのフィットネスプログラムのテーマに合わせた世界観を創出することができる」と、スタジオでのフィットネス動画は背景の映像にも注目してほしいとアピールした。
もう一つ、新サービスの大きな差別化ポイントとなるのが「トレーナーの質の高さ」だ。JDJの動画コンテンツに出演する公式トレーナーは、すべてNESTA(全米エクササイズ&スポーツトレーナー協会)の資格を保有しているという。NESTAは、米国カリフォルニアに本拠地を置くパーソナルフィットネス・トレーナーの資格認定団体。これまでに、約4万人のメンバーと約1万人のパーソナルトレーナーを全米で育成し、現在では世界20ヵ国でNESTAの資格を持ったインストラクター、トレーナーが活躍しているとのこと。JDJのフィットネスコンテンツには、NESTAトレーナーの監修が入っているため、科学的根拠に基づき、ケガなどをせず安心・安全かつ確実に成果を出すことができる内容となっている。
纐纈統括課長は、JDJの公式トレーナーについて、「フィットネス動画を通じて新サービスのインフルエンサーになってもらうべく、各分野からスペシャリストを厳選した。安室奈美恵さんのバックダンサーを務めていたHIRoMIさんや、アニマルフロー・リージョナルリーダーとして活躍している池田タニアさん、APF(Asia Physique Federation)総合優勝者のEMILYさんなど12名をJDJ公式トレーナーとして起用している。各トレーナーは、フィットネス動画に出演するだけでなく、NESTAの資格保有者として動画の台本作りから携わることで、安全性と科学的根拠に基づいたフィットネス動画を実現している」と紹介した。
JDJ公式トレーナーのHIRoMIさんは、8歳から新体操を始め、ナショナルチームとして国際大会にも出場。その後ストリートでダンスを始め、2007年から2017年まで、安室奈美恵さんのバックダンサーを務めた経歴を持つ。「約12年前、安室さんのバックダンサーだった時代に、友人の紹介でダンスレッスンを体験しに来ていた纐纈さんと出会い、これがきっかけとなって、今回のJDJ公式トレーナーの就任へとつながった。私は、SNSなどで自分から発信することが苦手なので、JDJの新サービスで動画コンテンツを配信できる場を提供してくれたことに感謝している」と、纐纈統括課長との出会いから約12年を経た今、JDJ公式トレーナーに起用されたことを喜んでいた。
現在、子育てをしながらJDJ公式トレーナーとしても精力的に活動しているHIRoMIさん。「子どもを抱っこしながら家事をするなど、子育ては体に大きな負担がかかることに気づいた。一人の時は、トレーニングで力を使い切っていたが、子どもができてからは、家に帰ってからのことも考えてリカバリーをしっかりするように心がけている。また、常に健康な体でいられるよう、栄養面からも体づくりを考えるようになった」と、子どもが生まれてからトレーニングへの意識も変化したという。「体に負担がかかる子育て世代にこそ、フィットネスによる体のケアが重要だと感じている。しかし、子育てに追われていると、フィットネスに通えないのが実情だ。そこで活用してほしいのが今回の新サービス。子育てをしながら、隙間時間で効果的なフィットネスをすることができる」と、子育てママの視点からこの冬リリースするサービスの魅力をアピールした。
こちらのグローバル動画配信プラットフォームは、今年8月31日から台湾で先行しサービスを開始しており、日本でのローンチは12月以降を予定している。サービス開始時のコンテンツ数は約300本で、日本以外で製作された動画コンテンツの一部も配信するという。2024年初頭には、約360本~400本のコンテンツが配信される予定だ。コンテンツの内容は、トレーニングに限らず、ストレングス(筋トレ・ボディメイク)、カーディオ(有酸素トレーニング)、マーシャルアーツ(ボクシングエクササイズ・コンバット)、コア・体幹トレーニング、ボディ&マインド(ストレッチ・ヨガ・ピラティス・マッサージ・腰痛肩こり改善)、ダンス、HIIT(高強度インターバルトレーニング)、睡眠、キッズ、バラエティ(トータルケア・変わり種プログラム)など幅広いラインアップを用意。マルチデバイスに対応し、PC向けのWebブラウザ版と、スマホ/タブレット/スマートTVなど向けのアプリ版を提供する。
また、日本でのサービス開始に先立ち、フィットネスや健康・ライフスタイルに関する情報を提供するJDJ公式YouTubeチャンネルを開設している。YouTubeチャンネルでは、JDJアンバサダーでトレーナーとしても参加する元体操競技全日本代表チームの村山覚人さんをはじめ個性豊かな出演者がナビゲーターを務め、フィットネスを身近に感じるエンターテイメント性の高い動画コンテンツはもちろん、新サービスで配信予定のコンテンツ制作の裏側や公式トレーナーによるシーン別や目的別などのフィットネスコンテンツを提供している。
新サービスの今後の展望について、纐纈統括課長は、「日本でのサービスローンチ後も引き続きコンテンツ内容を拡充していく。異業種のさまざまな会社とコラボした動画コンテンツや、著名人を起用したスペシャル企画などを展開し、フィットネスに対する心理的ハードルを引き下げていきたい。さらに、JDJ公式YouTubeチャンネルの内容をリリースタイミングに合わせリニューアルし、新サービスのサブコンテンツとして、よりトレーナーにフォーカスし、トレーニング前のストレッチやトレーニング後のリカバリーに効果的なコンテンツの利用方法などの動画コンテンツを提供していく。この他、モニターを募集して新サービスのフィットネスの効果を測定する企画や、トレーナーが全国各地を回ってワークショップを行う企画など、リアルとオンラインをつなぐコンテンツの配信も計画している」と、コンテンツの拡充と共にYouTubeチャンネルとの連携も強化していく考えを示した。
最後にHIRoMIさんは、「JDJ公式トレーナーになり、NESTAの資格を取得したことで、筋肉の組織や役割を理解することができた。この知識を生かして、より安全で効果的なフィットネスの動画コンテンツを提供していきたい。また、フィットネスは精神面にも良い影響を与えるので、メンタルケアとして有効であることも伝えられればと思っている。新サービスを通じて、フィットネスは特別なものではなく、誰もが行う当たり前の習慣にしてきたい。そして、100歳になっても自由に体が動かせるよう、人生100年時代を楽しめる体づくりを応援していく」と、JDJ公式トレーナーとしての意気込みを語ってくれた。
纐纈統括課長は、「日本は、欧米はもちろんアジアの中でもウェルネス・フィットネス後進国となっている。その背景のひとつには、学校の授業に体育があり、子どものころに運動は無料でできるものという意識が根付いてしまっていることが挙げられる。このため、大人になっても、フィットネスに投資する意欲がなかなか高まらないと考えている。JDJの新しいフィットネスプラットフォームをきっかけに、こうした日本人の意識を変革したい。特に、フィットネススタジオに抵抗がある人は、まずは動画コンテンツで“こそトレ”を始めてほしい。この小さな一歩が、将来の大きな結果につながるはず」と、毎日健康でいられる体をつくるためにも、ぜひJDJの新サービスを役立ててほしいと訴えた。
ジョンソンデジタルジャパン=https://johnsondigital.jp/
JDJ公式YouTubeチャンネル=https://www.youtube.com/@kkjdj2023