便利で快適な高速道路ですが、高速道路を乗り降りする際は必ずインターチェンジ(以下 インター)を利用することになります。あたり前ではありますが、高速道路を利用するには一般道でインターまで走行する必要があります。
インターの設置場所は、都市部だったり観光地だったりさまざまな理由がありますが、基本的にはより多くの方が利用しやすいところへ設置されています。都市部のインターは、その都市の主要駅周辺に設置されていることが多く、高速道路のインターと駅がセットになって街づくりされているところもあります。
その一方で、みなさんもご存じの都市がインター名に使用されながら、中心地となる主要駅までの距離が長いところもあります。これについては、正直高速道路に詳しい方やその地域に精通している方でないとわからず、高速道路のインター=駅や中心地に近いというイメージがみなさん強いため、実際そのようなインターを利用すると高速道路を降りてからの時間と距離が長く感じます。
高速道路のインターから中心地までが遠いところの理由はさまざまありますが、まずは有名どころでは、どのようなインターが中心地から遠いのかいくつかお話ししていきます。
目次
同じ名古屋市内でも距離が離れている東名「名古屋IC」
愛知県の中心地であり中京圏の中心都市である名古屋市は、日本全国でも4番目の人口規模の都市です。新幹線の駅もあり、多くの方がいったことがあるであろう街の1つになります。
そんな名古屋市には、東名高速道路(以下 東名)の「名古屋IC」が設置されています。日本の大動脈である東名のなかでも、主要なインターです。
その名古屋ICから中心地となる名古屋駅までは、約13kmほど距離があり、一般道で順調に走行しても30分ほどは時間がかかります。私も、実際名古屋IC〜名古屋駅まで走行したことがありますが、他の都市にくらべて離れている感覚が強かったです。
実際、名古屋ICは名古屋市名東区に、名古屋駅は名古屋市中村区に所在地があり、名古屋市ほどの大都市になると都市規模の面積が広いため、同じ市の名称が使用されていても、距離が離れていることがあるのです。
もっとも、名古屋市は名古屋高速とよばれる都市高速が通っており、名古屋ICからも名古屋高速に接続しているため、名古屋高速を利用すれば名古屋駅近郊までいくことができます。ただ、このことも知っていないと利用時に戸惑ってしまう可能性もあり、利用の際気をつけないといけないところです。
横浜市の中心地から離れている東名「横浜町田IC」
東名は東京都世田谷区の「東京IC」を起点に、多摩川を渡りすぐに神奈川県へと入ります。神奈川県に入ると、川崎市・横浜市と神奈川県内はおろか全国でも有数の都市になり、この区間は多くの方々が利用されます。
そんな横浜市には「横浜青葉IC」と「横浜町田IC」が設置されています。横浜青葉ICは、横浜市青葉区に所在地がある、横浜市北東部と接続するためのインターチェンジです。横浜町田ICは、1997年に横浜青葉ICが設置されるまでは「横浜IC」という名称だったことからも、横浜市中心地と密接したインターだと感じます。
ただし、東名が横浜市の北部を通っていることから、横浜町田ICから横浜市の中心地となる横浜駅までは約18kmの距離があり、名古屋同様時間と距離がかかります。
横浜町田ICからは、日本一交通量の多いバイパスとよばれる保土ヶ谷バイパスが通っていたり、横浜青葉ICからは首都高が接続していたりするため、これらの高規格道路を利用することにより、東名のインターと横浜中心地の移動をすることになります。
首都高の浦和南ランプと間違えないようにも注意したい東北道「浦和IC」
埼玉県の浦和というと、かつては埼玉県の県庁所在地であった浦和市が存在していましたが、大宮市と与野市、後に岩槻市と合併してさいたま市となり、現在はかつての浦和市の地域は、主に浦和区として存在しています。
そんな浦和には、埼玉県川口市の「川口JCT」を起点とする東北自動車道(以下 東北道)の最初のインターが設置されています。所在地としては浦和区の東側の緑区になりますが、かつては浦和市の地域だったため、そのまま名称が使用されています。
浦和インターは浦和区より東側ということで、浦和区の中心地となる浦和駅・南浦和駅・武蔵浦和駅などからは10km前後離れており、順調にいけても30分くらいかかってしまいます。
東京都心方面から浦和中心地へは首都高埼玉大宮線の「浦和南ランプ」が最寄インターとなり、浦和南ランプから浦和中心地までは5km圏内となっています。東北道の浦和ICと首都高の浦和南ランプは、かなりかけ離れた位置に設置されているため、間違えないようにしたいところです。
国道16号の混雑も気にしたい常磐道「柏IC」
常磐自動車道(以下 常磐道)は埼玉県三郷市の「三郷JCT」を起点に、すぐに千葉県に入り、千葉県では流山市や柏市などの北部の都市を通ります。そんな柏市に設置されているのが「柏IC」です。
一見、柏市の中心地となる柏駅に近そうにみえますが、常磐道が通っているルートの関係上、柏ICは柏市の北端で野田市との境目に設置されております。
ただ、柏ICから柏駅までは7kmほどと、ここまで紹介した他のインターにくらべると短いのですが、柏インターから柏駅へいくための主要ルートとなる国道16号線が、とにかく渋滞が多発するため、どうしても時間が必要となります。
柏市の北側にあることで、逆に千葉県の野田市や埼玉県の春日部市には行きやすくなってはいるものの、柏という名称がインター名で使われていることからも、やはり柏市の中心地までの所要時間が短いほうが、多くの方にメリットがあると感じます。
中央自動車道八王子ICを利用した方が早い場合もある圏央道「相模原IC」
圏央道は東京都心から約40〜60kmを環状線で結ぶ高速道路です。首都圏の郊外から郊外への移動や高速道路間の移動に、とても便利な路線です。
ただ圏央道の性質上、なかには通っている都市の外側を通るところもあります。その代表例が、神奈川県第3の都市である相模原市に設置されている「相模原IC」になります。
相模原ICから相模原市の中心地となる橋本駅までは、約7km弱と距離的にはそれほど離れているとはいえませんが、相模原ICが相模原市の西側山間部に設置されている影響もあり、道路の整備が十分とはいえず渋滞することが多いため、所要時間が30分以上かかることもよくあります。
さらに圏央道自体が郊外を通る性質があることから、都心部への移動には若干不向きなところもあり、相模原市のいる位置や目的地によっては東名の横浜町田ICや中央自動車道の「八王子IC」を利用した方が早い場合もあります。
目的地までの所要時間をなるべく短くするためにするべきこととは
主に人口や都市規模の大きい街では、高速道路のインターと中心地との距離が離れているところが多いです。また、高速道路と接続している一般道の交通量によって所要時間がのびるケースもあり、これはなかなか調べられないことでもあるので、運転経験が長い方でも苦戦するところです。
私も高速道路を長いこと経験して、ようやくいくつか見つけましたが、まだまだ全国各地には高速道路を降りてからの所要時間がかかりやすい都市はいっぱいあるのだろうと感じています。
とはいえ、高速道路も年々新しい路線が開通しているように、一般道も各地で次々と開通しているため、全体的にみると一昔前にくらべてスムースに移動できるようになりました。
また、最近は高速道路のサービスエリアやバスストップに併設されている、ETC専用のスマートインターなんかもどんどん設置されています。これから活用することで、より目的地までの所要時間を短縮できることもあります。
不慣れな地域へ行く際は、事前に降りるインターまでの高速道路ルートから、高速道路を降りた後の一般道のルートと距離・時間をしっかり調べて、当日思わぬロスが生まれないようにしましょう。
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