BtoE、BtoG、GtoCってどういう意味?知ると得するビジネス用語
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中村 太郎
中村 太郎(なかむら・たろう)
税理士・税理士事務所所長。中村太郎税理士事務所所長・税理士。1974年生まれ。和歌山大学経済学部卒業。税理士、行政書士、経営支援アドバイザー、経営革新等支援機関。税理士として300社を超える企業の経営支援に携わった経験を持つ。税務のみならず、節税コンサルティングや融資・補助金などの資金調達も得意としている。中小企業の独立・起業相談や、税務・財務・経理・融資・補助金等についての堅実・迅速なサポートに定評がある。

BtoXXは、「B(企業)」から「XX(ターゲット)」に商品販売やサービス提供などを行うビジネスモデルを示す言葉である。BtoXXの「toXX」の部分にはtoC、toB、toE、toGなどが当てはまり、他にも「CtoC」「GtoC」「DtoC」などの似たような言葉がある。この記事では、BtoXXとは何か、それぞれの特徴や具体例、市場規模などについて解説する。

目次

  1. BtoXXとは
    1. BtoC、BtoB以外のBtoXX
  2. BtoC、BtoBの特徴や具体例
    1. BtoC(Business to Consumer)とは
    2. BtoB(Business to Business)とは
  3. BtoCとBtoB以外のBtoXXの特徴と具体例
    1. BtoEとは
    2. BtoGとは
  4. BtoXX以外
    1. CtoCとは
    2. DtoCとは
    3. GtoC・GtoBとは
  5. BtoXX(toC、toB)、CtoCの市場規模
    1. 『電子商取引に関する市場調査』で分かること
    2. EC取引におけるBtoCの市場規模
    3. EC取引における国内のBtoB市場規模
    4. EC取引における国内のCtoCの市場規模
  6. BtoXXのそれぞれのビジネスモデルを理解しよう
  7. 事業承継・M&Aをご検討中の経営者さまへ

BtoXXとは

「BtoXX」とは、「企業(B:business)」から「ターゲット(XX)」に対し、商品やサービスの販売・提供を行うビジネスモデルを意味する。

例えば、食品を製造して飲食店に販売するビジネスは、「BtoB」(Business to Business)であり、飲食サービスを提供するレストランのビジネスは「BtoC」(Business to Consumer)である。

「BtoC」から「BtoB」あるいはその逆に路線変更するという場合もあるし、「BtoC」と「BtoB」の両方を展開する企業もあるだろう。

BtoC、BtoB以外のBtoXX

「BtoXX」の「toXX」には、「BtoC」と「BtoB」の他にも、「BtoE」や「BtoG」がある。

また「CtoC」「GtoC」「DtoC」など、企業以外が行う商品やサービスの販売・提供も存在する。特にインターネットの普及に伴い、EC取引市場が拡大したことによって、「CtoC」や「DtoC」の市場規模が大きくなっている。

・EC取引とは

「EC:Electronic Commerce」取引とは、商品やサービスの販売・提供がネットワーク上で行われる取引である。EC取引の形態には、自社で製作したホームページなどで販売する方法や他社のECプラットフォームに出店・出品する方法、またはこれらを併用する企業もある。

インターネットを利用して不特定多数の人に商品を紹介できるため、リアルな店舗を持たない個人やメーカーなどでも商品やサービスの販売・提供が可能となる。

BtoC、BtoBの特徴や具体例

まずは「BtoXX」のうち、多くの企業に関係する「BtoC」と「BtoB」について、それぞれの特徴や具体例を見ていこう。

BtoC(Business to Consumer)とは

企業から消費者向けに、商品販売やサービス提供を行うビジネスモデルである。一般的に、一回の取引金額が少ないことから、より多くの相手に販売・提供するための戦略が重要になる。

・BtoCの例

・商品販売
飲食品、生活家具・家電、本、CD、家庭用ゲーム機、衣類、自動車・自転車などの販売

・サービス提供
飲食、旅行、銀行や証券会社などの金融、美容院、医療、保険、教育などに関連するサービスの提供

BtoB(Business to Business)とは

企業から企業向けに商品販売やサービス提供を行うビジネスモデルで、「企業間取引」と訳されることもある。

消費者向けの「BtoC」よりも一回の取引金額が大きく、取引の期間も長いことが一般的だ。そのため、信頼できる企業と高額かつ継続的な取引を行う戦略が重要だ。相手が企業であるため、購入の意思決定は企業の利益になるかどうかが判断基準となる。

「BtoB」では、一般消費者相手の取引のように、商品のストーリーなどに抱く感情が直接の購入動機にならない。したがって、商品やサービスの具体的なメリットを相手企業に伝えて、事業に役立つことを納得してもらうことが販売戦略の要となる。

・BtoBの例

卸売、オフィス用事務用品の販売、業務用機械器具など産業関連機器の製造、運輸サービス、広告サービス、情報通信サービスなど

BtoCとBtoB以外のBtoXXの特徴と具体例

「BtoC」や「BtoB」以外のBtoXXには、「BtoE」や「BtoG」があるが、どのような特徴があるのだろうか。

BtoEとは

「BtoE」とは「Business to Employee」のことで、企業から雇用者に商品販売やサービス提供することだ。例えば、以下のような福利厚生制度を設ける方法がある。

・資格取得や自己啓発などの支援
・社内教育の実施
・自社商品の購入や自社サービス利用時の社員割引
など

BtoGとは

「BtoG」とは「Business to Government」のことで、企業から政府向けに商品販売やサービス提供を行うビジネスモデルである。要するに、国や地方公共団体の公共事業に入札して事業を請け負うことだ。「企業対政府間取引」と訳されることもある。

「Government」は政府という意味だが、「BtoG」の場合は国だけでなく地方公共団体に対するビジネスも含むことが一般的だ。

BtoXX以外

BtoXX以外にも、「CtoC」や「DtoC」、「GtoC」といったものもある。ここでは、それぞれの特徴について解説する。

CtoCとは

「CtoC」とは「Consumer to Consumer」のことで、消費者から消費者向けに商品販売やサービス提供を行うことを指す。「個人間取引」と訳されることもある。

フリマアプリなどを介して行われる個人間の商品販売や、クラウドソーシングなどによって個人間で行われるサービス提供などが該当する。

DtoCとは

「DtoC」とは「Direct to Consumer」のことで、メーカーが中間流通業者を介さずに、自社の商品をインターネットで消費者に直接販売するビジネスモデルである。

「DtoC」ビジネスの事例としては、以下のようなものがある。

・メーカーが自社サイトを使って家電やパソコンなどを直販する
・農家が卸売業者などを介さずに生産した野菜や果物を自社サイトで直販する

特に食品の場合は、顔が見える生産者から直接購入できることが安心感につながるなど、「DtoC」ならではの付加価値創出が期待できる。

GtoC・GtoBとは

「GtoC」とは「Government to Consumer」、「GtoB」とは「Government to Business」のことである。「GtoC」は政府から消費者に、「GtoB」は政府から企業に対するサービスを意味する。

経済産業省の『電子商取引に関する市場調査の報告書』によると、「GtoC」「GtoB」は、政府がサービスを提供し、個人・企業が対価を支払うものと説明されている。対価が発生するものといえば、各種申請手続きが典型的な例だろう。

登記関係の手続き、事業を所管する省庁への各種申請や届け出などが考えられる。地方公共団体のサービスも含むとすれば、戸籍関係や各種証明書の取得申請、行政文書などの開示請求なども該当するだろう。

BtoXX(toC、toB)、CtoCの市場規模

「BtoXX(toC、toB)」や「CtoC」などの市場規模は、どのようになっているのだろうか。

市場規模を「BtoC」「BtoB」「CtoC」に分類して統計したデータは無いが、推計であれば、経済産業省の『電子商取引に関する市場調査』に用いられている推計値が参考になる。

『電子商取引に関する市場調査』で分かること

同調査は、EC取引(電子商取引)の市場把握のために行われている。報告書の中では、E C取引の市場を「BtoC」「BtoB」「CtoC」に分類し、それぞれの市場規模を独自の計算方法で推計している。

当然、EC化が進んでいる市場やサービス(=EC化率が高いもの)もあればそうでないものもあるため単純比較はできないが、BtoXXで分類した市場規模の統計がないことから、おおまかな規模感を掴む際の参考にはできる。

もちろん、調査の趣旨である「BtoC」「BtoB」「CtoC」における、それぞれのEC取引の市場規模やどの商品やサービスがEC取引でシェアを伸ばしているかも把握できる。

【EC化率とは】

「BtoC」「BtoBに分類される商取引全体の市場規模のうち、EC取引が占める比率のことだ。

「BtoC」の商取引全体の市場規模は、GDP総計における国内家計最終消費支出と総務省統計局発表の家計調査から推計されている。

「BtoB」の商取引全体の市場規模は、財務省発表の法人企業統計調査の結果等と総務省発表の通信利用動向調査等から推計されている。

EC取引におけるBtoCの市場規模

2020年の国内における「BtoC-EC市場規模(EC取引におけるBtoCの市場規模)」は、物販分野・サービス系分野・デジタル系分野を合計し、19 兆 2,779 億円であった。BtoC-EC市場規模は、データからも分かるとおり2013年以降増加傾向にある。

・市場規模の推計対象

市場規模総計19 兆 2,779 億円の内訳は、下記のとおりである。

BtoBやBtoCなどBtoXX何種ある? その具体的なビジネスモデルの詳細について解説

各分野の市場規模は、商品やサービスの分類ごとに算出している。参考までに、2020年の調査で市場規模の大きかった商品やサービスを、各分野の上位3位まで紹介する。

※【】内はEC化率。B:サービス系とC:デジタル系では、EC化率の計算なし。

・A:物販系分野

生活家電、AV 機器、PC・周辺機器等:2兆3,489億円【37.45%】
衣類・服装雑貨等:2兆2,203億円【19.44%】
食品、飲料、酒類:2兆2,086億円【3.31%】

・B:サービス系分野

旅行サービス:1兆5,494億円(※)
金融サービス:6,689億円
理美容サービス:6,229億円(※)
(※)インターネット予約など。

・C:デジタル系分野

オンラインゲーム:1兆4,957億円
電子出版(電子書籍・電子雑誌):4,569億円
有料動画配信:3,200億円

EC取引における国内のBtoB市場規模

2020年の国内におけるBtoC-EC市場規模は334兆9,106億円で、EC化率は33.5%であった。市場規模の金額は、前年より約18兆円減少している。減少理由は、新型コロナウイルス感染症拡大による外食やホテル利用減少と分析されている。

・市場規模の推計対象

BtoC-EC市場規模の推計において、調査対象業種は20種だが、特に市場規模の大きかった上位3つの業種は下記のとおりである。

・卸売業 92兆944億円【30.6%】
・製造業(輸送用機械)48兆963億円【70.7%】
・製造業(電気・情報関連機器)34兆9,740億円【61.1%】

※【】はEC化率

EC取引における国内のCtoCの市場規模

2020年の国内におけるCtoC-EC市場規模は、フリマアプリとネットオークションを対象として推計した結果、1兆9,586億円であった。前年の2019年より約2,180億円(前年比12.5%)増加しており、その理由は、主にフリマアプリ市場の成長が貢献したと分析されている。

BtoXXのそれぞれのビジネスモデルを理解しよう

BtoXXとは何か、それぞれの特徴や具体例、EC取引における市場規模などを解説した。

BtoXXは、自社のビジネスモデルの構築や説明の際はもちろん、取引先など他社のビジネスモデルを理解するときなど、さまざまな場面で役立つ。BtoXXについての理解を深めることで、こうした場面での助けになれば幸いである。

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