キャッシュレス決済
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鈴木 まゆ子
鈴木 まゆ子(すずき・まゆこ)
税理士・税務ライター。税理士・税務ライター|中央大学法学部法律学科卒業後、㈱ドン・キホーテ、会計事務所勤務を経て2012年税理士登録。「ZUU online」「マネーの達人」「朝日新聞『相続会議』」などWEBで税務・会計・お金に関する記事を多数執筆。著書「海外資産の税金のキホン(税務経理協会、共著)」。

最近増えてきたキャッシュレス決済はビジネスチャンスになると言われている。しかし、中小企業経営者の中には、まだ導入に踏み出せていない方もいるに違いない。今回は、そんな経営者に向けて、キャッシュレス決済の概要やメリット、注意点についてお伝えする。

目次

  1. キャッシュレス決済とは?
    1. 違い1.決済方法
    2. 違い2.精算方法
  2. キャッシュレス決済の導入が進んだ背景
  3. 中小企業こそキャッシュレス決済を導入すべき3つの理由
    1. 理由1.低利で融資が受けられる
    2. 理由2.業務を効率化できる
    3. 理由3.集客力を向上できる
  4. キャッシュレス決済を導入する際の注意点
    1. 注意点1.資金繰りの圧迫
    2. 注意点2.さらなるコストの発生
    3. 注意点3.システムダウンで機能しなくなる
  5. キャッシュレス決済の可能性

キャッシュレス決済とは?

キャッシュレス決済とは、紙幣・硬貨などの現金を使わずにお金の支払・受取を行う方法だ。クレジットカードや電子マネー、口座振替などを利用する。

旧来、キャッシュレス決済ではクレジットカードやデビットカード、交通系ICカードなどの電子マネーを用いた。

最近はQRコードを提示するスマートフォン決済の登場によって幅が広がった。一見どれも同じに見えるが、決済方法や精算方法に違いがある。

違い1.決済方法

決済方法には接触IC決済、非接触IC決済、QR決済の3つがある。

接触IC決済では、磁気ストライプやICチップをレジのカードリーダーで読み込む。クレジットカードやデビットカードはこの方法を採用している。

非接触IC決済では、クレジットカードのアプリをインストールしたスマートフォンや電子マネーカードを端末にかざす。カードリーダーではなく、近距離無線で読み取る仕組みだ。

QR決済は、スマートフォンにQRコードを表示してから端末に読み取らせる。

最も手軽なのは、かざすだけで済む非接触IC決済だ。QRコード決済は、スマホの画面にコードを表示する手間がかかるので、利便性が落ちる。ただ、QR決済のシステム導入費は安いと言われているため、事業主としては悩ましい。

定番のクレジットカードも便利だが、契約の方法次第で手間がかかったり、手数料が高くなったりする。

違い2.精算方法

精算方法には前払い、即時払い、後払いの3種類がある。

前払いとは、あらかじめ決済媒体にチャージしておいた金額から支払う方法だ。電子マネーやQRコード決済の一部に採用されている。残高が不足すると決済できないが、使いすぎを防止できる。

即時払いとは、決済時に銀行口座からお金を引き落とす方法だ。デビットカードがこれに当たる。口座残高が不足すると決済できないが、決済額を後から請求されないので後日に慌てないで済む。

後払いでは先に決済を行い、定められた日に金額を支払う。クレジットカードや電子マネーなどで採用されている。

チャージの手間がいらないほか、決済時にお金がなくても支払える。ただし、うっかり使いすぎてしまう点には注意したい。

キャッシュレス決済の導入が進んだ背景