仕事内容や勤務条件を優先し、同じ勤め先にはこだわらない「ジョブ型」を希望する雇用者が6割超となっていることが、日本生産性本部が取りまとめた第15回「働く人の意識調査」で明らかとなった。(文:日本人材ニュース編集部

雇用者の6割超は「ジョブ型雇用」を希望、人事評価には「成果や業績」を重視

希望する働き方について、メンバーシップ型を「同じ勤め先で長く働き、異動や転勤の命令があった場合は受け入れる」、ジョブ型を「仕事内容や勤務条件を優先し、同じ勤め先にはこだわらない」働き方として聞いたところ、ジョブ型が2023年7月調査の67.4%から64.8%に微減、メンバーシップ型が32.6%から35.2%へと微増した。

「仕事の内容」、「勤務地」、「勤務時間」といった条件を限定できる働き方が可能な場合、どの条件の重要度が高いか、優先順位を質問した。調査結果から、重要度1位に挙がった条件は「仕事の内容」が最も多く、次いで「勤務時間」、「勤務地」の順となった。

【重要度が高い限定条件】
●仕事の内容
重要度1位 40.6%
重要度2位 36.1%
重要度3位 23.3%

●勤務時間
重要度1位 35.8%
重要度2位 25.0%
重要度3位 39.2%

●勤務地
重要度1位 23.5%
重要度2位 38.9%
重要度3位 37.5%

勤め先から人事評価を受ける際、どのような点に比重を置いて評価されることが望ましいかを質問した。本設問では人事評価の要素を、(1)成果や業績、(2)仕事を行う能力、(3)仕事振りや態度、の3つに集約し、これら3つの要素の望ましい比重を回答するよう求めている(3つの要素の比重を合計して10になるように整数で回答)。その結果、「成果や業績」3.7、「仕事を行う能力」3.4、「仕事振りや態度」3.0 となった。

最近3カ月のOff-JTの実施状況を聞くと、勤め先からの「案内により受講した」は2023年7月調査の8.3%から6.3%へと減少した。「案内はあったが受講しなかった」は8.3%、「勤め先から特に案内はなかった」は85.5%となった。

Off-JTの受講内容を聞くと、「業務遂行の効率化」が30.4%で最多となった。次いで「職場の管理 ・ 監督能力の向上」27.5%、「法令遵守(個人情報保護、ハラスメント等)」26.1%などが続いた。

【最近3カ月に受講したOff-JTの内容 上位5】
業務遂行の効率化 30.4%
職場の管理 ・ 監督能力の向上 27.5%
法令遵守(個人情報保護、ハラスメント等) 26.1%
その他 23.2%
係長、課長、部長等、役職や役割に必要な知識 20.3%

働く者が自らの意思で行う自己啓発を「行っている」は前回1月調査の13.5%から13.4%に、「行っていないが、始めたいと思っている」は24.5%から21.9%に微減した。

一方、「特に取り組む意向は無い」は64.7%となり、過去最大となった。現況について生産性本部は「雇用者の自発的な学習意欲の低下傾向が続いている」と指摘する。

調査は、2024年7月8日~9日、20歳以上で日本の企業・団体に雇用されている者(雇用者=就業者から自営業者、家族従業者等を除いたもの)1100人を対象に実施した。

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