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亡くなった人(被相続人)が残した借金(債務)や葬式費用を相続人が負担した場合、相続財産から差し引かれることになります。

このような債務、葬式費用について、詳しくご説明いたします。

債務や葬式費用に関する必要書類チェックリスト

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以下に、債務として認められるものと葬式費用として認められるもの、それぞれについて注意点を含めて解説します。

債務として認められるもの

被相続人が、生前に残した借金に対して、被相続人の死亡後、相続人が代わりに支払った場合、その支払った金額を相続財産から差し引くことができます。

なお、被相続人の借金であれば、被相続人の死亡から預金凍結までに、預金口座から引き落とされた金額も上記の金額に含めることができます。

ただし、被相続人に債務があることを証明する書類などが必要です。

例えば、金銭消費貸借契約書、借入金の残高証明書、返済予定表、所得税青色申告決算書、賃貸借契約書などです。

このうち、所得税の青色申告決算書がある場合には、添付されている貸借対照表や決算書などの内容を確認します。

その中に、買掛金、未払金、借入金などがあれば、それも債務になります。

また、不動産などの賃貸借契約書があって、第三者に貸していた場合、預り敷金や保証金も債務になりますので、十分確認しなければなりません。

なお、被相続人が亡くなった後、相続人が代わって確定申告(準確定申告)を行いますが、この手続きの結果、相続人が被相続人の代わりに支払った所得税も債務となります。

また、被相続人が固定資産税や住民税を未払いだった場合には、債務にあたります。

固定資産税は、その年に1月1日時点で被相続人が所有している土地や家屋などの不動産に課税される税金です。

住民税は、1月1日時点で、1年分を住民票がある市区町村に納めるべき税金です。

どちらも、被相続人が亡くなった後でも、被相続人に納める義務が生じますから、債務になります。

ただし、被相続人が亡くなった時点で、納税通知書が届いていないことになりますから、具体的な金額などは、市区町村役場に問い合わせる必要があります。

葬式費用として認められるもの

被相続人が亡くなった後、葬式費用を相続人が負担した場合には、相続財産から差し引くことができます。

通常でしたら葬式費用は相続財産の対象となりませんが、被相続人が亡くなれば、被相続人名義の預金口座が凍結されますから、預金を引き出すことができず、いったん相続人が葬式費用を負担することになります。

そして、相続人で遺産分割協議を行う際に、相続人が支払った葬式費用を相続財産から差し引くという作業を行うのです。

なお、葬式費用に含まれるものは、通夜・葬儀・告別式の費用、お寺に支払った読経料・戒名料・お布施などです。

また、通夜や告別式の際の飲食代、参列者への改装御礼、手伝ってくれた人への心づけなども含まれます。

さらに、火葬・埋葬・納骨の費用、遺体・遺骨の運搬費用、遺体の解剖費用なども含むことになります。

ただし、葬式とは直接関係のない初七日、四十九日などの法要にかかる費用、香典返しの費用、お墓、仏壇の購入費用は、含まれません。

葬式費用に該当するものについては、葬儀社などから発行される領収書や明細書を保存しておきます。

ただ、お寺に支払う読経料など、領収書を発行してもらうことが難しいものについては、メモを残しておきます。

このメモには、支払日、支払金額、支払内容、相手の名前など、できるだけ詳しく記載しておき、相続税の申告の際に、申告書に添付できるようにしましょう。

なお、この葬式費用について、いくつか注意点を申し上げます。

まず、葬式費用を相続人や包括受遺者でない人が、葬式費用を代わりに支払っても、その金額を相続財産から差し引くことはできません。

この包括受遺者とは、相続人以外の人で、被相続人の財産の全てを受け継ぐ権利がある人のことを言います。

ですから、他に相続人がいて、被相続人が書いた「遺言書」に、「特定の財産を○○に遺贈する」旨がある場合、その○○さんが相続人でないのに、代わりに葬式費用を肩代わりしても、その金額を相続財産から差し引くことはできないということです。

一方で、相続人や包括受遺者以外でも、相続放棄して相続人ではなくなった人や相続権を失った人が葬式費用を肩代わりした場合には、相続財産から差し引くことが認められています。

ただし、これらの人たちの場合は、あくまでも葬式費用だけであり、債務を負担しても相続財産から差し引くことはできません。

また、かなりレアなケースかもしれませんが、もし被相続人が死亡時に外国にいた場合には、相続人などが葬式費用を肩代わりしても、相続財産から差し引くことができません。

そして、債務についても、一部しか差し引けないことになっています。

このようなケースは、税理士や税務署に確認しましょう。

まとめ

被相続人が残した債務や葬式費用を相続人などが支払った場合、相続財産から差し引くことができます。

ただ、相続税の申告の際に必要となりますから、可能な限り領収書や明細書などを集めておきましょう。

(提供:相続サポートセンター