日本各地に存在する温泉地は、日本ならではの文化であり、日本人ならどなたでも好きなスポットです。これまで、温泉を中心に栄えてきた街もいくつかあり、今日も温泉を観光のメインに展開している地域もあります。
そして私の地元山梨県も、山々の麓を中心に温泉地がいくつか存在します。山梨県の温泉は、地元の方だけでなく県外にお住まいの方にも人気があります。
山梨県は、意外にも首都圏から近く一部東京都と隣接していることもあり、東京駅から山梨県の中心地である甲府市の甲府駅まで約134kmの距離のため、順調であれば車で約2時間弱でアクセスできます。
さらに山梨県は、東京の高井戸を起点とする中央自動車道(以下 中央道)がつながっており、中央道を主要ルートに、中央道富士吉田線や中部横断自動車道(以下 中部横断道)も通っているためアクセスがよく、都心からなら日帰りで温泉を楽しむことも可能です。
今回は、私の地元山梨県のみなさんにぜひおすすめしたい温泉地をいくつか紹介いたします。山梨の観光と合わせて、ぜひ温泉の旅を楽しんでいただけたらと思います。
目次
青空温泉として有名になった「石和温泉」
山梨県の温泉地で一番有名なのが「石和温泉(いさわおんせん)」ではないでしょうか。石和温泉は、甲府市の東側の笛吹市にある温泉地で、山梨県内で最大規模をほこる温泉地です。
歴史は意外と新しく、戦前よりぶどう畑栽培用の井戸を掘っていた農家の方々から、温泉があるのではと噂されます。そして、戦後に本格的に温泉の掘り当てがさかんになり、1961年に大量の温泉が湧出し、即席の露天風呂である「青空温泉」として、全国的に有名になりました。
全盛期には静岡県の熱海に次ぐ、120軒を超える宿泊施設が存在しており、現在は50軒前後の温泉施設が営業している他、郊外に健康ランドやビジネスホテルも建設されています。
泉質はアルカリ性単純泉で、無色無臭が基本ベースですが、若干硫化水素臭がすることもあります。神経痛・筋肉痛・関節痛・打ち身などに効果があります。
石和温泉の周辺には、ぶどうが有名な勝沼やももが有名な一宮などの観光スポットもあります。ぜひ、ぶどう狩りやもも狩りやワインなども合わせて楽しんでいただければと思います。
都心から車で約1時間30分「富士河口湖温泉郷」
観光地として有名で人気のある富士山の麓、河口湖にも温泉があり、観光客の方々に人気があります。富士登山や河口湖周辺の観光と合わせて、温泉を楽しむ方が多くいらっしゃいます。
歴史は浅く、1992年に河口湖の北岸に開湯され、もともと観光地として人気があったため温泉地としても、瞬く間に人気がでました。現在は、50軒以上の温泉宿が営業しています。
富士河口湖温泉郷には5つの源泉があり、それぞれで泉温や泉質が異なるのが特徴で、温泉によって違いが楽しめます。そして、温泉からは河口湖や富士山の景色を一望できるところが多く、絶景のなかの入浴も、人気のポイントです。
河口湖は、中央道富士吉田線が通っておりアクセスしやすく、東京駅から車で約1時間30分ほどで到着できるため、観光と日帰り温泉を楽しむのに、もってこいの場所です。
車でドライブなら、河口湖以外にも周辺の山中湖や鳴沢などの観光スポットも周ることができます。山中湖にもいくつか温泉があり、なかには雄大な富士山をみることができるところもあります。
甲府の周辺観光と一緒に楽しむのがオススメな「湯村温泉」
甲府市は山梨県の中心地であり、県庁所在地でもある街です。そんな甲府市にも「湯村温泉(ゆむらおんせん)」という有名な温泉地があります。湯村温泉は、甲府市の北側に位置しており、甲府市北部の主要路線隣っている「山の手通り」には、温泉旅館が多く建ち並んでいます。
湯村温泉は、山梨県内でも屈指の歴史ある温泉地で、古くは平安時代に弘法大師(空海)が東北巡航の帰りに、当時の山梨県の地を訪れ開湯したという説があります(開湯の説はさまざまあるようです)。また、かの戦国武将の武田信玄の隠し湯としても記録が残っており、戦で負傷した兵を癒やしていたとされています。
泉質は、ナトリウム・カルシウムー塩化物泉やナトリウムー塩化物泉で、弱アルカリ性になっています。宿泊用の温泉がほとんどですが、なかには日帰り入浴も可能なところもあります。
湯村温泉は、甲府市北部に位置することから、甲府市街地からもほど近く、甲府の街並を楽しむことができる他、湯村温泉の北部には景勝地として有名で日本一の渓谷美といわれている「昇仙峡」も近いので、ぜひ温泉とともに訪れていただきたいスポットです。
電車でも、新宿駅発の特急で1本で甲府駅にたどり着けますが、昇仙峡などの観光地と湯村温泉を合わせて楽しむなら、断然車でドライブしながらがおすすめです。
知る人ぞ知る名湯?「下部温泉」
甲府市の南部、河口湖から西に位置する下部という地域も「下部温泉(しもべおんせん)」という温泉地があります。下部温泉は、前述の3つの温泉地にくらべると知名度は低めですが、知る人ぞ知る名湯になっています。
下部温泉は、平安時代に熊野三山に祀られている熊野権現が出現して開湯したといわれており、戦国武将では、武田家の武将である穴山氏によって再興され、こちらも「武田信玄の隠し湯」だったといわれています。この地にゆかりのある鎌倉時代の日蓮が湯治を行い、戦国武将の徳川家康も下部温泉に入浴したとされています。
泉質は、温泉によりまちまちですがほとんどのところが、単純温泉かアルカリ性単純温泉となっています。全体的に泉温が低めで、疲労回復や外傷、火傷、リウマチなどに効果があります。
鉄道ではJR身延線が通っており、かつては「下部駅」として運用されていましたが、1991年12月に温泉地として有名なことから、「下部温泉駅」に改名された経緯があります。
また、先ほど日蓮にゆかりがあると記述しましたが、下部温泉の南に位置する身延という街に日蓮宗総本山となる「身延山久遠寺」があり、身延山とともに観光スポットとなっています。
山梨の観光と温泉地巡りをぜひ満喫してみてください
山梨県は、日本一標高の高い山である富士山をはじめ、北側には日本第二位の北岳や八ヶ岳などの有名な山々に恵まれた土地であります。そのため、温泉事業も非常にさかんな地域となっているのです。
電車でもある程度観光巡りしながら温泉を楽しむことができますが、道中の景色を楽しみながら効率よく観光して温泉につかるなら、やはり車でドライブしながらが断然便利でおすすめです。
山梨県の道は、国道でもくねくねしたいわゆる山道になっているところが多く、季節によって移り変わる山々の色合いを楽しみながら、ゆっくりのんびりドライブすると、満足して楽しめます。
また、山梨の郷土料理である「ほうとう」をはじめ、河口湖近郊の富士吉田市名物の「吉田うどん」などのご当地グルメを味わうのも、合わせて楽しんでいただくと、より満足していただけます。
首都圏からなら、日帰り旅行あるいは1泊2日で観光スポットと温泉地を巡りながらドライブすれば、きっと思い出に残るドライブになること間違いありません。ぜひみなさん、山梨で素敵な旅の思い出をつくってみていただければと思います。
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