仕事と休暇を兼ねた「ワーケーション」で滞在したい都道府県と聞かれたら、「沖縄県」と答える人が多いかもしれない。白い砂浜、暖かな気候……。そんな癒しの環境は多くの人の憧れだ。しかし、希望するワーケーション先に関する調査では沖縄県は2位だった。1位はどの都道府県?
希望するワーケーション先の1位は?
この調査は、全国の20〜60代のフルタイム就業者2,000人を対象に行われたものだ。新型コロナウイルスの感染拡大による初の緊急事態宣言発令から2年が経過したことを契機に、アステリア、サイボウズ、ZVC Japan、レノボ・ジャパンの合同調査として実施された。
調査のテーマは「これからの働き方を考える」で、質問の中には希望するワーケーション先に関するものもあり、冒頭触れたのは、その回答結果だ。
具体的には「今後ワーケーションで働くことができるようになり、自由にワーケーション先を選べるとしたら、どこに行きたいか」という質問(複数回答)をしている。回答をもとに作成されたランキングは以下の通りだ。まずは上位20位までの都道府県を紹介する。
沖縄県を上回り1位となったのは「北海道」
冒頭説明した通り、2位は「沖縄県」で、沖縄県を上回ったのは「北海道」だ。北海道と回答した人の理由としては「(温泉、食事などで)リラックスしながら仕事ができそう」が最も多く、50.4%と半数以上の人がこの理由を選択した。
次いで多かった理由は「自然の近くで働けそう」だ。この理由を選択した人は41.1%に上った。確かに北海道には自然が多く残されており、そうした環境に癒しを感じる都会暮らしの人は多いはずだ。
「沖縄県」を選んだ理由で最も多かったのは?
一方、沖縄県を選んだ人はどういう理由を挙げているだろうか。最も多かった理由は「気候がよさそう」で41.8%、次いで多かったのが「(スポーツ、アクティビティなどで)リフレッシュしながら仕事ができそう」で37.9%だった。
今はコロナ禍が収束しておらず海外旅行へ出掛けにくい状況もあり、沖縄をワーケーション先として希望する人が特に最近は多いのかもしれない。
21位以下のランキングは?
21位以下のランキングも紹介しておこう。最下位は「徳島県」だった。
ほかにもさまざまな質問に対する回答を集計
ちなみにこの調査では、希望するワーケーション先のほかにもさまざまな質問を調査対象者に投げかけている。
完全テレワークになった場合住みたいのは?
ワーケーションで訪れるのではなく、仕事が完全テレワークとなった場合に住みたい都道府県についても聞いている。その結果、1位は「東京都」、2位は「神奈川県」、3位は「北海道」だった。
東京都と神奈川県という首都圏の都県が1位と2位になったのは、実際に住むとなれば、交通の便の良さを重視する人が多かったからだ。
今後もオフィスはあった方がいい?
「今後もオフィスはあった方が良いと思いますか?」という、オフィスの存在価値についての質問も行っている。全世代合計では、「あった方が良い」が58.9%、「どちらともいえない」が29.9%、「なくても良い」が11.2%という結果だった。
世代別に分析すると、若い世代ほど「なくても良い」と答えた人の割合が高めで、20代では14.6%、60代では8.4%だった。いずれの世代でも回答者全体の中では少数派ではあるが、若い世代ほどオフィスの存在価値を感じていない人が多い、という結果だ。
コロナ禍の完全収束後はかなり異なる回答結果に?
調査ではこのほかにもテレワークの実施状況を聞いており、調査対象者の中で「テレワーク実施あり(月2回以上)」と答えた人は25.8%だった。
調査レポートでは、緊急事態宣言が発令されていた期間よりは実施率は減少傾向にある、と分析されているものの、現在もまだ4人に1人はテレワークでも働いているという結果だ。
もしコロナ禍が完全に収束したら回答結果はかなり変わってくるのだろうか。その結果に注目したいところだ。
文・岡本一道(金融・経済ジャーナリスト)