矢野経済研究所
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2030年の産業用ドローン世界市場は1兆4,124億円に成長を予測

~産業毎の実証実験が実装ステップへと進み、機体需要が増加していく見込み~

株式会社矢野経済研究所(代表取締役社長:水越孝)は、ドローン世界市場を調査し、製品別や参入企業各社の動向、将来展望などを明らかにした。ここでは、産業用ドローン世界市場予測について、公表する。

産業用ドローン世界市場規模予測

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1.市場概況

ドローンは、人が搭乗できない航空機の内、遠隔操作や自動(自律)操縦で飛行が可能な無人航空機である。海外ではUAV(Unmanned Aerial Vehicle)や、UAVとこれをコントロールするGCS(Ground Control Station:地上操縦装置)を合わせたUAS(Unmanned Aircraft System:無人航空システム)などと呼ばれている。
2000年代前後から中国や欧州、米国などでドローンのベンチャー企業が設立され、現在は高性能・高価格の機体が世界中で提供されている。日本でも同時期からドローンメーカーが誕生している。2024年の産業用ドローン世界市場(メーカー販売金額ベース)を3,186億9,400万円と予測する。ドローンは、多くの産業用途で事業が定着しており、市場拡大に向けて展開されている。

2.注目トピック

災害対応ドローン整備が緊急防災・減災事業費の対象となり、災害分野では多数のオファーが発生

ドローンは、農林水産業や点検・測量、警備・監視などの産業用途で既に広く利用されている。日本国内での今後の成長分野の一つとして、災害対応での活用拡大が想定されている。
総務省消防庁によると、2022年4月現在、全国の消防本部の約6割でドローンが導入されている。2022年度から、災害対応ドローン整備のための機体等の調達経費を新たに緊急防災・減災事業債の対象とすることが決まった。また、2023年度にも地方財政計画に5,000億円が計上され、対象事業に指定避難所の生活環境改善のための取り組みへの支援とともに消防本部への水中ドローンの配備が追加された。
本格的な機体導入の動きは2024年度以降と想定されていることから、ドローンメーカーでは災害対応ドローンとして必須である機体の型式認証取得や重ねての研究開発、また市民への機体認知度の向上に向けた取り組みが進められている。

3.将来展望

ドローンは、自動車や旅客機といった既存モビリティ同様に、世界的に機体を扱う際の法規制や環境づくりなどが整えられてきている。今後は、安全性も高く各産業へ活用できることが評価され、順調に市場が拡大していくと考えられる。中国や欧州、北米、その他各国でも日本と同様に、産業毎の実証実験が実装ステップへと進み、機体需要が増加していく見込みである。2030年の産業用ドローン世界市場は1兆4,124億2,100万円に成長すると予測する。

調査要綱

1.調査期間: 2024年1月~3月
2.調査対象: ドローンを扱う企業や研究機関など
3.調査方法: 当社専門研究員による直接面談(オンライン含む)、ならびに文献調査併用
<ドローン世界市場とは>
本調査におけるドローン世界市場とは、産業用ドローンを対象としてメーカー販売金額ベースで算出した。ミリタリー(軍需用)ドローンや機体重量100g未満のホビードローン(模型航空機)、ドローンを活用した商用サービスは含まない。
<市場に含まれる商品・サービス>
産業用ドローン

出典資料について

資料名2024年版 ドローン市場の現状と将来展望
発刊日2024年03月27日
体裁A4 162ページ
価格(税込)198,000円 (本体価格 180,000円)

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