M&A 仲介協会が「M&A支援機関協会」に改称、資格制度導入で業界改革に邁進

2024年9月19日、一般社団法人 M&A 仲介協会による業界の健全化に向けた今後の方針についての記者会見が行われた。

本記者会見にて、現在の「M&A仲介協会」は、2025年1月1日より「M&A支援機関協会」へと名称を変更し、資格制度や自主規制ルールの導入が進められることを発表。中小企業が安心してM&Aに取り組める環境の整備を目指すもので、3つの重要なポイントが説明された。

まず1点目は、名称変更に関する内容だ。これまで「M&A仲介協会」は主にM&A仲介業者と地方金融機関を中心に運営されていたが、今後はFA(ファイナンシャル・アドバイザー)や士業専門家、マッチングサービスを提供するM&Aプラットフォーマーといった幅広い業態の事業者も参加し、M&Aに関わるすべての支援機関が協力する体制へと拡充される。また、理事の構成も仲介業者に限定せず、他の業態からも参画を促すことで、よりガバナンスを強化する方針。

2点目は、悪質な譲受け事業者の排除に向けた「特定事業者リスト」の運用を開始するというもので、2024年10月1日から導入される。悪質な取引を行ったと判断された譲受け事業者の情報が協会内で共有され、一切の取引を原則禁止にするなどといった不正行為を防止するための仕組みが整備される。これにより、悪質な買い手から中小企業を守る体制を強化する考えだ。

3点目は、M&Aに関わる資格制度の導入について。2025年1月には資格制度検討委員会と自主規制ルール検討委員会が発足し、資格制度の導入が本格的に検討される。M&Aアドバイザーに求められる能力や知識が明確化され、業界全体の信頼性やサービスレベルの向上が期待される。

これらの取り組みは、中小企業が安心してM&Aに取り組める環境を整備することを目的としている。後継者不在問題を抱える中小企業にとって重要な解決策の一つであるM&Aの透明性と信頼性の確保は今後ますます重要になるだろう。