耳にすることの増えてきた「NFTアート」。ただ、”SNSのアイコン”のような作品はよく目にしても、その他にはどのような作品があるのか、また、実際にはどうやったら買えるのかは、分からない方も多いのではないだろうか?
そんな中、日本で初めてのNFTアートフェア (作品の展示・販売会) が、2022年3⽉11⽇(⾦)〜3⽉13⽇(⽇) に開催されている。このアートフェアでは、すでに現代アートの第⼀線で活躍しているアーティストたちの手がけたNFTが販売され、「NFTってどんな作品があるの?」「どうやって買ったらいいの?」といった疑問も解消してくれる構成になっている。
本記事では、この 日本初のNFTアートフェア「Meta Fair #01」の様子をレポートする。
▍画像や映像だけではない 多様なNFTアート作品
「NFT」のアートフェアといったら、ディスプレイだけが並ぶ様子を想像してしまうかもしれない。そのイメージを覆すように、会場にはディスプレイ以外にも、写真プリント、立体作品、紙の文書、さらにはブラウン管と、多様な媒体が並ぶ。
例えば、Mikiko Kamadaの作品≪mea⇄t flower≫は、微生物によって分解されていく花の姿を可視化したNFTの映像作品とともに、分解された実際の花も作品として展示されている。
本イベントは、株式会社アトム(本社 東京 千代⽥区、代表取締役社⻑ ⻘井) が、「アートの⼒で不動産に新たな価値転換を図り、 市の活性化に挑戦する「A-TOM ART ACTION アトムアートアクション 」の⼀環として開催されるもの。
参加するのは、すでに現代アートの第一線で活躍するアーティスト20組で、既存の写真や映像をNFTとして販売するのではなく、「NFTを活用したアートとは何か?」といったことについて作家自身が向き合っている。
例えば、東城信之介の作品≪失題≫は、銅の半球に錆びと顔料で作品証明書となるNFTへとリンクしたQRコードを描き、作品の価値は一体どこにあるのかを所有者に問う作品となっている。
本アートフェアのキュレーターであり、自身も参加アーティストである丹原健翔氏に話を伺うと、今回のアートフェアは、作家同士で新しい技術であるNFTについて学ぶ「勉強会」を発端に企画されたという。
NFTがまだ発展途上のなかで、挑戦的な姿勢を持ち続けるアーティストたちが、NFTとは何か、NFTの特性をどう作品に活かせるかを考え、制作してきた作品たちが並ぶ。
▍会場では NFTの購入サポートも
NFT作品を購入しようと思ったら、ギャラリーやオンラインで物理的な作品を購入するのと異なり、カード決済などではなく「デジタルウォレット」の開設などの手続きが必要だ。そして、これは知識が無いとなかなか煩雑だ。
会場では、NFT作品を所有するために必要なデジタルウォレットの開設をサポートする専用受付窓口も設置されている。アンケートに回答した方を対象に、無料で自分のデジタルウォレットを開設できるので、「すぐではないけれど、いつかNFTを購入してみたい」という方も相談してみるのも良さそうだ。
▍会場に足を運べずとも バーチャル美術館での展示も同時開催
今回のアートフェアでは、「永山祐子建築設計」によるバーチャル美術館での展示が同時開催される。このバーチャル会場は、グローバルにアクセスが可能だ。
このバーチャル美術館には、会場にあるVRヘッドセットでもアクセスすることができる。物理的に会場に制作・設置が困難な巨大な作品など、フィジカル会場では観られない作品も展示されている。
本アートフェアの会場は、開催中の「アートフェア東京2022」(東京国際フォーラム) から歩いてすぐの新有楽町ビルにある「ソノ アイダ#新有楽町」。会期も同じ2022年3⽉11⽇(⾦)〜3⽉13⽇(⽇)だ。「アートフェア東京」とあわせ、日本初の新しいアートフェアへ足を運んでみてはどうだろうか。
【イベント概要】Meta Fair #01
URL:https://re-view.io/metafair-01
開催⽇程:2022年3⽉11⽇(⾦)〜3⽉13⽇(⽇)
時間:13:00〜20:00
会場:ソノ アイダ#新有楽町
住所:東京都千代⽥区有楽町1-12-1 新有楽町ビル 1階北側112 区画
⼊場料:1,000 円(税込)
主催 株式会社アトム
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文・取材:ANDART編集部