仕事による強いストレスなどが原因で発病した精神障害の2022年度労災請求件数が2683件に上ったことが、厚生労働省がまとめた「過労死等の労災補償状況」で分かった。前年度と比べると337件の増加だった。
支給決定件数は710件で前年度比81件の増加となり、うち未遂を含む自殺の件数は前年度比12件減となる67件だった。
業種別請求件数は、「医療・福祉」624件、「製造業」392件、「卸売業・小売業」383件の順で多く、支給決定件数は「医療・福祉」164件、「製造業」104件、「卸売業・小売業」100件の順で多かった。
職種別請求件数は、「専門的・技術的職業従事者」699件、「事務従事者」566件、「サービス職業従事者」373件の順で多く、支給決定件数は「専門的・技術的職業従事者」175件、「事務従事者」109件、「サービス職業従事者」105件となった。
年齢別では、請求件数は「19歳以下」29件、「20~29歳」554件、「30~39歳」600件、「40~49歳」779件、「50~59歳」584件、「60歳以上」137件。
支給決定件数は「19歳以下」6件、「20~29歳」183件、「30~39歳」169件、「40~49歳」213件、「50~59歳」119件、「60歳以上」20件となっている。
時間外労働時間別(1カ月平均)に支給決定件数を見ると、「20時間未満」が87件で最も多く、次いで「100時間以上~120時間未満」が45件、「20時間以上~40時間未満」が44件だった。
具体的な出来事別に支給決定件数をみると、「上司等から、身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」が最も多く147件、次いで「悲惨な事故や災害の体験、目撃をした」が89件、「仕事内容・仕事量の(大きな)変化を生じさせる出来事があった」が78件の順に多かった。
脳・心臓疾患に関する事案の請求件数は803件(前年度比50件増)、支給決定件数は194件(同22件増)となった。