RYZE Consulting
ウィリアム・デローム 代表取締役
【PROFILE】約20年の人材コンサルタント経歴を持つ。特に外資系企業のエグゼクティブサーチにおいて手腕を発揮し、APACエリアのヘッドハントにおいて日本一のトップチームを率いるリーダー して活躍中。カナダのモントリオール出身。 |
外資系テクノロジー企業のレイオフが続いていますが、採用市場では依然として高い採用需要があり、経験豊富な専門性の高いプロフェッショナル人材に対する激しい採用競争が続いています。
企業は依然として求人に対し有力な候補者が不足していますが、このような採用競争の環境にありながらも、企業は現場の期待に的確に応えられる優秀な候補者だけを慎重に厳選して採用しています。
大企業でもレイオフせざるを得ない現状のため、数年前と比べ求職者も転職により慎重になっており、例えば現職での社内昇進や異動、また社外でも他の選択肢を検討することなく内定を承諾することは少なくなっています。
このように優秀人材の獲得競争が激化する中、採用の課題を克服するために、チャンスにはオープンではあるものの積極的に転職活動をしていない受動的な候補者の取り込みが重要になってきています。
受動的な候補者の採用にはその転職に魅力を感じてもらうための説得材料が必要となるため、転職意欲の高い求職者の採用に慣れている企業にとっては、以前よりも採用難易度が増しています。また候補者と企業側双方にとって選考プロセス向上のため、オンラインではなく本来の対面型面接の重要性が再認識されています。
コロナ禍以降、多くの企業が社員のワークライフバランスを充実させるために労働時間やリモートワークなど柔軟な働き方を導入した一方、業績不振時には非生産的な従業員に対する寛容さが低下した印象です。
現在、求職者が転職を決定する際の優先事項としてリモートワークへの関心は低く、最重要視されている条件は給与とRSUなどの福利厚生です。特に受動的な候補者は、収入アップを前提とした転職プロセスにのみ参加する傾向が見られ、かつて重視されていた仕事のやりがいや、将来性のあるキャリアパスの機会といった転職条件と変化があります。
また最近の傾向として顕著なのは、求職者はAI関連技術を持つ企業かもしくは自社製品にAIを組み込んでいる企業を選好しています。