画期的なウェザー・テックのClimaCell (クライマセル)
(画像=画期的なウェザー・テックのClimaCell (クライマセル))

従来の天気予報は、同じ情報を再構築したもの
私たちが知っている「天気予報」は、大概は当たりますが、外れることもよくにある「予報」です。

これは政府が出した情報や気象モデルを民間企業が再構築するものなので、情報源は実はひとつなのです。産業によっては天気次第で、その日の業務内容に大きく影響を受けることがあります。言い換えれば、天気が大変重要な活動指標で、その影響を最小限にする対策が講じられます。

たとえば、航空業界はその一例で、悪天候で落雷の可能性がある場合や大雪で除雪の必要がある場合など、地上でも飛行中でも天気が大きく運行を左右します。その他にも建設業界であれば、セメントの流し込みの日などは雨天は避ける必要があります。このように天気に影響を受ける産業は、なんと70%にも上ります。

悪天候
(画像=悪天候)

分単位の気象変化を知らせてくれる、ウェザーテックのClimaCell (クライマセル)

ClimaCell
(画像=ClimaCell)
ウェザーテックのClimaCell
(画像=ウェザーテックのClimaCell)

気象業界に新風を送り込んだのが、イスラエル発のClimaCell (クライマセル)です。信頼できるリアルタイムの気象データを収集し、分単位の正確な天気の移り変わりを提供してくれます。さらに大気質データも提供されるため、大気汚染なども併せて確認できます。バーチャルセンターを至る所に配置し、リアルタイムで高解像度の画像が取得できます。

ClimaCellが配置するバーチャルセンター
(画像=ClimaCellが配置するバーチャルセンター)

またClimaCellは、気象の動きをより鮮明に可視化します。データは、IoT(インターネット・オブ・シングス)、ドローン、航空機、セルラー信号、衛星通信信号、ライブカメラ等といった、ClimaCell独自の情報源から収集し、「ウェザー・オブ・シングス」と表現されます。これらの膨大なデータを従来のデータと統合し、AIを活用してSaaS (ソフトウェア・アズ・ア・サービス) の天候インテリジェンスソフトウェアを構築します。

データの正確性のみならず、気象の変化に基づいた気づきを伝達。最適な行動を導くことが可能に。

ClimaCellは、大気圏の変数である降水量と地球全体の気温、雲量、風速を的確に予報していると評価されています。さらに、特に短期間の予報において、一般的に利用されている天気予報モデルデータと比べると、その精度と正確さにおいて、大きく上回っていると実証されています。

ダッシュボード一例
(画像=ダッシュボード一例)

2020年5月、インドの西ベンガル州で、過去最大規模の破壊力のあるサイクロン (強い熱帯低気圧で、台風と同じ性質を持ちます) の到来が予報されました。ClimaCellが提供する「HyperCastプラットフォーム」は、当地の電気事業会社にどの地域に、いつ、どれほどの強さで、何時間にわたりサイクロンが到来するのかを数日前に伝え、それを受けて電気事業会社は十分な対策を練る時間を持つことができました。

サイクロン到来当日の10時間前には、さらに詳しい地域を特定し、最適な人員配置、重要な送電システムを保護する適切な行動を提案しています。このように、ClimaCellなら天気の情報と、それに基づいた正しい行動を導く事が可能です。

創業者が兵役時代に経験した、正確な天気予報の重要性が強く反映され、2015年に創業。

イスラエルでは、高校を卒業する18歳から男子は約3年、女子は約2年の兵役義務があります。

創業者でCEOのShimon Elkabetz (シモン・エルカベッツ) 氏、CSOのRei Goffer (レイ・ゴフェール) 氏は共に、イスラエル空軍の出身です。そして同じく創業者でCCOのItai Zlotnik (イタイ・ズロツニック) 氏はエリート部隊の出身です。

左からCCOのItai Zlotnik (イタイ・ズロツニック)氏、CSOのRei Goffer (レイ・ゴフェール)氏、CEOのShimon Elkabetz (シモン・エルカベッツ)氏
(画像=左からCCOのItai Zlotnik (イタイ・ズロツニック)氏、CSOのRei Goffer (レイ・ゴフェール)氏、CEOのShimon Elkabetz (シモン・エルカベッツ)氏)

シモン氏は、自身のパイロットとしての経験を通して、正確な気象情報がいかに重要かという点と、その情報によってどんな行動を取るべきかという点において、同じ経験をもつ空軍出身のレイ氏と深く共鳴し、ClimaCellの創業に至ったと語ります。

そして当時は、天気の影響がビジネスにおいてどんな意味をなすのか、正しい行動を導くメッセージを伝えてくれる天気予報はなかった為、それを提供していきたいというのが起業の原点とのことです。

今回は、ClimaCellのAPACシニアVP、マネージングダイレクターのNadav Itach (ナダブ・イタフ) 氏にお話を伺うことができましたので、皆様にご紹介いたします!

APACシニアVP、マネージングダイレクターのNadav Itach (ナダブ・イタフ) 氏
(画像=APACシニアVP、マネージングダイレクターのNadav Itach (ナダブ・イタフ) 氏)

―――従来の天気予報と比べ、ClimaCellの誕生で、各産業界の天気予報に対しての意識の変化は見られましたか?

天気予報のニーズは産業によって違います。鉄道であれば、横風の程度が運行に影響し、デリバリー業界であれば雨天に強く影響を受けます。天気予報はその産業で必要となる、カスタマイズされた正確な気象情報が必要とされており、ClimaCellはそのニーズに応えることができます。

さらに天気予報をサービスとして直接企業に伝達するような事業者は、毎日電話などで担当者が連絡をするといったような、旧式な方法で行われています。この非効率な作業を改善できるのも、天候インテリジェンスのソフトウェアを提供する、SaaS企業である弊社の強みです。他にはない正確で詳細な気象情報を基に、適切な行動を提案できるのが各産業界で評価されており、従来の予報との違いとして認識されています。

―――これからの展望を教えてください。

天気の変化を十分に把握することによって、企業はサービスの向上ができます。日本は、一日のうちの天気が変化しやすい国であると言えます。そして特にサービスの品質を重要とする国です。突然の降雨によりお客様に配達する品が濡れてしまうより、予め天気を把握し、それに対応することができることで、サービス品質はさらに向上します。

ClimaCellは、柔軟に産業ニーズに対応し、その最適なプラットフォームを企業に合わせて提供します。天気の変化に関連した商業的ならびに運用効率を改善し、そして損失を最小限とする対策行動指標を提供していきます。天候と共に企業が最適な判断をし、さらに成長できる、そんな価値創造を目指しています。

ClimaCell ウェブサイト
https://www.climacell.co/