海外での生活といっても私にはアメリカでの短期間の滞在経験しかありませんが、自分が学んだアメリカの学校や子どもたちの小学校でも、ほとんど毎週のように様々なソーシャルアクティビティがありました。日本でも仕事帰りに友人と飲みにいくようなお付き合いは当たり前ですが、アメリカでのソーシャルアクティビティは、友人同士だけではなく知らない人とも気軽に知り合えるようなイベントだったと思います。”Social”という言葉は、日本語の”社会”というより、もう少し”社交”に近いようなニュアンスと理解するようになり、本来余り社交的ではない私も、アメリカにおける日常の中での人と人との交流や接触の意味は、日本よりもずっと大きいのだろうと感じた記憶があります。

「Social Shopping」
(画像=「Social Shopping」)

オンラインで相談しながら買い物ができる「Social Shopping」

今回ご紹介する2017年創業のGamiteeは、”Social Shopping ”という機能をサービスとして提供しているイスラエル企業です。Social Shoppingという概念を最初は理解できなかったのですが、要は家族や友達で買い物に行くと、あれこれお互いに意見を聞いたり相談したりしながら買い物をすると思いますが、その状況を、オンラインショッピングでも作り出せるサービスです。他者と相談したいと思う「買い物の場面」に何があるのか、男の私にはあまり想像ができなかったのですが、GemiteeのVPSalesであるElla Stahlはいくつかの例を教えてくれました。

オンラインショッピングをする人
(画像=オンラインショッピングをする人)

①旅行の予約の場合
友達と一緒に旅行を計画する場合、例えばグループの一人がホテルの予約をするとなれば、その選択したホテルが金額面や設備面などで良いかどうか、メンバーに確認したいことがあるのではないでしょうか。

②新米のお母さんがベビーカー等を購入する場合
初めて子供をもったお母さんがベビー用品を購入するとき、先輩経験者のお母さんに、考えている製品の使い勝手や良し悪しについてアドバイスをもらいたいことがあるでしょう。

③スマホやPCなどの電子機器を購入する場合
ガジェット好きな人なら問題ないでしょうが、どんどん高機能・高性能になるデバイスを選ぶ時に仕様がよくわからず、詳しい友人の意見を聞いてみたくなることはないでしょうか。

確かに、こんな場面はあるような気もしますが、たとえば①の場合は、ホテルの予約ページをPCで見ながら友人に電話をかければ良いのではないか?と思ったのが最初の私の正直な感想でした。私の場合はオンラインショッピングをするときは100%PCでやるため、PCと同時にスマホを使うのが普通だからです。一方、Gamiteeが想定しているのは、PCももちろんありますが、スマホユーザの購買行動のようです。確かにイスラエルの友人や日本の若者もそうですが、ほぼスマホで何でもやって、最近はPCを持っていない若者も増えてきました。

その場合に、①の例であれば

・スマホでホテルの予約画面を開けて良さそうなものを選択し、ホテル名や金額をメモする

・LINEを立ち上げ、友人にホテルの名前、金額、特徴、URLなどを送り、確認を依頼する

・フィードバックを得たら、またホテルサイトにもどり、予約や検索をする

というような流れになりますが、このとき、”ホテルの画面を閉じてLINEを開ける”ことになり、2つの画面を行き来する操作になるでしょう。そのホテルがGamiteeのサービスを利用していれば、次の図のように、ウェブサイトの部屋のプランのところにGamiteeのボタンを配置することができます。そのボタンを押すと、選択したお気に入り商品の画面URLとともに、好きなSNSやメールで友人を呼び出すことができます。そうすれば、お互いに同じWEBサイトの同じ商品ページを見ながら、チャット出来るわけです。

図のイメージをご覧ください。

Gamiteeのイメージ
(画像=Gamiteeのイメージ)

GamiteeのWEBサイトにはライブ・デモページがあるので、実際にこちらで試してみることができます。日本語入力も問題ないことは確認しました。

ちょうど1年ほど前に、何人かの知人にこの機能についての意見を聞いたところ、正直あまりポジティブな反応はなく、慣れている人間の行動を変えるのは容易ではない、というのが結論でした。コロナ禍のおかげで旅行にも行けなくなっていることもあり、旅行予約サイト上でのチャットが行動を変えるほどのメリットと認識されるかどうか、あまり響かなかったのかもしれませんし、日本人はとりわけ保守的なのかもしれません。また、冒頭述べたように、人と人が交流するSocialという価値・意識が、アメリカとの比較ですが日本ではあまり大きくないのかとも思いました。

しかし、この1年、今までなかなか普及しなかったリモートワークも一気に(否応なく)普及したり、我々は大きな変化を経験しています。3密を避け、外出も控えるなか、ステイホームでオンラインショッピングを利用する割合は確実に増加しました。あまりSocialな活動・イベントに前向きでなかった私自身も、リアルに人と接することの価値を再認識しています。その意味でも、Shoppingという購買行動を便利に完結させることを直接目的とするだけではなく、Shoppingを切っ掛けにしたSocialCommunicationの価値を再確認しても良いのかと考えています。そんなことが出来るツールかもしれません。

このツールにご興味がある方、あるいは、Socialの価値についても皆さんのご意見を伺えれば幸いです。新井までご連絡ください。

https://gamitee.com/