居住用建築物は漸減傾向、非居住用建築物は横ばいを予測
株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、国内の居住用建築物及び非居住用建築物の市場予測を実施し、その結果を公表する。
居住用建築物市場規模推移・予測
非居住用建築物市場規模推移・予測
2023年度の居住用建築物市場規模は505,000棟、非居住用建築物市場規模は48,000千㎡を予測
<居住用建築物市場規模>
2021年度の居住用建築物市場は、前年度比13.7%増の528,000棟を予測する。市場拡大の主な要因としては、コロナ禍の影響により着工件数が大きく落ち込んだ2020年度の反動増が挙げられる。また、低金利下といった良好な住宅取得環境が継続しているほか、コロナ禍に伴う在宅時間の長期化を背景に、広さや快適性を求めるなど、住み替え需要が活発化し、持家を中心に需要が底堅く推移していることも市場拡大を後押しする要因と考える。
しかしながら、中期的には人口・世帯数の減少といった構造的な問題に加え、地価・建設コストの上昇により販売価格が高止まりする新築住宅に対する中古住宅流通市場の拡大などの影響もあることから、漸減傾向で推移するものと考え、2023年度は前年度比2.9%減の505,000棟を予測する。
<非居住用建築物市場規模>
2021年度の非居住用建築物市場は、前年度比9.1%増の49,000千㎡を予測する。市場拡大の主な要因としては、居住用建築物市場と同様、コロナ禍の影響により着工件数が大きく落ち込んだ2020年度の反動増があるものとみる。非居住用建築物市場のうち、コロナ禍を背景に飲食店などの店舗や宿泊施設市場については、厳しい状況は継続する一方、倉庫市場についてはEC市場の拡大に伴い、物流施設への需要増が市場拡大に寄与している。
今後についてはコロナ禍の収束時期が見通せないなかでも、物流施設への旺盛な投資意欲は継続するほか、都心部を中心とした再開発案件が見込まれるなど、底堅く推移するものと考え、2023年度は前年度比で横ばいの48,000千㎡を予測する。
※研究要綱
1.研究期間:2021年11月~2022年1月
2.研究対象:居住用建築物及び非居住用建築物
3.研究内容:居住用建築物及び非居住用建築物についての市場規模予測
4.研究方法:独立行政法人統計センターによる国土交通省「建築着工統計」のオーダーメード集計データを基に矢野経済研究所推計。なお、実績データは統計法に基づいて、独立行政法人統計センターから「建築着工統計」(国土交通省)のオーダーメード集計により提供を受けた統計成果物を基にしている。
<本研究における居住用建築物及び非居住用建築物とは>
本研究における居住用建築物とは、国土交通省「建築着工統計調査」の分類における居住専用住宅、居住専用準住宅、居住産業併用建築物の合計をさし、市場規模は建築着工ベースにおける棟数にて算出。また、非居住用建築物とは、国土交通省「建築着工統計調査」の分類における事務所、店舗、工場及び作業場、倉庫、学校の校舎、病院・診療所、その他の合計をさし、市場規模は建築着工ベースにおける床面積にて算出している。
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