提携
(画像=PIXTA)

「業務資本提携」と聞いて、大企業をイメージする方は多いだろう。しかし、業務資本提携は決して大企業に限った話ではなく、中小企業にとっても重要な選択肢のひとつになる。経営の幅を少しでも広げるために、概要や具体的な流れをしっかりと理解しておこう。

目次

  1. 業務資本提携とは?「業務提携・資本提携」のそれぞれの意味をチェック
    1. 「経営統合」や「合併」との違いは?
  2. 業務提携・資本提携の種類
    1. 業務提携の3つの手法
    2. 資本提携の2つの手法
  3. 業務資本提携に取り組む4つのメリット
    1. 1.経営資源を獲得できる
    2. 2.成長スピードが加速する
    3. 3.お互いの企業が積極的に利益を狙える
    4. 4.シナジー効果が発生することも
  4. 業務資本提携に取り組む3つのデメリット
    1. 1.元の独立した状態に戻すことが難しい
    2. 2.経営の自由度が下がる
    3. 3.株式買収を要求されるリスクがある
  5. 「株価への影響」も押さえておきたいポイントのひとつ
    1. 「持ち株比率」の問題も軽視できない
  6. 企業が業務資本提携に取り組む基本的なステップ
    1. 【STEP1】自社の状況を分析し、パートナー企業を探す
    2. 【STEP2】業務資本提携のゴールを確認する
    3. 【STEP3】パートナーとの交渉
    4. 【STEP4】契約書を作成し、契約を締結する
  7. 業務資本提携の契約書の書き方と注意点
  8. 事例から学ぶ業務資本提携のポイント
    1. 【事例1】お互いの事業領域をうまく組み合わせた業務資本提携
    2. 【事例2】大企業と業務資本提携を結び、開発体制を強化
    3. 【事例3】契約書の不備が原因で大きなトラブルに
  9. 業務資本提携はあくまでも選択肢のひとつ
  10. 事業承継・M&Aをご検討中の経営者さまへ
  11. 監修者紹介

業務資本提携とは?「業務提携・資本提携」のそれぞれの意味をチェック

業務資本提携(資本業務提携)とは、以下の「業務提携」と「資本提携」を同時に実施する経営手法のことだ。

○業務提携とは?
業務を効率化する目的で、複数の企業がお互いの技術やノウハウを導入すること。具体的なものとしては、販路の共用や人材の確保、共同開発、生産工程の一部委託などが該当し、資本の移動は伴わないケースが一般的。

○資本提携とは?
事業や業務の効率化を目的として、複数の企業が資本参加を伴う形で協力関係を築くこと。増資の引き受けのように、一方の企業が他社の株式を取得するケースもあれば、お互いの株式をそれぞれ取得し合う形式も資本提携に該当する。資本の移動を伴うため、広義の意味では「M&A」に含まれる。

つまり、業務資本提携とは資本の移動を伴う形で、複数の企業が業務の協力関係を築くことを意味する。世の中には業務提携のみ、もしくは資本提携のみで協力関係を築くケースも見られるが、業務資本提携ではこれら2つを組み合わせることでより強固な協力関係を築ける。

ちなみに、実は「業務資本提携・業務提携・資本提携」の3つには法令による定義が存在していない。協力し合う業務の範囲や、株式数に関するルールは特に設けられていないため、その点も合わせて理解しておこう。

「経営統合」や「合併」との違いは?

経営統合や合併も、複数の企業が協力関係を築くための手法だ。しかし、以下の概要を見てわかる通り、業務資本提携とは各企業の実態や関係性が異なってくる。

○経営統合とは?
当事者である複数の企業が新たに持株会社を作り、それぞれの企業が持株会社の傘下に入ること。つまり、当事者の株式は持株会社が全て保有・管理する形になる。ただし、どちらかの企業を消滅させる手法ではないため、いずれの当事者も法人格・会社名がそのまま残る。

○合併とは?
以下のいずれかの方法で、当事者の関係性をより強固にする経営手法のこと。

・新設合併…複数の企業が新たに企業を設立し、すべての権利業務を新会社に引き継がせること。
・吸収合併…どちらかの企業が、すべての権利業務をもう一方の企業に承継させること。

新設合併では、新会社に当事者の権利業務をすべて承継するため、当事者の法人格・会社名はいずれも消滅する。それに対して、吸収合併は一方の企業に権利業務を集中させる形なので、吸収される企業のみ法人格・会社名が消滅する。

ここまで解説した各手法の大きな違いは、企業間の「協力関係の強さ」だ。単純に企業間の関係性の強さを比較すると、「合併>経営統合>業務資本提携>資本提携>業務提携」の順になる。

業務提携・資本提携の種類

ここからは、業務資本提携に大きく関係する「業務提携・資本提携」の2つに絞って詳しく解説していこう。

細かく見ると業務提携と資本提携には、さらにいくつかの手法が存在している。どの手法を選ぶのかによって、その後の企業間の関係性や協力体制が変わってくるため、各手法の特徴はしっかりと理解しておくことが重要だ。

業務提携の3つの手法

業務提携の手法は、大きく以下の3つに分けられる。

業務資本提携のメリット・デメリットとは?合併との違いから、事例や実施のポイントまで幅広く解説

一般的な業務提携では、お互いの交渉内容をまとめた「業務提携契約」が締結される。業務提携は支配関係にはならないため、お互いの企業にしっかりとメリットが発生するように、慎重に契約書の内容を決めなくてはならない。

したがって、書類作成時に弁護士などの専門家に頼るだけではなく、お互いの経営者が積極的に条件を考えることが重要なポイントだ。

資本提携の2つの手法

一方で資本提携にも、大きく分けて以下の2つの手法が存在している。

業務資本提携のメリット・デメリットとは?合併との違いから、事例や実施のポイントまで幅広く解説

たとえば、2つの企業がお互いに向けて「株式譲渡・第三者勘当増資」を実施すると、両者はいずれも安定株主としての立場を築ける。さらに各企業の独立性も失われないため、業務資本提携において資本提携が実施される際には、当事者がお互いに上記の手法に取り組む形式が一般的だ。

業務資本提携に取り組む4つのメリット

ここまで概要を簡単に解説してきたが、経営者の立場からはやはり業務資本提携のメリット・デメリットが気になるはずだ。そこでまずは、企業が業務資本提携に取り組む具体的なメリットを見ていこう。

1.経営資源を獲得できる

業務資本提携のメリットとしてまず挙げられるのは、経営資源をスピーディーに獲得できる点だ。業務資本提携で獲得できる経営資源は、以下の4種類に大きく分けられる

業務資本提携のメリット・デメリットとは?合併との違いから、事例や実施のポイントまで幅広く解説

経営資源の中には大規模な設備や優秀な研究者のように、短期間での獲得が難しいものも存在する。そういった経営資源を確保できない影響で、予定している事業をなかなか進められないケースも多い。

そこで選択肢のひとつになる手法が、今回解説している業務資本提携だ。たとえば、A社が技術資源を提供し、B社が人材資源を提供するような形で業務資本提携を結べば、両者の生産性は飛躍的にアップしていくだろう。

2.成長スピードが加速する

これは上記の経営資源とも関連するが、業務資本提携には企業の成長スピードを加速させる効果がある。ゼロから事業を育てるには膨大な時間を要するが、業務資本提携では経営資源を獲得することで、その時間を大きく節約できるのだ。

そのため、業務資本提携は「時間を買う」と表現されることもあり、競合他社と戦える経営基盤をスピーディーに整えられる。将来的に企業規模・事業規模を拡大したい経営者にとって、この点は特に魅力的なメリットと言えるだろう。

3.お互いの企業が積極的に利益を狙える

前述でも解説した通り、業務資本提携は業務提携単体よりも当事者同士の結びつきが強くなる。この強力な関係性によって、どちらかに利益が生じればもう一方にもメリットが発生するため、お互いの企業が積極的に利益を狙える状況になるだろう。

それに対して、業務提携のみを実施する場合は契約内容が曖昧になりやすく、その影響で責任の所在も分かりづらくなる。場合によっては一方にしかメリットが生じない可能性もあるため、本当の意味での協力関係を築くことはやや難しい。

4.シナジー効果が発生することも

シナジー効果とは、複数の企業が協力・連携して事業に取り組むことで、単体で事業を進めるよりも大きな価値を創出することだ。たとえば、A社の生産システムとB社のブランド力を組み合わせて、爆発的に売れる新たなブランドを創造するようなケースを指す。

シナジー効果にはさまざまな組み合わせがあり、仮に相乗効果が発生すれば利益が何倍にも伸びる可能性があるため、業務資本提携においては特に意識したいメリットだろう。提携後の成長スピードにも大きく関わる要素なので、シナジー効果はパートナー選びの段階から強く意識しておきたい。

業務資本提携に取り組む3つのデメリット

どのような経営手法にもデメリットやリスクは存在しており、それは業務資本提携も例外ではない。しかし、どのようなデメリットが潜んでいるのかを把握しておけば、事前に対策を立てることでリスクをある程度抑えられる。

そこで次からは、業務資本提携に潜むデメリットを確認していこう。

1.元の独立した状態に戻すことが難しい

業務資本提携のように資本の移行を伴う形で協力関係を築くと、元の独立した関係性に戻すことは非常に難しい。つまり、提携後に「やはり自社の力だけで十分だった」「パートナーが足かせになっている」などと感じても、簡単にはパートナー企業を切り離せないのだ。

業務提携単体であれば関係性解消のハードルはそこまで高くないが、資本提携には特に注意しておきたい。資本提携には柔軟性に欠ける側面があるため、契約を結ぶ前にパートナー企業をしっかりと調査・分析し、提携後に発生する具体的な効果を予測しておく必要があるだろう。

2.経営の自由度が下がる

経営の自由度が下がる点は、業務資本提携の最大のデメリットとも言える部分だ。資本提携によってパートナー企業に一定数の株式がわたると、その企業には「取締役の解任」などの経営権が発生する。

また、業務資本提携ではお互いに利益を追求するケースが多いため、仮に自社の経営成績が振るわない場合には、経営面で口出しされてしまう恐れもあるだろう。特に共同で進める事業に関しては、自社の裁量のみで進めることは難しくなってくる。

基本的に企業同士の「関係性の強さ」と、お互いの「経営の自由度」は反比例することを理解しておきたい。企業間の結びつきは強くなるほど心強いが、その一方でどうしても経営の自由度は下がってしまう。

3.株式買収を要求されるリスクがある

前述でも解説した通り、業務資本提携における企業間の結びつきは比較的強い。ただし、たとえばパートナーにとって自社が足手まといになっている場合には、関係性の解消を要求されるかもしれない。

ここで気を付けておきたいのは、提携の解消時には「自社株式の買収」を要求される点だ。資本提携を解消する場合は自社株式を買い戻すことになるが、この際には基本的に「時価よりも高い価格」での買い取りを要求される。

ケースによっては価格交渉も可能ではあるものの、資金の準備や交渉にかかる手間を考えると、株式買収の要求は深刻なリスクとなり得る。

業務資本提携のメリット・デメリットとは?合併との違いから、事例や実施のポイントまで幅広く解説

業務資本提携には魅力的なメリットがある一方で、事前に考えておきたいデメリット・リスクも存在する。場合によっては取り返しがつかなくなる恐れもあるので、特にパートナー企業選びは慎重に進めておきたい工程だろう。

「株価への影響」も押さえておきたいポイントのひとつ

上場している企業が業務資本提携を実施する場合は、「株価への影響」も意識しておきたいポイント。上場企業同士が業務資本提携を行うと、基本的には以下のようなメカニズムで株価が上昇する。

○業務資本提携によって株価が上昇するメカニズム
【1】事業拡大や販路開拓などを狙い、A社とB社が業務資本提携の実施を発表する
【2】世の中の投資家が、業務資本提携を好材料ととらえる
【3】A社とB社の株式を、興味を示した一般投資家が購入する
【4】買い注文が入った影響で、市場において株価が上昇する

もちろん、当事者となる企業の事前情報によっては、業務資本提携が「マイナス要因だ」と判断される恐れもある。この場合には株価は下落していくが、前述の通り業務資本提携にはシナジー効果などのメリットがあるので、基本的には好材料と判断されるケースが多い。

また、規模が小さい企業ほど株価が上昇しやすい点も、経営者がしっかりと理解しておきたいポイントだ。たとえば、さまざまな事業を展開している大企業の場合、中には業務資本提携の影響をあまり受けない事業も含まれるため、メリットが発生する範囲はどうしても限定されてしまう。

その一方で、少数の事業に集中して取り組んでいる企業は、業務資本提携によるメリットが大部分に享受される。つまり、世の中の投資家から注目・期待されやすく、その影響が「株価上昇」という形で現れるのだ。

現代社会において株価は企業価値を示す重要な指標となっているので、特に上場企業は株価への影響も意識したうえで計画を立てる必要があるだろう。

「持ち株比率」の問題も軽視できない

デメリットの部分でも触れたが、業務資本提携を行うと持ち株比率が変動するため、経営の自由度が下がってしまうことがある。そこで以下では、持ち株比率に応じて株主の権利がどのように変化するのかをまとめた。

業務資本提携のメリット・デメリットとは?合併との違いから、事例や実施のポイントまで幅広く解説

上記から分かるように、ある株主の持ち株比率が10%を超えると、その企業には大きな影響が及ぶ可能性がある。場合によっては会社を乗っ取られるリスクもあるため、株式を売却する側の企業は細心の注意を払わなくてはならない。

企業が業務資本提携に取り組む基本的なステップ

業務資本提携の計画を立てる前には、基本的な流れを確認しておくことが重要だ。実際の流れはケースによってやや異なるものの、重要な過程を省くと深刻なトラブルにつながってしまう恐れがある。

ここからは業務資本提携を結ぶまでの基本的なステップを簡単に確認していこう。

【STEP1】自社の状況を分析し、パートナー企業を探す

業務資本提携はパートナー企業を探すところから始めるが、その前に自社の状況を分析する必要がある。まずは業務資本提携の目的を明確にし、その目的を達成するために「自社には何が不足しているのか?」「どんな経営資源が必要なのか?」を把握しなければならない。

これらの点が不明瞭なままパートナー探しを始めると、期待通りのメリットが発生しない恐れがある。また、自社に何らかの魅力がなければパートナーは見つからないので、自社から提供する経営資源についても考えておく必要があるだろう。

【STEP2】業務資本提携のゴールを確認する

パートナーの候補となる企業が見つかったら、次は業務資本提携のゴールを確認する。具体的には、以下のような点を両者がしっかりと確認しておく作業が必要だ。

○業務資本提携の交渉前に確認しておきたい点
・お互いに提供する経営資源
・経営資源の提供範囲や提供方法
・業務提携、資本提携それぞれの手法
・資本提携における出資比率 など

上記の部分が曖昧になっていると、契約内容にもその曖昧さが現れてしまう。つまり、期待通りのメリットが発生しない恐れがあるので、「お互いが何を求めているのか?」については交渉前の段階で明確にしておこう。

【STEP3】パートナーとの交渉

業務資本提携の交渉は、必ずしもスムーズに進むとは限らない。すべての当事者に利益が生じる契約を考える必要があるため、場合によっては「適切な妥協点」を見極めることも求められる。

また、パートナー企業に配慮し過ぎて、自社の理想からかけ離れてしまう状況にも要注意だ。契約を結んでからトラブル・不満が発生しないよう、契約内容に修正を加えながら慎重に交渉を進める必要がある。

【STEP4】契約書を作成し、契約を締結する

業務資本提携の契約内容がまとまったら、いよいよ契約書を作成する。経営資源などの基本的な条件に加えて、トラブルを回避するための契約も明記していくが、当事者だけで契約書を作成する方法はおすすめできない。

業務資本提携の契約は「業務資本提携契約書」で一本化されるケースもあるが、さらに細かく分割して「投資契約・株主間契約・業務提携契約」の3つを締結するケースも見られる。基本的には複数の契約が必要であり、さらにお互いにメリットを生じさせるには細かく条件を定める必要があるため、業務資本提携では契約内容が複雑化しやすい。

仮に契約書の中に把握できていない部分があると、将来的に思わぬトラブルにつながる恐れがあるだろう。したがって、可能であれば法律の専門家などの第三者を挟み、お互いが納得できる形で契約書を作成しておきたい。

業務資本提携の契約書の書き方と注意点

業務資本提携の契約は、会社法において明確な定義がされていない。そのため、当事者が合意できる形で契約書を作成することになるが、少なくとも以下の項目は記載しておく必要がある。

業務資本提携のメリット・デメリットとは?合併との違いから、事例や実施のポイントまで幅広く解説

上記のほか、必要であれば収益分配や費用負担、業務上での役割についても明記しておくことが望ましい。事前にトラブルに発展しやすい要素を洗い出しておくと、契約書に記載すべき内容が分かりやすくなる。

事例から学ぶ業務資本提携のポイント

業務資本提携は複雑な契約になりやすいので、実際に進めるとなると「何から始めるべきか分からない」と悩まされるケースが多い。ここからは事例を交えて業務資本提携のポイントをまとめたので、不安を感じている方は最後までチェックしていこう。

【事例1】お互いの事業領域をうまく組み合わせた業務資本提携

「日本郵政」は2021年3月に、ネット関連サービスを提供する「楽天」に対して約1,500億円を出資した。これは日本郵政の物流と楽天のIT領域を組み合わせることで、デジタルトランスフォーメーション(DX)の地盤を固めるための業務資本提携だ。

将来的には物流拠点の構築のほか、配送システムや受取サービスの構築、物流プラットフォームの事業化などが予定されている。このように、お互いが得意とする事業領域を組み合わせることで、新たな商品・サービスを生み出す姿勢はぜひ参考にしたいポイントだ。

【事例2】大企業と業務資本提携を結び、開発体制を強化

WEBシステムの開発・運営などを行う「readytowork」は、2021年8月に東証一部上場グループである「スカラ」との業務資本提携を発表した。この事例もDXの推進を狙ったものであり、readytoworkは経営資源が豊富な企業と協力関係を結ぶことで、開発スピードのアップや体制強化を実現している。

現代では毎年さまざまな技術が生み出されるものの、中小企業の資金力ではDXやイノベーションを実現することは難しい。もし開発体制に悩みを抱えているのであれば、この事例のように大企業と業務資本提携を結ぶ方法もひとつの手になるだろう。

ただし、双方にメリットがなければ合意には至らないので、大企業との契約を狙っている場合は中長期的な戦略を立てる必要がある。

【事例3】契約書の不備が原因で大きなトラブルに

最後に、業務資本提携の失敗事例を紹介しよう。

ともに新たなWEBメディアの立ち上げを目指していたA社とB社は、お互いの得意領域を活かす形で業務資本提携を結んだ。A社はノウハウを提供し、B社は豊富な人的資源を活用しながら共同開発を進めたが、しばらくすると業務の大部分はB社だけがこなす状況に。

次第に不満が溜まったB社は、成果物となるWEBメディアの所有権を主張した。当然A社が無条件で譲ることはなく、両社は法的に争い合う関係になってしまった。

業務資本提携では契約前の段階で内容を煮詰めておかないと、このようなトラブルに発展する恐れがある。相手企業と必ずしも良い関係を築けるとは限らないため、契約前にはさまざまなトラブルを想定し、お互いがきちんと合意できる契約書を作成することが重要だ。

業務資本提携はあくまでも選択肢のひとつ

業務資本提携には、経営資源の獲得やシナジー効果などの魅力的なメリットがある。ただし、その反面で注意しておきたいデメリット・リスクも潜んでいるため、成長スピードを加速させたいからと言って安易に実施するべきではないだろう。

業務資本提携はあくまでも経営手法のひとつであり、視野を広げればほかにもさまざまな選択肢があるはずだ。経営面で何らかの課題を抱えている企業は、ほかの選択肢のメリット・デメリットとも比較しながら、今後の経営計画を慎重に立てていこう。

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監修者紹介

斎藤弘樹
株式会社日本M&Aセンター 地域金融1部 部長
斎藤弘樹 (さいとう・ひろき)
一橋大学卒業後、外資系金融機関入社。 2012年日本M&Aセンター入社以降、地域金融機関と数多くのM&Aに携わり、後継者に悩んでいる、または更なる成長を志向する経営者に、M&Aという手段で会社の継続と発展を支援している。
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