株式会社ワールド(3612)と株式会社ナルミヤ・インターナショナル(9275、以下:ナルミヤ)は、株式交換を行うことを決定し、ワールドとナルミヤの間で株式交換契約を締結した。
ワールドを株式交換完全親会社、ナルミヤを株式交換完全子会社とする株式交換方式。
なお、本株式交換の効力発生日(2025年10月1日予定)に先立ち、ナルミヤの普通株式は、株式会社東京証券取引所スタンダード市場において、2025年9月29日に上場廃止(最終売買日は2025年9月26日)となる予定。
ワールドは、事業持株会社として、傘下のブランド事業、デジタル事業、プラットフォーム事業を営むグループ全体の経営管理、及びそれに付帯する業務を行っている。
ナルミヤは、ベビー・子ども服の企画販売事業、オリジナル、ライセンスブランドの展開による、子ども服及び、関連製品の製造加工販売を行っている。ワールドの持分法適用関連会社にあたる。
背景・目的
国内のアパレル業界を取り巻く環境は、仕入価格や物流費、人件費などのコスト上昇により、競争力を維持できない企業やブランドの淘汰がますます進んでいくことが考えられる。
また、金融市場では、東京証券取引所の要請と共に、TOPIX(東証株価指数)構成銘柄の絞り込みが進み、それにより上場コストが改めて認識されている状況である。
ナルミヤの掲げる既存・新規事業の強化には、これまで以上のコスト削減や新規投資も必要になるところ、ナルミヤ少数株主の利益にも配慮を要する現状の資本関係では、柔軟かつスピーディな意思決定による事業戦略の推進、インパクトある事業開発投資の実行及びナルミヤに対するワールドグループの経営資源の投入に構造的な限界があると考えられる。
こうした状況の中、完全子会社化を通じて、ワールドとナルミヤ少数株主との間の利益相反や独立性確保のための制約を排除し、より長期的な視点からワールドグループ全体の規模を活かした企業価値拡大に資する事業への投資の実行、ワールドグループで保有する資産の総合的な活用、コスト削減による経営の効率化を図る。
具体的には、完全子会社化により、以下の企業価値向上への施策が実行可能であるとの認識に至った。
ワールドグループの相応に規模のある安定的なキャッシュフローや経営資源・ノウハウを活用した、ナルミヤにおけるシステムや新規事業、海外進出、そしてM&A などに対する大型の成長投資顧客基盤の共有によるE コマース事業の収益拡大、両社の壁を超えた事業統合の実現、ナルミヤによるワールドグループのシステム・人材を活用した収益性向上など、更に踏み込んだ事業及び資産の集約・梃入れを実施することに加えて、互いの適材適所を補い合う戦略的な人事異動などの実行による、グループ事業基盤の強化コーポレート機能の統合や人材配置の最適化、仕入れから販売に至るバリューチェーン上のリソース・ノウハウの共有等を通じた、グループ経営効率や競争力の改善