SNSやブログ、オウンドメディアをビジネスに取り入れる企業も増えており、コンテンツマーケティングに興味関心を持つ事業者も多いだろう。一方で、コンテンツマーケティングとは具体的にどのようなもので、どのようなことをすればいいのか良くわからない人もいるだろう。
そこで本記事では、コンテンツマーケティングがどのようなもので、どのように始めれば良いか、具体的なコンテンツ内容などコンテンツマーケティングのイロハについて解説する。
目次
コンテンツマーケティングとは?
コンテンツマーケティングとは、マーケティング方法の一つの手法で価値あるコンテンツを作成・配信し、有益な情報の発信者であると認識してもらいファンになってもらうものだ。コンテンツという言葉から、YouTubeで動画を配信したり、オウンドメディアで記事を作成・配信したりするものであると考える人もいるだろう。
しかし情報配信の方法は、特定のメディアに縛られない。情報をスマホやWEB上で見る人が多いなか、オンラインメディアを介したものが主流ではあるが、例えば企業のプレスリリースやセミナー、企業説明会などオフラインでの情報発信もコンテンツマーケティングにあたる。
そもそもコンテンツとは?
コンテンツマーケティングでいう「コンテンツ」とは、「人々の興味や関心に寄り添った有益な情報」のことをいう。形式はさまざまで、どれかに限定されているわけではなく以下に示したどれもコンテンツになり得る。
・記事・テキスト:ブログやオウンドメディアサイトなど
・動画:YouTubeなど
・音声:ポッドキャストなど
・画像:写真やイラスト、チャート、グラフ、表、地図など
これからコンテンツマーケティングを始めようという場合には、人々が興味を持って自然にアクセスしてくれる形式や自社がやりやすい形式を採用するとよい。
コンテンツマーケティングか、SEOか?
読者・視聴者を集める点では、コンテンツSEOを思い浮かべる人も多いだろう。ただコンテンツSEOは、インターネット検索からの流入数を増やすことを狙い、Googleなどで検索した際、上位に表示されるようにコンテンツの内容を工夫し作成するものである。そのためコンテンツマーケティングとは似て非なるものだ。
企業の狙いにもよるが、昨今のマーケティングの手法としては、コンテンツSEOよりもコンテンツマーケティングへの注目度が高まっている。なぜ重要視されているのか、その背景を知っておこう。
情報で人を集める
コンテンツマーケティングは「有益な情報」で人を集めるマーケティング方法だ。アクセスしたユーザーにとって価値のある情報を発信してくれる企業と認識してもらい、ファンになってもらうユーザーとの関係構築に重きを置いている。すぐにファンになってもらえるとは限らなくても、一度見てくれたユーザーが情報の内容に対して以下のように感じてもらうことが大切だ。
・あのブログはいい
・あのSNSアカウントは参考になる
・あの会社のメディアは専門性が高い
・あの会社の社長の発信は興味深い
情報提供者があふれるほどいる状況のなか、このように感じてもらえれば次に何かを調べたいときにもキーワード検索ではなく、その発信者のコンテンツに直接アクセスすることが期待できる。
広告費の削減
仕入れ値や人件費などのコストが高騰傾向にあるなか、広告費の削減を要されるようになっている企業も少なくないだろう。その点コンテンツマーケティングでは、コンテンツを作成したり運用したりするための費用は必要だが、テレビや新聞広告、チラシなどの広告に比べると費用は低めだ。短期的に認知されようと思うと広告には劣るものの、中長期的な施策としては費用対効果を期待できるだろう。
広告による人離れの抑制
インターネットサイトを見ているときにポップアップ広告などによって見たい情報が覆われてしまう経験を何度もしたことがある人は多いだろう。その広告による企業の売り込みをわずらわしく思うばかりか、このようなサイトには二度とアクセスしたくないと去っていくユーザーもいるはずだ。このような広告による人離れを抑制するためには、企業独自のコンテンツでファンを獲得することが求められる。
コンテンツマーケティング実践方法
では、コンテンツマーケティングを始める場合にどうすればいいのか。コンテンツマーケティングの始め方について、ステップを追って説明していく。
目的の設定
まずは、コンテンツマーケティングを行う目的を明確にしておきたい。有益な情報で人を集めるとしても、例えば、「見込み客の獲得」「ブランディング」「顧客育成」など、何をゴールに構えるのかを決めておこう。
コンセプト設定
次に、コンテンツ全体のコンセプトを設定する。この発信者が提供する情報が有益であると認識してもらえるように発信の軸を定めておこう。例えば、発信形式としてSNSやオウンドメディア、メルマガなどを複合的に活用する場合、複合的に実施すれば相乗効果が高まり成果につながりやすい。コンセプトを統一しておくことで、どの媒体で配信しても同じ発信者と認識してもらいやすくなる。
ターゲット(ペルソナ)の明確化
目的とコンセプトが設定できたあとは、具体的なペルソナ(人物像)を明確にする。ペルソナとは、コンテンツを発信しようとしているターゲットであり、架空の人物像を作り上げればよい。下記を参考にできるだけ細かく設定しよう。
これは、ペルソナによって適したメディア・媒体、コンテンツのボリューム、配信頻度、配信する時間帯などが異なるからだ。あくまでも、明確化したペルソナに向けてコンテンツを制作および配信するのが目的だ。
メディア選定
続いて情報発信を行うメディアを選定する。前述したようにコンテンツマーケティングは、さまざまな形式の情報発信方法がある。
【オンラインメディアの例】
・コーポレートサイト
・オウンドメディア
・SNS(インスタグラム、Facebook、Twitterなど)
・メールマガジン
・動画(広告、オンラインセミナーなど)
設定した目的、ペルソナ、検索ニーズに合わせ、最も効果的と思われる形式を活用しよう。もちろんいくつかの形式を複合的に活用して配信するのもおすすめだ。
コンテンツマップの作成
メディアの選定まで進めたあとは、コンテンツの作成に取りかかる。コンテンツ作成前には、まずコンテンツマップの作成をおすすめしたい。コンテンツマップとは、内容・構成といったアイデアを簡単に可視化できるようにしたものだ。主軸となる情報をいくつかの大きなカテゴリーに分け、それぞれのカテゴリーを小さなカテゴリーに落とし込んでいく。
コンテンツマップを作成することでコンテンツの内容を全体的に俯瞰でき、配信の順序決めなど計画的な管理も可能になるので効果的だ。
効果測定・改善
コンテンツを配信したあとは、その効果を測定し改善につなげよう。効果測定を行うためのツールは無料で利用できるものもたくさん提供されている。例えば以下のようなツールだ。
・Googleアナリティクス
・Google Search Console
・Twitterアナリティクス
効果を数値で測定することにより分析・改善がしやすくなる。
コンテンツマーケティング成功に向けたポイント
コンテンツマーケティングを実践・成功させるために以下のポイントを確認しておこう。
提供する情報が有益である
そもそも提供する情報が有益でなければコンテンツマーケティングは成り立たない。人々のニーズや課題は多種多様であるため、万人に有益な情報を提供するのは難しいが、目的とするペルソナにとって有益となる情報を配信しよう。
情報にバラエティを持たせる
配信するコンテンツの内容に専門性を持たせることは、ファンを獲得するための大切な要素の一つだ。しかしそもそもコンテンツマーケティングは、有益なコンテンツ内容から発信者へと興味の矛先を変えることにある。特定の内容に特化すればするほどコンテンツ作成に行き詰まりやすくなったり、「面白みのない発信者」と捉えられたりするリスクがある。
配信する情報が自社事業との関連性が薄くてもバラエティのある情報を配信するほうが成功につながりやすいと心がけておこう。
情報にオリジナリティを持たせる
発信者に興味を持ってもらうためには、提供する情報にオリジナリティを持たせることも大切だ。先にも述べたが「情報」および「情報提供者」は、あふれるほどいるのが実情。他社との違いを見せ、その情報がどこから出ているのか意識してもらうことに努めよう。
広告などでアクセスユーザーの邪魔をしない
オンラインコンテンツの場合は、広告などでアクセスしてくれたユーザーの邪魔をしないように心がけたい。もし自分がユーザーの立場であればページを進めるたびに広告で邪魔されると、二度とそのコンテンツを見たくないと思うこともあるのではないだろうか。せっかく有益な情報を配信しても、その努力が水の泡とならないようにユーザーが離れてしまうようなコンテンツ設計は避けるようにしたい。
コンテンツを拡散する
より多くの人にコンテンツを見つけてもらえるようにコンテンツを拡散することも大切とだ。なぜならいくら有益な情報でもコンテンツを見つけてもらわないことには「発信者」の認識どころか情報を確認してもらえないからだ。加えて頻繁な更新にも努めよう。どのような情報も毎日投稿するとそれを習慣としてみる人が必ず増えるものだ。
コンテンツマーケティングでは、質とともに量も必要であることを意識しておこう。
効果的なコンテンツマーケティングのためにアウトソーシングも検討しよう
本記事では、コンテンツマーケティングのイロハについて解説した。スマホなどですぐに情報検索する人が増えているなか、有益な情報を届け、ファンになってもらうコンテンツマーケティングの重要性が増している。コンテンツマーケティングは自社のみで取り組むことも可能であるが、ユーザーの興味関心をひくコンテンツを制作・配信し続けるためには制作ノウハウや運用の知見も必要だ。
コストはかかるが、コンテンツ制作や運用を外部に依頼することも選択肢の一つである。全体の分量や目標、自社ノウハウなどを鑑みながらアウトソーシングを検討してみてはいかがだろうか。