拠点を通り過ぎる宇宙飛行士たち。Florian Voggeneder/OeWF撮影。
(画像=拠点を通り過ぎる宇宙飛行士たち。Florian Voggeneder/OeWF撮影。)

イスラエルのネゲブ砂漠のミツペラモンに位置するラモンクレーター。赤みを帯びた砂の塊、奇妙な岩の形成、そして平和と静けさから、宇宙のどこかから飛び出してきた場所のようだといつも思っていました。結局のところ、そう感じていたのは私だけではありませんでした。今月、この場所で、火星への遠征をシミュレートする「宇宙」ミッションが行われます。

火星への遠征は近い将来に行われるとすでに予想されており、イスラエル宇宙局とオーストリア宇宙フォーラムが主導するAMADEE-20火星シミュレーションは、地質学的・地形的に似た場所でアナログの遠征を実施することにより、火星への遠征の準備を目指しています。

2人の乗務員は火星への遠征に先立ち準備万端です。Florian Voggeneder/OeWF撮影。
(画像=2人の乗務員は火星への遠征に先立ち準備万端です。Florian Voggeneder/OeWF撮影。)

そのために、オーストリア、イスラエル、ドイツ、オランダ、ポルトガル、スペインの6人のアナログ宇宙飛行士が、方法論と設備をテストするために、25か国・200人の研究者から送られた約20の実験を「火星」で3週間行っています。

制御チームがミッションの準備を手伝っています。Florian Voggeneder/OeWF撮影。
(画像=制御チームがミッションの準備を手伝っています。Florian Voggeneder/OeWF撮影。)

実験は生物学、地質学、工学、医学、心理学の分野から来ています。たとえば、ある実験では、「宇宙」に滞在中のアナログ宇宙飛行士のマイクロバイオームを調べ、別の実験では、周囲の生物学的汚染の可能性を調査し、さらに、探査目的でロボットや無人航空機の動作をテストしています。さらに、乗組員は対レーダーベストや防虫剤などの機器をチェックしています。

ミッションの準備を手伝う制御チーム。Florian Voggeneder/OeWF撮影。
(画像=ミッションの準備を手伝う制御チーム。Florian Voggeneder/OeWF撮影。)

ラモンクレーターでシミュレーションが行われたのは、今年の火星アナログフィールドミッションが最初ではありません。2018年にD-MARSと呼ばれる最初のシミュレーションが実行され、それに参加した宇宙飛行士は、宇宙線の測定と敷地内の地面のサンプル収集を行いました。

ミッションの前に砂漠を背景に写真撮影をするアナログ宇宙飛行士たち。Florian Voggeneder/OeWF撮影。
(画像=ミッションの前に砂漠を背景に写真撮影をするアナログ宇宙飛行士たち。Florian Voggeneder/OeWF撮影。)
領域を走行する探査車。Florian Voggeneder/OeWF撮影。
(画像=領域を走行する探査車。Florian Voggeneder/OeWF撮影。)

地球上で最初の「火星の定住地」は、2000年にカナダ北部の土地に設立されました。それ以来、同様の場所がユタ、ハワイ、モスクワに設立されましたが、今年のAMADEE-20遠征はこれまでで最も複雑なものです。

2人のアナログ宇宙飛行士がAMADEE-20火星ミッションの前にマクテシュラモンを散策しています。Florian Voggeneder/OeWF撮影。
(画像=2人のアナログ宇宙飛行士がAMADEE-20火星ミッションの前にマクテシュラモンを散策しています。Florian Voggeneder/OeWF撮影。)

「オーストリア宇宙フォーラムとの協力とイスラエルでのAMADEE-20の開催は、科学を支援し、有人宇宙探検のための国際的な取り組みに参加し、教育プログラムを促進するという私たちの方針に沿ったものです。私たちはミッションの一部であることを誇りに思っており、その成功を確実にするためにあらゆる努力をします」とイスラエル宇宙局のディレクター、Avi Blasberger氏は言います。

気密室から拠点を後にするアナログ宇宙飛行士たち。Florian Voggeneder/OeWF撮影。
(画像=気密室から拠点を後にするアナログ宇宙飛行士たち。Florian Voggeneder/OeWF撮影。)

情報提供:ISRAEL21c
テキスト:Naama Barak