独占インタビュー | ギラド・メイロヴィッチ (Partner at Herzog Fox & Ne’eman)

世界中でパンデミックに見舞われているにも関わらず、2020年上半期は日本企業からのイスラエル企業への投資は15%も増加しました。今回お話を伺うギラド・メイロヴィッチ氏は、日本とイスラエル企業のビジネス関係を育むうえで重要な役割を果たしてきた国際的な弁護士であり、将来に大きな期待を抱いていると語ります。

このインタビューでは、国際的な環境で働く中で彼の専門的な見解、日本との働き方、日本イスラエル間の関係に関する考え方がどのように変わったのか、その経緯を伺いました。

ギラド・メイロヴィッチ氏
(画像=ギラド・メイロヴィッチ氏)

イスラエルからニューヨークへ。国際ビジネスへの転身


「私のキャリアには、予想外の展開がいくつかありました。数年経った後、全てがどのように繋がったのか理解できましたね。」と笑顔で語ります。

20年前に彼が弁護士としてキャリアを築き始めた頃、後に海外へ導かれることは想像もしていませんでした。主にイスラエルで地元の事件を扱っていましたが、時間が経つにつれて国境を越えたプロジェクトに取り組み始めました。

そしてイスラエルで5年間弁護士を務めた後、彼はニューヨーク大学で法学の修士号を取得することにしました。

「ニューヨークでの留学経験は、新たな世界を開いてくれました。80カ国以上の学生たちと一緒に学び、この経験から、私たちが別の言語を話し、異なる価値観や文化の中で育っても、同じ人間として、共通するところは絶対にあるということを学びましたね。」

卒業後、ニューヨークを拠点とする電気通信会社で、新技術の実装に焦点を当てた社内のチームのサポートとして働き始めたメイロヴィッチ氏。その後、アメリカ最大の法律事務所の1つであるKirkland&Ellisのニューヨーク事務所で、弁護士として働き始めました。この法律事務所で彼は、世界中の弁護士と協力し合うという極めて重要な機会を得ることになるのです。

「Kirkland&Ellisは国際的な法律事務所であり、私は世界中の同僚と国内および国境を越えた取引に取り組みました。この経験は個人的、そしてプロフェッショナルとして、大きな影響を与えました。」

Herzog Fox Ne’eman、そして日本との出会い


現在彼は、イスラエル最大の法律事務所の一つであるHerzog Fox Ne’emanに所属しています。Herzog Fox Ne’emanは、固定概念に捉われない考え方が特徴的で、アジアとの取引に関してトップの法律事務所として知られています。2011年からは中国、シンガポール、インドに事務所を設立、2013年には日本へも進出を果たしました。

そして、日本進出の際に立ち上げリーダーを任されたのがメイロヴィッチ氏。日本で働くことに迷いはなかったと語ります。

「ニューヨークで留学してたとき、一番仲の良い友人が日本人の弁護士だったのです。留学後も連絡を取り合っていましたね。2013年に彼が仕事でイスラエルに来た時、私に新たな世界への扉を開いてくれたのです。その扉は次から次へと繋がっていきました。

実はその頃、新たなことに挑戦したいと思っており、また日本の美しさと文化に惹かれていました。そして日本進出の大きな可能性を感じ、幸いにも事務所もそれに賛同してくれたのです。

最初のマイルストーンの1つは、2014年に開催された大規模な弁護士会議でした。毎年違う国で開催されており、その年は東京で開催され、6,000人の弁護士が集まりました。そこで、事務所の経営側が私に挑戦を持ちかけたのです。日本進出を実現させたいのなら、この弁護士会議と同時期に、イスラエルへの投資に関するカンファレンスを開催すべきだと。当時、両国間におけるビジネスはあまりなかったため、非常に難しいように感じましたが、難しい課題であるからこそモチベーションが高まりましたね。数週間も経たないうちに、一緒にカンファレンスを手配してくれる日本のパートナーを見つけましたよ。カンファレンスは大成功を収め、それ以来、私たちは日本市場で非常に活発に活動してきました。」

タリ・ハレル夫人、ギラド・メイロヴィッチ氏、2017年イスラエル法賞受賞者ニリ・コーヘン教授、2009年ノーベル化学賞受賞者アダ・ヨナス教授、ハレル・ハルツ・インベストメント・ハウス社長エルハナン・ハレル氏。
(画像=タリ・ハレル夫人、ギラド・メイロヴィッチ氏、2017年イスラエル法賞受賞者ニリ・コーヘン教授、2009年ノーベル化学賞受賞者アダ・ヨナス教授、ハレル・ハルツ・インベストメント・ハウス社長エルハナン・ハレル氏。)

2018年京都イノベーションカンファレンスSTSフォーラムにて。

イスラエルと日本における関係の進展


メイロヴィッチ氏は、Herzog Fox Ne’emanが繁栄している理由に、イスラエルと日本の関係が進展していることもあると述べています。「それは一夜にして起こったのではなく、何よりもまず、両政府の助けのおかげで起こったのです。安倍首相とネタニヤフ首相はそれぞれの国をお互いに訪問し、このことがきっかけで、より多くの政治家たちが訪れることとなりました。」

サイバーテック東京カンファレンス2019でパネルディスカッションに参加するメイロヴィッチ氏
(画像=サイバーテック東京カンファレンス2019でパネルディスカッションに参加するメイロヴィッチ氏)

日本とイスラエルの関係は年々強くなり、その投資額は毎年安定的かつ劇的に増加しています。そのため首相会議は2014年、2015年そして2018年に開催されました。その結果過去5年間において、日本のイスラエルへの投資額は数十億ドルに上ります。

「非常に困難な年であった2020年でさえ、上半期にはイスラエルへの日本の投資総額が15%増加しました。また調査によると、2020年上半期のイスラエルへの投資総額の9%を日本の投資が占めていたとのことです。」

現在イスラエルで活動している日本企業の多くは、Herzog FoxNe’emanのクライアントです。

「我々は、日本の大手会社がイスラエルに支社を開設する手助けをしています。ハイテク企業に投資する多くの企業の支援を行い、大きなところだと、日本最大商社の一つがイスラエルのみに投資を行う1億ドルを超える投資ファンドの設立するのを支援しました。

このポジティブな進展というのは、日本の投資家がイスラエル市場を信頼しており、また協力する可能性を認識していることを意味しているでしょう。」

2018年夏Aniwoが東京で開催したセミナーにて、イスラエルの投資について講演するメイロヴィッチ氏
(画像=2018年夏Aniwoが東京で開催したセミナーにて、イスラエルの投資について講演するメイロヴィッチ氏)

イスラエル商工会議所


メイロヴィッチ氏は、イスラエル日本商工会議所の理事も務めています。 60年以上の歴史を持つこの非営利団体は、日本とイスラエルのビジネスの架け橋となることを目指しています。

2018年12月駐イスラエル日本大使館公邸にて行われた特別レセプションにて、前経済大臣の世耕弘成氏と
(画像=2018年12月駐イスラエル日本大使館公邸にて行われた特別レセプションにて、前経済大臣の世耕弘成氏と)

「Herzog Fox Ne’emanは、商工会議所と幅広い活動を行っており、多くの場面で協力してきました。COVID-19の前には、商工会議所や大使館、JETRO、その他の政府機関と一緒に、私たちのオフィスで多くのイベントやセミナーを開催しました。

例として、日本の経済同友会の代表団である”KEIZAI DOYUKAI” は、2016年に初めてイスラエルを訪れたのですが、その際には商工会議所と一緒に弊社オフィスでおもてなしをしました。今まで多くの代表団をおもてなしし、コラボレーションを成功させています。」

将来への前向きな見通し


パンデミックにより多くの困難が生じていますが、メイロヴィッチ氏は将来に前向きな見通しを持っています。

「このような困難な状況においても、私たちは日本のクライアントのため、積極的にプロジェクトに取り組んでいます。特に誇りに思っている最近のプロジェクトは、東京が緊急事態宣言中に、30秒でCOVID-19検査ができるキットを開発したイスラエルのスタートアップに対して、日本企業が投資を決めたことです。このような正確に検査ができるキットがあれば、様々な面で私たちの生活は変化し、海外旅行がしやすくなるでしょう。」

メイロヴィッチ氏は、今後さらに多くのアジア諸国と繋がることで、成功し続けることを計画しています。

「今後はタイや台湾など、他のアジア諸国との活動を展開していきたいと思っていますね。アジアがイスラエル企業にとって、最も重要な市場になりつつあることを非常に嬉しく思います。数年後にはアメリカ市場と同じレベルになると信じています。」

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