日本の各地には、その土地ならではの料理、いわゆる「ご当地グルメ」が存在します。ご当地グルメは地域や土地によってさまざまで、地域の特色の1つになっています。そんなご当地グルメを食べることを目的とするのも、ドライブを楽しむポイントであり、私のだいたいのドライブも観光+ご当地グルメを目的とするものになっています。
各地にあるご当地グルメのなかでも、中京圏の中心地である愛知県名古屋市には、おいしいご当地グルメがたくさん集まっています。名古屋のご当地グルメは通称「名古屋めし」と呼ばれ、地元の方だけでなく、名古屋や周辺地域にきた方にも人気があり、全国的にも知名度が高いグルメが揃っています。
名古屋めしの特徴としては、一般的な料理に濃いめの味付けをした独自の料理というもので、なかには名古屋や周辺地域発祥でないグルメも名古屋めしとして扱われることもあります。名古屋や中京圏へは、新幹線でいくのも便利ですが、道中の景色や観光めぐりも楽しむことを考えると、車で高速道路をドライブしながらいくのが断然おすすめです。
今回は、高速道路をドライブしてぜひ食べていただきたい名古屋めしをいくつかピックアップして、紹介していきたいと思います。名古屋や名古屋周辺へのドライブや観光の参考にしてみてください。
目次
人気も知名度も抜群な名古屋めし、「味噌カツ」
数ある名古屋めしのなかでも知名度・人気がバツグンなのが「味噌カツ」ではないでしょうか。味噌カツは、トンカツに通常ならソースなどの調味料をかけるところを、味噌ベースのタレをトンカツにかけたグルメのこと。
名古屋市近郊の愛知県岡崎市は、八丁味噌の生産地であり、名古屋めしのなかには味噌を使用したグルメが多数あります。私も、もともとトンカツが好きというのもありますが、名古屋市や中京圏に赴いた際は、味噌カツをいただくことが多く、ほんとに絶品の一品です。
味噌カツのルーツは、戦前から戦後まもなくとされており、ルーツの1つとしていわれている1947年創業の「矢場とん」は、現在味噌カツを提供するお店としてもっとも有名です。また、お店によって味噌ベースのタレの調味料に違いがあり、とろみや味の濃さなどに違いがあるため、食べ比べしてみるのもおすすめです。
高速道路でドライブの場合なら、新東名高速道路の「岡崎SA」に矢場とんが出店しているため、サービスエリアでも味噌カツをいただくことができます。矢場とんがテナントで入っていることにより、私も含めあえて岡崎SAに立ち寄る方も多くいらっしゃいます。
名古屋めしとして同じく有名な、「ひつまぶし」
「ひつまぶし」も味噌カツと並び、名古屋めしとして有名なグルメです。一見聞き慣れない言葉ですが、ひつまぶしとはうなぎの蒲焼を切り分けて、おひつなどに入れたご飯のうえに乗せたもの。
うな重に近い食べ物ですが、うなぎが切り分けられているため、ご飯と混ぜ合わせていただくことも多く、さらに通常の食べ方以外にのりやネギ、ワサビなどの薬味を入れて食べる方法や、お茶漬けにしていただく方法なんかもあり、さまざまに食べ方のアレンジができるのも特徴です。
ひつまぶしの起源には諸説あり、明治時代という説や戦後からという説もあるなか、発祥地も名古屋市説と三重県津市説があるなどさまざまでありますが、戦後には名古屋市の名物として提供されていたとされています。
ひつまぶしで有名なお店は、発祥の1つとされている「あつた蓬莱軒」や、あつた蓬莱軒からのれん分けした店主が提供している愛知県犬山市の「蓬ぜん」などがあり、ひつまぶしを大満足していただくことができます。
濃いめの味噌が人気の「味噌煮込みうどん」
「味噌煮込みうどん」も、名古屋めしの特徴である味噌を使用したグルメです。通常の煮込みうどんに、味噌が濃いめに味付けされた、こちらも人気の名古屋めしになっています。
煮込みうどんらしく、うどん以外にもネギやかまぼこやたまごなど、さまざまな具が入っているのが特徴で、さらに昔ながらの店舗ではかための麺で提供されることが多いです。実際、私もはじめて味噌煮込みうどんをいただいたときは、想像していたより麺がかたく感じ、後になって特徴を知りました。
味噌煮込みうどんの起源は、戦国時代に山梨の武将武田信玄が好んで食べていた、山梨の郷土料理「ほうとう」が、後に徳川家に仕えることになる武田家の家臣によって伝えられ、参考にしてつくられたとされています。
味噌煮込みうどんを提供するお店としては「山本屋」がもっとも有名ですが、「山本屋本店」や「山本屋総本家」をはじめいくつかの「山本屋」が存在しており、事前にしっかりとリサーチしてから行くのがおすすめです。
名古屋発祥の新しいラーメン、「台湾まぜそば」
名古屋めしは年々進化しており、近年発祥して爆発的な人気を得たものもあります。その代表的なものが「台湾まぜそば」です。台湾まぜそばは、名古屋発祥の新しい種類のラーメンです。
ラーメン鉢のなかに、太麺と台湾ミンチをのせ、その他ネギやニラ、卵、魚粉などの具を入れた汁なしの麺で、それらをよくかき混ぜて食べるのがオーソドックスです。台湾ミンチが鷹の爪やニンニクが効いていることから、辛さが際立つ味わいになっています。
(辛いのが苦手な方は、ほとんどの店舗で辛さを抑えたりなくしたりもできます)
もともと2008年に名古屋市中川区に本店をもつ「麺屋はなび高畑本店」で発祥し、2013年の名古屋めし総選挙で準グランプリを受賞。近年は冷凍食品やカップ麺でも販売されるまで人気があがってきました。
台湾まぜそばは、「麺屋はなび」が一番有名ですが、岐阜県中津川市に本店を設ける「麺場花道」など、中京圏にいくつか店舗があります。ぜひ、お気に入りの台湾まぜそばの店舗をみつけてみてください。
地元ならではの喫茶店で堪能してほしい、「小倉トースト」
名古屋めしはガッツリ系グルメだけでなく、朝食やおやつにも食べられる軽食系なものもいくつかあります。その代表的なものが「小倉トースト」です。
小倉トーストは、トーストした食パンにバターやマーガリンをぬって、あずきを乗せたシンプルな食べ物ですが、とてもおいしいと評判で今では全国的に有名になり、名古屋市や中京圏では小倉トースト味のお土産なども数多く販売されています。
もともとは、1921年にとある喫茶店がハイカラブームにのって、バタートーストをメニューに加えたところ、お客さんの1人がトーストをぜんざいにつけて食べるスタイルを店主がみて、それならもとからトーストにあずきをのせてみようと始めたのがきっかけとのこと。
現在ですと、有名カフェチェーン店の「コメダ珈琲店」(名古屋市に本社があります)で小倉トーストが販売されていますが、名古屋市や中京圏の喫茶店のほとんどで、小倉トーストが販売されています。
名古屋や中京圏を訪れた際は、ぜひ地元ならではの喫茶店にて、小倉トーストを堪能していただければと思います。
名古屋めしを食べる際のポイント
名古屋めしを一気に紹介してきました。名古屋めしは、基本的にボリュームの多いものが多いため、はしごして名古屋めしを食べまわるというのは、なかなか難しい面もあります。
なので、自分のなかで食べたいものの優先順位をつけて、食べるものについて調べて実際いただくのがおすすめです。さらに、もし時間と費用が許すなら、何回か名古屋市や名古屋近郊・中京圏へドライブしてみるのもいいでしょう。
名古屋めしをいただくと、それだけで名古屋や中京圏にきたという実感を感じられますし、ほんとにおいしいグルメがたくさん揃っています。期待を持って名古屋方面へのドライブを楽しんでいただけたらと思います。