Yahoo!はインターネットサービスを提供する企業だ。検索エンジンサービスを誰もが一度は利用したことがあるだろう。100以上のサービスを提供していることで有名だが、成功要因は何なのだろうか。本記事では、Yahoo!が成功した要因と人材戦略、中小企業経営に生かせるポイントなどについて解説する。

巨大企業Yahoo!が持つ中小企業にも役立つ3つの成功の要因
(画像=ink drop/stock.adobe.com)

目次

  1. Yahoo!はどこに価値を置くか? 成功の大きな理由3つを簡単に解説
    1. 明確なミッション・ビジョン・ステートメント(MVS)
    2. ユーザー体験の徹底的な追求
    3. サービス同士の連携強化
  2. Yahoo!の人材戦略
    1. Yahoo!の経験学習システム
    2. クリエイター活動支援制度「My Polaris」
  3. Yahoo!の成功を中小企業経営に活かすには?
    1. 顧客体験を理解する
    2. パートナーシップを築く
    3. 人材育成も戦略的に行う
  4. Yahoo!の成功を参考に人材を育成し事業を展開しよう

Yahoo!はどこに価値を置くか? 成功の大きな理由3つを簡単に解説

Yahoo!が成功した要因はさまざまあるが、中小企業経営者にも参考となる3つの理由を簡単に説明する。

明確なミッション・ビジョン・ステートメント(MVS)

Yahoo!は「情報技術のチカラで、日本をもっと便利に。」というミッションのもと、分かりやすくメッセージ性の強いビジョンやステートメントを掲げている。

明確なMVSが示されることで社員の行動指針も定まり、ユーザーもYahoo!がどのような会社でありたいのかを理解できるというメリットがある。

ユーザー体験の徹底的な追求

Yahoo!といえば検索エンジン「Yahoo! JAPAN」を主軸としたインターネットサービスを提供しているが、サービス開発にあたってはユーザー視点での使いやすさを追求し、画面のデザインやフローを設計している。

ユーザーが使いにくさや分かりにくさを感じて離脱してしまわないように、サービスリリース前にユーザー視点でのチェックを重点的に行なっている。

サービス同士の連携強化

Yahoo!はインターネットを利用したサービスを主軸に、「メディア事業」「コマース事業」「金融事業」など100を超える多様なサービスを展開し、連携を強化している。

ポータルサイトから即座にYahoo!ショッピングなどのコマースサービスに移動し、決済では電子決済のPayPayが使えるため、ユーザーは不自由なく一連のサービスを利用できる。

Yahoo!の人材戦略

Yahoo!が特に力を入れているのが人材戦略であり、「人財開発企業」たるために積極的な人材育成に取り組んでいる。

Yahoo!の経験学習システム

Yahoo!では自社特有の人材育成の仕組みを「経験学習システム」と名付け、社員の育成や評価のための制度を設計している。

特に「1on1ミーティング」は他社に先駆けて2012年から行っており、部下の話を聞くことを目的として週1回30分実施している。

他にも役職者の360度評価制度である「ななめ会議」、社員が自己理解を深めるために作成する「人材開発カルテ」など、さまざまな取り組みを通して「経験学習」を促している。

クリエイター活動支援制度「My Polaris」

Yahoo!では、基幹サービスである検索エンジンに関わるITエンジニアの育成には、特に力を入れている。

「My Polaris」では、エンジニアやデザイナー支援のために以下の3つを含めた計6つの支援を行っており、継続的な技術力の発展に寄与している。

技術活動費用補助(TechUP):半期6万円を上限に、社員の自己啓発の支援金を支給
黒帯制度:突出したスキルを持つ人材を黒帯認定し、年間100万円の活動予算を支給
社会人ドクター進学支援制度:博士課程(理系)の進学費用を奨学金として給付

Yahoo!の成功を中小企業経営に活かすには?

Yahoo!の成功要因を中小企業経営にすぐに落とし込むのは難しいが、3つのポイントに着目し、少しずつ経営に取り入れてみよう。

顧客体験を理解する

Yahoo!はユーザーファーストを重要視しており、自社サービスと顧客の接点や利用状況を分析することで顧客体験の理解を図り、サービスの利便性のさらなる向上を目指している。

顧客満足度の高い商品やサービスを提供するためには、顧客の行動や心理面の理解が必要だ。ただ商品やサービスを提供するだけでなく、アンケートなどを通して顧客の思いを直接入手することは、基本的ながら欠かせないだろう。

パートナーシップを築く

Yahoo!は自社だけの技術開発やカスタマーサポートにこだわり過ぎず、テクニカルパートナーやセールスパートナーとの連携によって、ユーザーのサービス利用満足度を高めている。

デジタル化が進んで市場の変化が早い状況下では、中小企業は自社が持つ技術や情報だけで事業展開するのは困難だ。自社事業と親和性の高い他社との協業や専門家の協力を得るなどして、シナジー効果を生かしたビジネス展開も視野に入れるべきだ。

人材育成も戦略的に行う

中小企業は大企業に比べて人材採用を積極的に行えるわけではないため、限られた人材をうまく育成することが重要だ。Yahoo!の経験学習システムのように、人材育成にも戦略的に取り組み、積極的に研修を実施し社員の自己啓発を支援するような制度を設計することなども欠かせないだろう。

まずは社員の特性を把握し、社員ごとの育成プランを練った上で計画的に実施し続ける姿勢が求められる。

Yahoo!の成功を参考に人材を育成し事業を展開しよう

Yahoo!を成功に導いた要因には、インターネットサービスを軸とした多様ながらもユーザーファーストを前提にした連携がしっかりと取れた事業展開、人材戦略などが挙げられる。

特に、「人財」の開発を目標とした経験学習システムやクリエイター支援制度は、社員の成長意欲を高め、モチベーション向上にもつながっている。

中小企業経営でも、ユーザーファーストの深掘りや人材育成制度の整備は参考になることが多いだろう。無理なく、できることから自社の活動に展開してほしい。

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文・隈本稔(経営・キャリアコンサルタント)

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