北海道といえば、ライダーの聖地と言われる場所で、特に夏の北海道は人気が高く、お盆期間となるとフェリーの予約開始とともに空きが一瞬でなくなる…なんてこともよくある競争率の高いエリアです。
北海道は観光やグルメなど魅力がたくさんあり、ライダーだけでなく、旅行先としても常に人気の場所。「この夏は北海道へ行こう!」とすでに計画を練りはじめている方もいるのではないでしょうか。
北海道の観光といえば、冬の雪まつりも有名ですが、旅行のベストシーズンとなるとやはり夏がイチバン! 特にこれからの季節、本州では梅雨を迎えますが北海道は梅雨のない地域といわれており、6~7月は雨の少ない時期となります。夏は首都圏に比べたら気温が上がらず、過ごしやすい気候で、避暑地というイメージもありますよね。
6月下旬頃からはさまざまな高山植物やラベンダーも咲きはじめ、花の見頃も迎えます。夏にしか見られない絶景も盛りだくさんです。
今回は、夏の北海道旅行にオススメの道の駅を紹介いたします。ご当地グルメを食べられる道の駅を選んだので、北海道旅行ではぜひ道の駅グルメを楽しんでいただけたらと思います。北海道まで飛行機で行って、現地からレンタルバイクで巡る1泊2日のモデルコースも紹介しますので、あわせてチェックしてくださいね。
目次
2023年現在、北海道に道の駅はいくつある?
2023年現在、北海道には全部で127の道の駅があります。ちなみに、都道府県別に道の駅数をみると、北海道が全国1位! 2位の岐阜県が56駅、3位の長野県が53駅と、2位の岐阜県を大きく引き離し、倍以上の道の駅があります。
もちろんその分面積は広いわけで、北海道の道の駅を全部回ろうとすると、かなりの時間がかかります。2008年に、私が北海道の『全駅完全制覇認定証』をもらった時は全部で104駅に行きましたが、超弾丸で回っても12日間かかりました。
これまで127の道の駅、全制覇しています!
私は今までに、北海道にある127の道の駅、全て訪問済み! それ以外に、廃駅となってしまった2駅も行っているので、トータルでは129駅を訪れています。
ただ、何度も訪れている場所もあれば、1度行ったきり…という場所もあるので、北海道へ行ったら、しばらく行っていなかった道の駅に立ち寄るようにしています。何年か間が空くと、店やメニューが変わっていたり、新たな名物ができていたりするので、1度だけでなく2度3度訪れても楽しめるんです。
最近はレンタルバイクを活用して、行く方面を決めてピンポイントで短期の旅を楽しんだりもしています。広大な北海道、短い休みで一気に東西南北を網羅するのは本当に大変です。
2021年以降にオープンした道の駅は1駅。リニューアルオープンも続々!
最近では2021年に士別市に「羊のまち 侍・しべつ」が新しくオープンしました。道北エリアにある士別市はサフォークラムが有名なまちで、道の駅ではサフォークラムのラムチョップなどが食べられます。
新規オープンのほか、2022年以降はリニューアルした駅も多く、「ぐるっとパノラマ美幌峠」は “地域を食べる”をコンセプトに1階部分が一新。「おとふけ」は移転して建物が新しくなり、ご当地グルメが充実の道の駅に生まれ変わりました。
最近では「ウトナイ湖」が改修工事を終えて2023年3月にリニューアルオープン。館内のレイアウトが変更されたほか、キッズスペースや屋外にテイクアウトコーナーができたそうです。
新たなご当地グルメを味わえるようになったリニューアルオープンの道の駅。訪問するのが今から楽しみです!
北海道の人気道の駅ランキングには入ったことはないけど、この道の駅おすすめです
『北海道じゃらん』2023年4月号で、北海道の「道の駅ランキング2023」が発表されました。
今年度版で人気満足度が1位だったのは、「うとろ・シリエトク」。2位が「みそぎの郷 きこない」、3位が「おとふけ なつぞらのふる里」、4位「かみしほろ」、5位に「なないろ・ななえ」と「遠軽 森のオホーツク」が入りました。
3位には移転リニューアルした「おとふけ」が選ばれています。注目度の高さが伺えますね。ほか、ランキングした4駅は、毎年人気の道の駅です。地域の魅力が詰まっていて、その土地ならではのご当地グルメが味わえたり、お土産品が充実していることが、人気の大きな理由となっていると思います。
北海道の「道の駅ランキング2023」
第1位:うとろ・シリエトク|道東
第2位:みそぎの郷 きこない|道南
第3位:おとふけ|道東
第4位:かみしほろ|道央
第5位:遠軽森のオホーツク|道東
第5位:なないろ・ななえ|道南
第7位:ピア21しほろ|道東
第8位:田園の里うりゅう|道央
第9位:くろまつない|道央
第10位:あびら D51ステーション|道央
ただし、このほかにも地域の魅力満載の道の駅はたくさんあります。ランキングには入りませんでしたが、私オススメの道の駅をいくつか紹介したいと思います。
北海道のオススメ道の駅、特産のタラコがそのまま一本!「しかべ間歇泉公園」
北海道南部の太平洋に面する鹿部町にある道の駅で、「海の幸」と「温泉」を楽しめる場所となっています。以前『ユニークな魅力を持つ全国の道の駅7選』で間歇泉について書きましたが、今回はご当地グルメの方にスポットを当てたいと思います。
道の駅の食堂で1番人気が「プレミアムたらこ御膳」。特産品の鹿部たらこがご飯の上に1本丸ごとのっています。たらこは塩分控えめで、やさしい味わい。豪快なたらこご飯には、注文を受けてから炊き上げてくれる日替わりの地魚の煮付けがついてきます。お米はブランド米の「ふっくりんこ」を使用し、海鮮味噌汁も付く超お得なセットです。
休日は開店とともに列ができる人気の食堂。早めの時間が狙い目です。
道の駅には食堂のほかにも、手作り惣菜が人気のおかず屋、売店で買った食材を蒸し釜で調理して食べる「温泉蒸し釜」など、ご当地グルメが盛りだくさん。
食事のあとは、全国でも珍しい高さ約15mまで自然の力で吹き上がる間歇泉を見学したり、間歇泉の温泉を利用した足湯でリフレッシュしたりと、いろいろ楽しめる道の駅となっています。
道の駅「しかべ間歇泉公園」(鹿部町)
・施設情報ページ:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/detail/donan/post_116/
・公式HP:https://shikabe-tara.com/
・道南エリアの道の駅一覧:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/donan/
北海道のオススメ道の駅、ご当地グルメが満載「あいおい」
道東の山間部、自然豊かな場所にある道の駅なのですが、手打ちソバ、手作り豆腐、オリジナルスイーツと、ご当地グルメが充実! ワタシ的には北海道の道の駅の中でも、オススメ度が高い駅となっています。
道の駅名物は「クマヤキ」というかわいいクマの形をした今川焼き風のスイーツ。道産小麦と自家製豆乳などを使用したふわふわの生地の中に、たっぷりと中身が入っていて、粒あん入りの「クマヤキ」生クリーム入りの「ナマクマ」など全部で4種類がラインナップ。休日には列ができる人気のスイーツです。
道の駅のそば処では、希少な「摩周そば」を使った手打ちの十割ソバが食べられます。豊かな風味でコシが強くノド越しも抜群! 挽きたて・打ちたて・茹でたての「三たて」そばが食べられます。人気の「相生そばセット」は、十割ソバに道の駅内の工房で手作りされる豆腐・がんも・厚揚げが付くセット。豆腐は大豆の風味が濃厚です。豆腐類やそばは物産販売所で販売もしています。
さらに、地元産のオーガニック牛乳を使用したソフトクリームもオススメ。食事からスイーツまで、ここならではのグルメを楽しめる道の駅となっています。
道の駅には旧国鉄北見相生駅を利用した鉄道公園が隣接。昭和の雰囲気が残る駅舎やホーム、線路には列車が展示されていて、木々の多い公園はリフレッシュにオススメのスポットです。
道の駅「あいおい」(津別町)
・施設情報ページ:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/detail/doto/post_81/
・道東エリアの道の駅一覧:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/doto/
北海道の道の駅で味わえるおすすめのグルメ~その1~
北前船 松前の「松前岩のりだんだん」
北海道最南端の松前町にある道の駅で食べられるのが、希少な「松前岩のり」を使ったのり段重です。ご飯と醤油をたらした岩海苔を2段重ねにしたお重で、この地方の郷土料理だそう。
極寒期に手摘みで採った天然岩のりを板状に天日干したもので、シャキシャキとした海苔の食感と、口の中に広がる風味が抜群! 海苔の中ではダントツの味わいで、食べたときは感動モノのおいしさでした。ご飯と岩海苔だけのシンプルな料理ながらも極上の一品です。
岩のり段重のお供には、松前発祥の郷土料理「松前漬け」もぜひ! こちらでいただける松前漬けは自家製で、スルメイカと昆布のみで作った昔ながらの松前漬けです。売店でお土産にも購入できます。
海岸沿いに建っているため眺めの良い道の駅としても人気。建物裏にあるテラスからは津軽海峡や、津軽半島を望め、天気の良い日には青森県にある岩木山が見えることもあるそうです。
道の駅「北前船 松前」(松前町)
・施設情報ページ:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/detail/donan/post_106/
・公式HP:http://michinoeki-matsumae.jp/
・道南エリアの道の駅一覧:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/donan/
北海道の道の駅で味わえるおすすめのグルメ~その2~
おだいとうの「別海ジャンボホタテバーガー」別海牛乳セット
北海道東部にある別海町のご当地グルメ「別海ホタテバーガー」。全国ご当地バーガーグランプリで初代1位を受賞したこともある絶品バーガーで、地元のパン屋が焼く水の代わりに別海牛乳を使ったバンズを使う、日本一の大きさの野付産のホタテを使う、3種類のソースを用意する…など、いくつかルールがあるそうです。別海町の飲食店のほか道の駅レストランでも食べることができます。
バンズには野付産の2Lサイズのホタテを使った春巻きと3種類のソース、手作りのマリネが挟まっています。春巻きの皮で大きなホタテの貝柱が丸ごと包まれていて、ジューシーなホタテとパリパリとした皮の食感が◎。ジョッキの別海牛乳がセットになっているのが特徴だったのですが、現在は三角の牛乳パックで提供されているとのこと。
別海町は生乳生産量日本一の町ということで、道の駅では「べつかいの牛乳屋さん」を使用したソフトクリームも味わえます。さっぱりとしたミルク味でこちらも絶品! 野付湾や野付半島を見渡せるカウンター席で、ご当地グルメを楽しめます。
道の駅「おだいとう」(別海町)
・施設情報ページ:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/detail/doto/post_112/
・道東エリアの道の駅一覧:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/doto/
北海道の道の駅で味わえるおすすめのグルメ~その3~
ほっと♡はぼろの「えびしおラーメン」
エビ好きの方にぜひ食べていただきたいのが、この「えびしおラーメン」。特産の甘エビを使ったエビ尽くしのご当地グルメです。
羽幌町は、日本でも有数の甘エビの産地。その特産の甘エビをふんだんに使用したラーメンは、甘エビと鶏ガラを使った塩味のスープでエビの風味が濃厚です。麺の上には甘エビの唐揚げ、えびタコ餃子がトッピングされ、甘エビの殻から作った特製のエビ粉とエビ油で風味がさらにアップ。サイドに生甘エビも付いてくるという、まさにエビ尽くしの一品!
地元産の小麦「春よ恋」100%でつくられた麺は、中細の縮れ麺でスープがよく絡み、小麦の味わいもしっかりと感じられます。
えびしおラーメンは道の駅に併設する「はぼろ温泉サンセットプラザ」のレストランで食べられます。ほかにも「羽幌えびタコ焼き餃子」や甘エビ丼などの、甘エビ料理が味わえます。
ホテル内にある温泉は日帰り入浴が可能。ナトリウム塩化物強温泉のしょっぱいお湯で身体がよく温まります。道の駅には見学無料の「はぼろバラ園」も併設。6月下旬~10月下旬にかけて、世界のバラ300種以上、約2000株のバラが咲きます。
道の駅「ほっと♡はぼろ」(羽幌町)
・施設情報ページ:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/detail/dohoku/haboro/
・道北エリアの道の駅一覧:https://www.mobilitystory.com/michinoeki/dohoku/
道の駅数全国1位の北海道、ワタシ流・道の駅の回り方
無駄がないよう基本、なるべく一筆書きで道の駅を回るようにしています。昨年、旭川でレンタルバイクを借りての1泊2日道の駅旅を、簡単に紹介いたします。
旭川空港から1泊2日で巡るおすすめコース
【1日目】
旭川空港発
↓ 車で約60分
B 道の駅「絵本の里けんぶち」
↓ 車で約15分
C 道の駅「羊のまち 侍・しべつ」
↓ 車で約20分
D 道の駅「もち米の里☆なよろ」
↓ 車で約35分
E 道の駅「びふか」
↓ 車で約20分
F 道の駅「おといねっぷ」
↓ 車で約60分
G 道の駅「てしお」
↓
H オロロンライン
↓
稚内市内泊
【2日目】
稚内市内発
↓
A 大規模草地放牧場
↓ 車で約15分
B トナカイ観光牧場
↓ 車で約45分
C 道の駅「なかがわ」
↓ 車で約30分
D 道の駅「おといねっぷ」
↓ 車で約60分
E 道の駅「羊のまち 侍・しべつ」
↓ 車で約60分
F 道の駅「とうま」
↓ 車で約30分
旭川空港
ヘルメット、ジャケットを持って飛行機で旭川空港へ。旭川市街でレンタルバイクを借りて出発。初訪問の「羊のまち 侍・しべつ」と「おといねっぷ」の音威子府そばを食べることが旅の目的です。
1日目は国道40号を北上しつつ道の駅に立ち寄りました。初訪問の「羊のまち 侍・しべつ」では、お目当てのサフォークラムのラムチョップで早めの昼食。午後に「おといねっぷ」に到着すると、食堂は閉店後。お土産用の音威子府そばもすでに完売。そのためこの後の予定を急遽変更することに。
そのまま国道40号で稚内に向かう予定でしたが、道道119号経由で日本海側のオロロンラインへ。電線もガードレールもない原野の中を通る道で、道北へ来たら必ず走りたい道。北海道らしいまっすぐな道と、風力発電のプロペラが立ち並ぶ「オルントイ風力発電所」や北緯45°のモニュメントが見どころです。
2日目は本来の計画ではオロロンラインを南下して旭川に戻る予定だったのですが、前日とルートを入れ替えたので、稚内から内陸を通る国道40号で南下します。途中、広域農道に寄り道し、広大な牧場の風景を満喫。トナカイ観光牧場では、トナカイを見ての癒しタイム。
「おといねっぷ」で前日に食べ損ねた音威子府そばを堪能。2022年8月で音威子府そばの製麺所が廃業となり、この時が食べられる最後のチャンスだったのです。だから最後にどうしても食べたかった、というわけです。
帰りがてら「羊のまち 侍・しべつ」に寄って、気になっていたサフォークラムのソーセージをお土産に購入しました。
一部区間、重複するルートになってしまいましたが、その分帰りは行きに立ち寄った道の駅をスルーして、ほかの観光ができたので、結果大満足の充実の旅となりました。
1回では回りつくせない北海道の道の駅、何度も訪れてお気に入りを見つけてみて
広大な北海道。一気に1回で道の駅を回るとなると長期の期間が必要となるので、道北、道東・道南・道央と、エリアごとに分けて回るのがオススメです。駆け足の旅も内容盛りだくさんで悪くないですが、やはりせっかく北海道へ行ったなら、ゆっくりと見て回るのがイチバンです。
地図上で見ると道の駅間の距離が遠くないと思っても、実際に走ってみると思っていたより遠かった、なんてこともあり、大慌てて回ったということもありましたのでお気を付けて! 何度も訪れて、みなさんもお気に入りの道の駅を見つけてくださいね。
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