お好み焼きはここやねん
リトパコーポレーション(京都市伏見区)
的羽 弘晴社長(60)(※2020年12月号「注目FC 」より)

的羽 弘晴社長(60)
(画像=的羽 弘晴社長(60))

もんじゃ焼きをいち早く提供

ロードサイドや郊外店での出店を強化し、頭角を現してきているのがリトパコーポレーションだ。同社の「お好み焼きはここやねん」(以下:ここやねん)は、2000年に出店を開始し、12年にはフランチャイズ1号店をオープン。現在は中京圏を中心に23店舗(直営20/FC3)を展開しているが、今後は全国展開を視野に開発を強化していくという。

同社の起爆剤となっているのは、メーンの商品である「もんじゃ焼き」の存在だ。もんじゃの文化がない関西圏でいち早く商品を提供したことが吉と出た。

「きっかけはリーマン・ショック直後の2008年。店舗の売上が下がる中で、試しにもんじゃを提供したところ、若い女性客が増加した。そのため翌年には全店でもんじゃの提供を始めました」

それまでもんじゃ焼き自体は他のお好み焼きチェーンでも取り扱いがあったが、それはあくまでもサイドメニューとしての提供。だがここやねんではもんじゃを前面に押し出しており、加盟店独自で考案したもんじゃの提供も許可している。

その理由は、お好み焼き店ならではのオペレーションにある。まずお好み焼き店では、商品提供の方法が大きく2つに分類される。一つは「セルフ式」と言われる、具材を丼ぶりに乗せた状態で提供し、お客に調理をしてもらうというもの。そしてもう一つが同社のように、あらかじめキッチンで調理した状態の商品を提供し、鉄板の上でお客に食べてもらうというものだ。

この場合、お客に調理してもらう方が効率的に思えるが、実際には「焼き方を教えて欲しい」といったお客の要望があるため、結局テーブルに付きっきりになってしまうことも多く、スタッフの負担も大きく、オペレーションも乱れてしまう。そのため同社では調理した状態のものを提供しているのだが、その場合はファーストオーダーが来るまでに通常オペレーションでは10~15分ほどの時間がかかってしまう。

▲若い女性客も増加
(画像=▲若い女性客も増加)

商品提供時間を大幅に削減

そこで同社が考えたのが、ファーストオーダーでもんじゃを提供するというスタイルだ。もんじゃの場合だと焼き始めから3~4分程度で提供できるため、お客を待たせることもない。そして関西圏のお客はもんじゃの焼き方や食べ方も知らないことがあるため、あえてもんじゃに関しては目の前で調理することで、その時間をお客とのコミュニケーションの時間に活かすことにできたという。

「4名でお越しになる場合、そのうちの1名はファーストオーダーでもんじゃを注文いただけています。オペレーションを効率化できたメリットもありますが、お客様とのコミュニケーションを取る機会が増え、店舗の雰囲気も明るくなりました」