(写真=mavo/Shutterstock.com)

2018年の家庭用・オフィス用家具市場規模は前年比100.2%の1兆383億円

~首都圏における新築オフィスの増加によってオフィス用家具は拡大するも、家庭用家具の需要減によって全体は横ばいで推移~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内における家庭用・オフィス用家具を調査し、市場規模、参入企業の動向、および将来展望を明らかにした。

家庭用・オフィス用家具市場規模

家庭用・オフィス用家具市場規模

1.市場概況

2018年の家庭用・オフィス用家具市場規模は前年比100.2%の1兆383億円であった。家庭用家具は横ばいから微減基調であるが、オフィス用家具は首都圏における新築オフィスの増加により好調であったことから、市場全体では横ばいとなった。オフィス用家具は以前は全体の3割程度であったが、同市場の拡大によって2018年には4割弱まで比率が高まっている。

2.注目トピック

家庭用・オフィス用家具ともにサブスクリプション等、新たな市場の創出が重要

家庭用・オフィス用家具の需要の拡大という観点から、レンタルやサブスクリプションなど所有(購入)ではなく、サービス利用に焦点を当てた新たな市場の創出が重要と考える。なかでも家庭用家具については、消費者はサービス利用分の対価を支払うことで、ライフスタイルの変化に合わせて気軽にインテリア(家庭用家具)を楽しむことができる。一方、メーカーにとっては商品が売れにくくなるといった懸念もあるが、サービス提供事業者にとっては、消費者(顧客)との長期的な関係を構築することが可能となる。所有から利用へと消費行動が移行するなかで、家具に対する関心を高めながら、購入促進にもつながることが期待される。

3.将来展望

2021年の家庭用・オフィス用家具市場規模は9,840億円を予測する。家庭用家具は新設住宅着工の停滞などから漸減傾向で推移する一方、オフィス用家具は政府主導による働き方改革や労働者の生産性向上を目的に、オフィス環境に対する企業の投資が継続することから、堅調に推移するものとみる。しかしながら、これまで市場を押し上げてきたオフィス用家具の需要については、首都圏における新築オフィスの着工が一段落することで、2021年以降に減少する見通しである。