顧問先の不満の声から、契約解消を防ぐヒントを紹介。
今回は、ミスの発生をきっかけに、不要な支払いが次々と発覚。
料金体系が不透明なこともあって解約につながったケースです。
データで渡しているのに手入力で決算書類を作成
私は、小児科診療と、行政の委託事業の病児保育を行っています。
地元で開業して10数年が経ちますが、
自治体やNPO法人、介護関連施設などと連携して、
患者に寄り添った医療提供を目指してきました。
経理は妻が担当してくれて、経営はここ数年安定しています。
しかし、先日予期せぬ出来事が発覚したため、税理士を替えようと考えています。
開業当初から依頼している顧問税理士が提出した決算書類に
通常なら起こり得ないミスがあったのです。
顧問税理士に原因を追及したところ、「手入力のためミスが発生した」と弁明。
妻は毎月会計データをCSVで会計事務所に渡しています。
データで渡しているにもかかわらず、手入力するという
ミスを誘発しやすい非効率な方法で仕事をしていたのです。
不安に思い、改めて料金の内訳を確認したところ、
頼んだ覚えのないサービスの料金を支払っていたのです。
また、1年ほど前から会社に来る頻度が毎月から四半期に1回に変わっているのですが、
料金の変更はありませんでした。
この税理士と契約をするきっかけは、
学生時代からお世話になっている先輩からの紹介だったため、
無下にもできず、今まで目をつぶっていた部分もありました。
私と妻も、忙しさを理由に確認を怠っていた部分はあるかと思いますが、
今後さらに事業を拡大していきたいという思いもあるので、
もう契約を続けたくありません。
今度は医療分野に強く、クラウド会計を導入している事務所に、
税務会計のほかクリニック経営についても相談したいと思います。
顧客満足度を高めるワンポイントアドバイス
綿密なコミュニケーションでトラブルを防止
今回のケースは、サービスの曖昧さと仕事の進め方の説明不足、
普段からのコミュニケーション不足が要因といえるでしょう。
まずは、提供するサービス範囲を定めて料金表を用意すること。
そして、サービス範囲以上のことを対応する場合、事前に先方に伝えること。
その際に重要になるのが、顧問先との関係性です。
お互いの思考や感情、意思、価値観などを
言葉で伝え合うことはビジネスにおいて不可欠です。
相手のことを考えて、何を求めているのか
知ろうとする意識が大切ですので、
顧問先とのコミュニケーションについて、
振り返ってみてはいかがでしょうか?
- プロフィール
コンサルタント
全国の士業事務所の売上アップや業務効率化など、幅広くサポートを行う。